突然ロペスが消えた!? 札幌ドームにできる谷、どうすれば安全?

コンサドーレ札幌のアンデルソン・ロペスがゴール後にサポーターと喜びを分かち合おうとゴール裏のフェンスを飛び越えた。しかしフェンスの向こうには約3メートルの窪みがあり、それを知らなかったロペスはそのまま落下。一時立ち上がれなくなる事態に陥った。このような事故を起こさないようにするには、どうすればよいのか?

突然ロペスが消えた!? 

札幌ドームにあるゴール裏の窪みに落ちてしまった、コンサドーレ札幌のアンデルソン・ロペス(写真:田村翔/アフロスポーツ)


ヒヤッとする事件が起こったのは、3月9日のJ1リーグ第3節コンサドーレ札幌―清水エスパルス戦。アンデルソン・ロペス(コンサドーレ札幌)がゴール後にサポーターと喜びを分かち合おうとゴール裏のフェンスを飛び越えた。

しかしフェンスの向こうには約3メートルの窪みがあり、それを知らなかったロペスはそのまま落下。一時立ち上がれなくなる事態に陥った。幸い大事には至らず、さらにこの試合でロペスは七転び八起きならぬ一転び四起きの4得点の離れ業を成し遂げた。

このような落下事故が今後二度と起こらないとは言い切れない。選手に事前にスタジアムの構造を伝えていたとしても、テンションが上がればそれを忘れてフェンスを飛び越えてしまう可能性も。そこで今回はサッカー大好き若手芸人の筆者があの落下事故の再発を防ぐ提案をしていきたい。
 

なぜ溝ができるか?

そもそも札幌ドームは、日本のプロチームで唯一のサッカー野球併用のドームスタジアム。ドーム外で育てた天然芝のピッチを「ホヴァリングステージ」という空気圧を用いて浮かせたステージに乗せ、ドーム内の人工芝と入れ替えることで、野球用のピッチとサッカー用のピッチを併用している。そのため、ホヴァリングステージ分ピッチが高くなり、観客席との間に谷ができてしまうのだ。

W杯用にスタジアムを設計する際にサポーターの乱入を防止したいという設計理由もあったそうだが、現状Jリーグでそのようなサポーターを警戒する必要性は薄い。
 

低予算で出来る柔らかな素材とは

落下事故防止と言えばクッション。体育の授業で使ったような大きなマットを谷底に敷いておけば万が一落下しても衝撃を吸収してくれるはずだ。しかし、下が柔らかいと逆に着地が難しくなり、足をひねってしまう可能性も。そう考えるとクッションはベターではあるがベストではない。

ではトランポリンはどうだろう。トランポリンならば弾力もあるので足をひねる心配も少ない。ただトランポリンには別の問題がある。陽気なブラジル人プレーヤーのゴール後にトランポリンを与えたりしたら、きっと遊びたくなってしまうだろう。ケガ防止のためのトランポリンがゴールパフォーマンスに利用されかねないのだ。

そうなると祝福するべく多くの選手がトランポリンへ降りてしまう。トランポリン上で多くの選手が密集すれば接触事故になる可能性もあり、怪我をすれば最悪。トランポリンの上では担架やチームドクターが駆けつけたり、応急処置もしづらい。
 

一番怪我しないのは水?

こう考えていくと水をためるのがベターだろうか。深さ2メートル程度の水に落ちる分には怪我の心配もないが、水に落ちた選手が風邪をひいてしまう可能性はある。

選手の体調管理を考えるとお湯ならいけるだろうか。ぬるま湯に設定すれば、湯気でピッチが見えづらくなることも配慮できる。今までの問題点を全て解消できる完璧な作戦だ。

試合後に水深、水温を調整すれば、コンサの湯として観客に開放することもできる。アウェーチームのサポーターにもクラブデザインのタオルが売れて一石二鳥だ。
 

現実的に考えてみよう

実際に野球とサッカーのハイブリッドドームにお湯を貯めたりしたら、精密機械に異常をきたすこと必至。なにより、水中で立ち泳ぎしながら待機しなくてはならないボールボーイが可哀想だ。そもそも北海道民は泳げない人が多いと聞くし、ボールボーイの負担が大きすぎる。湯気でドーム内の湿度が上がって選手のパフォーマンスも落ちる。結局、これでどうだろう。あの谷底になにかをするのではなく「谷を完全に埋める」のは。

今日日Jリーグでサポーターがピッチに乱入するシーンなど長いこと見ていないし、技術的にも難しいことには思えない。一番簡単で誰でも思いつくところに答えがあったように思える。是非検討していただきたい。
 

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