若手を選んだ真意とは?
3月9日(土)、10日(日)に開催される侍ジャパンシリーズ2019「日本VSメキシコ」。侍ジャパンこと野球日本代表の2019年初の国際試合ということで大きな注目を集めています。
今回、常連組はほとんど選出されず、初選出となった選手は11名。選出時点で30代の選手は松永昂大のみで、反対に25歳以下の若手はメンバー28人中19人を占めるという結果になりました。
球界を代表するトップクラスの選手をあえて外し、若手中心のメンバー構成とした理由について稲葉監督は、公式Youtubeでも中継された記者会見で、「(選んだ選手を)試せる最後のチャンス」とコメント。目先の2試合だけでなく、プレミア12や東京五輪、さらに翌21年に予定されている第5回WBCに向けて若手に経験を積ませることに重きを置いた人選であることを明らかにしました。
ここに選ばれた選手たちはいわば各球団の期待のホープたち。というわけで、侍ジャパンシリーズ2019対メキシコ戦のメンバーに選ばれた選手の中でも注目すべき選手をピックアップして紹介します。
注目メンバーその1:清宮幸太郎(19歳・日本ハム・初選出)
父はラグビー日本代表などで活躍し、ヤマハ発動機ジュビロの監督を今年退任した、清宮克幸を持つ、生まれながらのサラブレッド。高校時代はその恵まれた体格と天性の長打力で本塁打を量産し、高校通算111本塁打という新記録を打ち立てました。
鳴り物入りで日本ハムに入団した昨季は一軍と二軍を行ったり来たりしたものの、高卒ルーキーとして歴代9位タイとなる7本塁打を記録。その長打力が買われ、野手史上最速となる侍ジャパン入りを果たしました。
ちなみに清宮は高校時代、野球日本代表U-18のメンバーに入っており、国際戦はすでに経験済み。3年時のU-18W杯では打率.219と低迷しただけに、トップチームでのリベンジなるかが注目されます。
注目メンバーその2:甲斐拓也(26歳・ソフトバンク)
「甲斐キャノン」と称された強肩を武器に昨季の日本シリーズでは史上初となる6人連続盗塁阻止を決め、一躍時の人となった育成出身の星。プロ入り通算打率.220という成績を見てもわかるように打撃面ではあまり期待できませんが、一方で守備面ではその強肩でメキシコの選手たちの度肝を抜くことでしょう。
ちなみに甲斐は2017年のENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ2017で侍ジャパン入り。決勝の韓国戦では3投手を巧みに操り、無失点に抑える好リードを見せています。
注目メンバーその3:村上宗隆(19歳・ヤクルト・初選出)
今回、サプライズのメンバー選出となったのがこの選手。昨季の出場数はわずか6試合のみ、打率.083。なぜトップチームのメンバーに選ばれたのか……それは二軍での成績がずば抜けていることに由来します。
高卒ルーキーとして入団した昨季は二軍の試合とは言え、4月の時点で4番を務めるという大物ぶりを見せ、侍ジャパンの主砲・筒香嘉智を彷彿とさせるようなスイングから長打を連発。最終的な二軍での成績は98試合に出場し、本塁打数はイースタンリーグ2位となる17本をマークしました。
ヤクルトファンから大いに注目を集める未来のスラッガーの初の国際大会はどんな結果となるか……注目するほかありません。
注目メンバーその4:山本由伸(20歳・オリックス・初選出)
多彩な変化球を武器に勝ちゲームのセットアッパーを任されている投手のホープで、昨季はプロ入り2年目ながら54試合に登板。32ホールド、防御率2.89という好成績。さらに投球だけでなく、投げ終わった後のフィールディングなどの守備面の評価も高く、ドラフト4位入団とは思えないほどの完成度を見せました。
今季は先発に転向するためキャンプでも先発投手としての調整を続けてきましたが、実績を残したのはゲームの終盤。メキシコ戦ではどの場面で起用されるかも注目すべきでしょう。
注目メンバーその5:森唯斗(27歳・ソフトバンク)
昨季は故障で戦線を離脱したクローザーのデニス・サファテの代役として9回のマウンドに立つことが増加。結果的にリーグ最多の37セーブを挙げてタイトルを獲得し、チームの日本一に貢献するなどサファテの穴を感じさせない好成績を残しました。
森の侍ジャパン入りは2016年3月の台湾戦以来、実に3年ぶり。当時は追加でのメンバー招集だったものの、今回はクローザーの有力候補としての選出。3年間の成長を満天下に見せつけることになるでしょう。
若き侍たちの躍動を見逃すな!
いかがでしたか? 常連メンバーがほとんどいないのでやや寂しさを感じさせるかもしれませんが、よく見ると未来のスター選手たちが勢揃いしていることがわかります。ここで選手を覚えてから試合を見ると、より奥深く観戦できることでしょう。
2日間にわたる侍ジャパンの2019年初陣、彼らのプレーに注目です!