「やっぱり結婚やめた」彼女たちが、そう決めた理由
「結婚」は、もはや「できるできない」というものではない。するかしないかは個人の自由。それでもある程度の年齢になれば、気になるものではあるのかもしれない。そんな中、「結婚やめた」と決めた女性たちの胸のうちとは。
彼の人生の犠牲になりたくない
5年前、つきあって2年たつ彼との結婚話が出たとき、ユカさん(40歳)はうれしいと同時に「本当にこれでいいのかな」と感じたそう。
「彼は出張が多いし、ひょっとしたら海外駐在もあるかもしれない。私は仕事が楽しかったし、これからチャレンジしたいこともあった。親も高齢になってきているし、身体の不自由な弟もいる。全部放り出してよその土地に行くわけにはいかない。もし転勤となったら私は行かれないかもしれないと彼に伝えたら、『なんのための結婚なの?』と言われたんです」
そのとき、彼が「一緒に考えていこう」と言ってくれたら、彼女は結婚を決意できた。だが、「ついてきてくれるのが当然」とする彼の考え方に疑問をもった。
「私は、彼の仕事や人生の犠牲にはなりたくないと強く思ったんです。私だけが彼に合わせて生きなくてはいけないのはおかしい、と。そこからぎくしゃくして結局、別れることになったんですが、その考え方は今も変わっていません」
家族だから一緒に暮らすのが当然、と今までは結婚後、女性が犠牲になってきた。もちろん「犠牲」だと考えない人はそれでいい。だが、渋々、夫について行った人も少なからずいるはずだ。
「もっと仕事をしたかった、もっと自分の人生を生きたかったと後悔したくない。今もそう思っています」
自分の人生を生きたい
今、女性たちは「自分の人生を生きたい」と願っている。男に人生を翻弄されたくはない女性たちが増えているのだ。
「私も同様の理由で結婚をやめました」
そう言うのはカホさん(41歳)だ。彼女は関東在住の地方公務員。母親とふたり暮らしだ。3年前、婚約を破棄したのは、彼が両親との同居を望んだから。
「あちらの両親はまだ元気。うちの母は持病を抱えていて、とてもひとり暮らしはさせられない。なのに彼は同居を望んだんです。それはおかしいだろ、と私は反発。あげく彼は『オレ、長男だから』って。私だって長女だよということになって(笑)。そうなるともう相容れないですよね」
ふたりだけで暮らすという選択肢もあったはずだが、彼が譲らないので彼女も譲らなかった。最後は意地の張り合いみたいだったと彼女は苦笑する。
「親が大事なのは同じでしょう。それなのに男性側の親のことは女性も大事にしなければいけない、女性の親は放っておいてかまわないという彼の考え方がおかしいと思った。彼の両親だってそうですよ。自分たちは元気なんだから私の母親のことももうちょっと考えてほしかった」
親のめんどうをみるかみないか、という理由ではないのだ。女性だけが犠牲になって当然とみんなが思ってしまうところに問題がある。
「自分の人生を生きたいんです。そのためにどちらかが我慢したり犠牲になったりするのはよくない、と言いたい」
カホさんの意見、もっともなのではないだろうか。