覚えておいて損はない、隠れたスターが目白押し!
いよいよシーズン開幕まであとわずかと迫った2019年のプロ野球。チームの看板選手はもちろん新加入の選手や若手たちがどんなプレーを見せてくれるのか期待に胸を膨らませていることでしょう。中でも注目したいのが昨年とは異なるポジションへとコンバートされた選手たち。今季話題を集めたのが、日本ハムの白村明弘です。
慶応大学時代は1年生からクローザーとして活躍し、2013年のドラフト会議で日本ハムに投手としてのプロ入り。昨季は肩痛のため一軍登板はわずか3試合にとどまりましたが、今季はキャンプ中も好投を見せていました。しかしキャンプ終盤に監督を務める栗山英樹と吉村浩GMから打者転向を打診。本人も受諾したため、今季から野手として調整することになりました。
白村の身体能力の高さは学生時代から評判で、高校・大学時代には打者としてもクリーンアップを担うほどの実力の持ち主。ポテンシャルの高さを生かすためのコンバートでしょう。意外かもしれませんが、プロ野球の歴史を紐解くと、投手として一定の成績を残しながら打者への転向を成功させた選手はいます。
1.糸井嘉男(阪神)
打者に転向した現役選手と言えば、最も有名な選手の1人。白村明弘同様、投手として日本ハムに入団しました。プロ入り2年目までは二軍で通算36試合に登板しましたが、当時のGMである高田繁は打者転向を指示。転向して間もなく快打を連発し、打者転向3年目の2009年にはついにレギュラー定着し、6年連続で打率3割を記録するなど、一流打者の仲間入りを果たしました。
その後オリックス、阪神と球団を転々としますが、どのチームでも主軸打者として存在感を示して、昨季までに通算1504本の安打数を記録。今季で38歳の大ベテランですがその打棒に衰えは見られず、今年も活躍が期待されます。
2.雄平(ヤクルト)
東北高校時代は最速151キロを超える左腕投手として注目を集め、2002年のドラフト会議ではヤクルトと近鉄が投手として競合指名。クジ引きの結果、ヤクルトに入団が決まると、翌2003年には投手としてデビューを果たし、いきなり5勝6敗という出色の成績を残しました。
しかし、プロ入り以来慢性的な制球難に悩まされた雄平はその後投手としては頭打ちに。そこで首脳陣は高校通算36本塁打という長打力に目を付け、プロ入り8年目の2010年から打者に転向させます。すると雄平は再び調子を取り戻し、2014年にはついにレギュラー定着し、打率.316、23本塁打を記録。翌2015年にはチーム14年ぶりのリーグ優勝を決めるサヨナラ打を放ちました。
3.木村文紀(西武)
強肩を武器に今季レギュラー定着を期待される木村文紀もプロ入り時は投手として期待された逸材。しかし、プロ入り後は度重なる故障が災いして大成できずにいました。そこで2013年から打者転向して再起を図ることに。
打者転向後、一軍に上がるのには数年かかるのが通例ですが、木村の場合はこの年から一軍に昇格して、いきなり本塁打を放つほどの長打力を見せつけました。昨季は75試合に出場して自己ベストの打率.260を記録。さらなる飛躍が期待されます。
4.福浦和也(ロッテ)
昨季、念願の通算2000本安打を達成した「幕張の安打製造機」こと福浦和也。2001年には首位打者を獲得した球史に残る巧打者として知られる選手ですが、実は彼もプロ入り時は投手として入団しました。
習志野高校時代は地元球団のロッテが注目していたものの、指名順位は1993年のドラフト会議で最後の指名となる7位という低評価。しかもプロ入り間もなく左肩を痛め、当時の二軍打撃コーチだった山本功児から打者転向を打診されて決意しました。
一軍デビューはプロ入り4年目とかなりの時間を擁しましたが、翌年には一塁手としてレギュラーに定着。長打はなくとも安定したバットコントロールを武器に高打率を記録していつしか中心打者になりました。そしてプロ入り22年目となった昨季、ようやく通算2000本安打を達成。今季限りでの引退を表明しているだけにその雄姿を見られるのもあとわずかです。
白村は偉大な打者たちの後に続けるか!?
いかがでしたか? 投手として一軍で好投した選手もいれば、意外な選手まで打者転向を果たしていました。今季から打者に挑む白村明弘の活躍を期待するとともに、彼らのプレーに注目しましょう。