サッカー日本代表に、あの背番号10が帰ってきた。3月22日に行なわれた日本代表対コロンビアのテストマッチに、香川真司が出場したのである。2度のW杯に出場し、30歳になった経験者は、日本代表に新たなオプションをもたらそうとしている。
 

トルコ移籍で状況を改善

キリンチャレンジカップに後半途中から出場した香川真司(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

再生への第一歩が踏み出された。
 

3月22日に行われた日本代表対コロンビア代表のテストマッチで、香川真司が後半途中からピッチに立った。通称サムライブルーの青いユニフォームを着るのは、18年初夏のロシアW杯以来だった。
 

昨年9月の森保一(もりやす はじめ)監督の就任とともに、日本代表は世代交代が進められている。攻撃陣では24歳の中島翔哉と南野拓実、20歳の堂安律が定位置をつかんだ。
 

中島はポルトガルの、南野はオーストリアの、堂安はオランダのクラブで、結果を残していることが評価された。中島は2月からカタールのアル・ドゥハイルへ移籍したが、新天地でもしっかりとポジションを確保している。
 

香川は対照的だった。ロシアW杯後の18-19シーズンは、所属するドルトムント(ドイツ)で出場機会を得られない日々が続く。ピッチに立つことを渇望する彼は、1月末にトルコ1部のベシクタシュへ移籍した。
 

イスタンブールに本拠地を置くトルコの強豪で、香川は鮮烈なデビューを飾る。移籍直後のリーグ戦に途中出場すると、いきなり2得点を叩き出したのだ。
 

コロンビア戦では興味深い化学反応が

日本代表の森保監督はこれまで、ロシアW杯のメンバーに選ばれなかった選手を積極的にセレクトしてきた。22年のカタールW杯を見据えているが、「世代交代という言葉ありきではなく、日本代表では実力のある選手が残っていくもの。ベテランを呼ばないわけではない」と話している。実際に、香川より2歳年上の長友佑都、同学年の吉田麻也は、1月のアジアカップに出場した。
 

サッカー選手の30歳はベテランと見なされるが、キャリアの円熟期である。一番いい時期、と言ってもいい。さらに言えば、香川は速さや強さといったフィジカルを武器にするタイプではない。古傷と呼ばれるようなケガもない。衰えを感じさせるところはなく、クラブでも代表でもまだまだ第一線でプレーできる。
 

果たして、コロンビア戦では興味深い化学反応をもたらした。香川がトップ下のポジションに入ったことで、中島がそれまでよりもシュートシーンに関われるようになった。同じく途中出場した乾貴士との連携もスムーズで、攻撃にリズムをもたらしながら周囲の特徴を引き出していたのである。
 

香川がトップフォームを取り戻したことで、日本代表の攻撃陣は新たな選択肢を持つことができる。彼の再生が、日本代表をバージョンアップさせていくはずだ。