3月1日、東京マラソン2019(3月3日開催)のプレスカンファレンスが行われ、車いすマラソンの招待選手がレースに対する意気込みや目標タイムなどを壇上、囲み取材で語りました。
プレスカンファレンスでは、副島正純車いすレースディレクターが今回の出場選手について「今回は車いすの陸上界で牽引している選手に参加していただけます。(自身もレースに参加するので)彼らのスピードや空気感を味わえるようにチャレンジしたい」とも言っていました。各選手が語っていただいた目標タイムや意気込みは次の通りです。
男子招待選手の意気込み
マルセル・フグ選手(スイス)
・自己最高記録……1時間18分04秒
・目標タイム……1時間27分00秒
2016年リオパラ五輪マラソン金メダリストの実力者です。今回の東京で優勝すれば、アボット・ワールドマラソンメジャーズ大会の全6大会を制覇することになります(他5大会はボストン、シカゴ、ロンドン、ベルリン、ニューヨークシティ)。
「招待していただき、ありがとうございます。(冬季は)ドバイで良いトレーニングをし、トラックレースにも出場してきました。今はワクワクしています」
ダニエル・ロマンチュク選手(アメリカ)
・自己最高記録……1時間26分26秒
・目標タイム……1時間26分00秒
シカゴマラソン、ニューヨークシティマラソンを連勝中。最も勢いがある選手と言えます。普段はイリノイ大学の2年生で、エンジニアの勉強をしているという一面も持ちます。
「(マラソン連勝中ですが)1回1回が新しいレースです。(アボット・ワールドマラソンメジャーズの)シリーズはまだ半分の折り返しだし、これからです。(フグ選手について)フグ選手を見て育ちました。振る舞い含めて、選手だけでなく、人として尊敬しています」
鈴木朋樹選手(トヨタ自動車)
・自己最高記録……1時間24分00秒
・目標タイム……1時間20分51秒(現在の日本記録が1時間20分52秒)
東京マラソン2018では1秒差の2位でした。海外2選手に対しての印象などを語っていました。
「(現在のコンディションは)徐々に上がってきています。フグ選手と一緒にドバイでトレーニングをしてきました。(壇上の海外2選手については)フグ選手は憧れていた選手です。ダニエル選手は今、勢いがすごく、リーチも凄く長い(2mあるそうです!)。でも2人に勝ちたいです」
山本浩之選手(福岡)
・自己最高記録……1時間19分32秒
・目標タイム……1時間25分59秒
東京マラソンで過去4回優勝してる実力者です(2010、2012、2014、2018)。ちなみに、副島正純車いすレースディレクターは5回優勝しており、今回はその記録に挑むと同時に、初の連覇を目指します。
「(目標タイムについて)フグ選手、ダニエル選手と一緒に走ればこのくらいは出ると思います。厳しいとは思いますが、自分に喝を入れて頑張りたいです」
女子選手の意気込みは
マニュエラ・シャー選手(スイス)
・自己最高記録……1時間28分17秒
・目標タイム……1時間43分00秒
2018年に東京、ベルリン、シカゴ、ニューヨークで優勝しています。他の登壇した選手のコメントから、「強すぎる」との声もあがるほどです。
「(コース攻略などの作戦はありますか?)秘密ですが、最後まで集団で行くと思うので、スプリント勝負になるのではと思います。去年よりコンディションは良いです」
タチアナ・マクファーデン選手(アメリカ)
・自己最高記録……1時間35分05秒
・目標タイム……1時間43分00秒
東京は2016、2018年に出場、ともに2位に入るなど、経験豊富な選手です。
「(マニュエラ選手は)あまりに強い選手です。自分は楽しむことと、弱みを克服したいです。来年(東京パラ五輪)にも繋がる走りがしたいです」
マディソン・デロザリオ選手(オーストラリア)
・自己最高記録……1時間39分22秒
・目標タイム……1時間43分00秒
他の選手は冬季トレーニングに苦労しているようですが、マディソン選手の練習拠点であるオーストラリアは温暖なため、年中、屋外でトレーニングができるそうです。
「マニュエラ選手、タチアナ選手は、私が競技を始めたときからのファンです。(目標タイムが2人と同じだが?)書いていたのが見えたので同じにしました。平坦なコースは得意なので、先頭集団にいたいです」
喜納翼選手(タイヤランド沖縄)
・自己最高記録……1時間39分36秒
・目標タイム……1時間38分00秒
前回の東京マラソンでは3位に入りました。練習拠点の沖縄は、今年は雨も少なく、走り込めたそうです。
「(実力者揃いの海外招待選手について)こういった選手たちと走れるのは大きいです。前回は途中で集団から離れてしまったので、今回はずっと集団にいたいです」