サッカーでも野球でも、左利きのプレーヤーは貴重だ。右利きに比べると絶対数が少ないだけに、チームの戦術や戦略に幅を生み出す。2019年のJリーグでは、浦和レッズの山中亮輔に注目だ。
 

左利きのメリットとは?

左利きのプレーヤーは、様々なスポーツで希少価値が高い。サッカーにおいては、右利きとはキックの軌道が基本的に逆になるので、攻撃のパターンが幅広くなる。左サイドから右サイドへ展開する局面で、左サイドバックが左足で蹴ったほうが、ボールの流れがスムーズなのだ。
 

CKやFKのキッカーとしても重要な役割を果たす。右利きと左利きのキッカーが揃っていれば、守備側は「どちらが蹴ってくるのだろう」と迷う。
 

浦和レッズでプレーするディフェンダーの山中亮輔に期待(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

今シーズンから浦和レッズでプレーするディフェンダーの山中亮輔は、左利きの特性を存分に生かしている。高校生年代から世代別の代表チームに名を連ね、4バックの左サイドバックなどで経験を積んでいった。2016年のリオ五輪アジア最終予選では、今をときめく中島翔哉(アル・ドゥハイル/カタール)や南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)らとともに主力を担い、出場権獲得に貢献した。
 

本大会でも活躍が期待されたものの、残念ながらケガなどもあって出場を逃す。所属する柏レイソルでもスタメンに定着できず、17年から横浜F・マリノスへ新天地を求める。
 

代表デビュー戦でいきなり得点を

ここで出場機会を増やすと、ロシアW杯後の18年11月に日本代表に初選出された。11月20日のキルギス戦で左サイドバックとして先発すると、開始わずか2分で先制ゴールを叩き出す。「左利きを生かしたクロスや攻撃に絡むプレー」を評価する森保一監督に、鮮明なる解答を示したのだった。
 

今年1月から2月上旬にかけて行われたアジアカップは、キルギス戦後に発症したケガの影響などでメンバーに選ばれなかった。しかし、移籍1年目の浦和では、J1リーグの開幕戦から試合に絡んでいく。3月17日のセレッソ大阪戦、同30日のFC東京戦では、途中出場から得点をアシストした。
 

森保監督が就任したロシアW杯後の日本代表では、長友佑都(ガラタサライ /トルコ)、佐々木翔(サンフレッチェ広島)、安西幸輝(鹿島アントラーズ)が左サイドバックで起用されている。長くヨーロッパのクラブでプレーし、W杯に3度出場した32歳の長友は、経験と実績で抜きん出ている。フィジカル的な衰えも感じさせない。長友、佐々木、安西は、3バックでも4バックでもプレーできる。安西は左右両サイドに適応する。
 

山中のプレースタイルも、システムの制約を受けない。3バックならウイングバックやアウトサイドと呼ばれるポジションで、4バックなら左サイドバックで、高いレベルのプレーを見せている。そして、彼ならではの強みとなるのが利き足だ。
 

長友らは左右両足をしっかりと使いこなすが、左足の精度なら山中が上回る。キックの種類も豊富で、CKやFKのキッカーとしても機能できる。
 

山中が所属する浦和レッズは、Jリーグでも有数の選手層を誇る。そのなかでスタメンに定着すれば、日本代表定着は自然と近づいていく。4月20日に26歳の誕生日を迎える浦和レッズの背番号6は、継続して追いかけていくべき選手である。