素質溢れる高校生が注目された昨季のドラフト会議

春季キャンプも中盤、いよいよ球春到来を迎えた感のある2019年のプロ野球。毎年のことではありますが、この時期に注目されるのが昨年のドラフト会議で指名された新人選手、中でも甲子園で活躍した高校生たち。西武を除く11球団が高校生をドラフト1位で指名するという史上初のケースが起きました。

2018年ドラフト会議で4球団が競合した根尾昂(中日)(写真:BFP/アフロ)


複数の球団からの競合指名となった根尾昂、小園海斗、藤原恭大らは1年目から一軍の舞台での活躍を期待されていますが、冷静に見れば彼らはまだ高校を卒業したばかりの18歳。いきなりプロの世界で活躍するというのは少々難しいように思えます。

そこで、過去にドラフト1位指名を受けた高校生の野手が1年目にどんな成績を残したか、調べてみました。
 

1年目から片鱗を見せる金の卵たち

検証したのは昨季までの過去10年(2008年~2017年)のドラフト会議で1位指名を受けた高校生の野手たちの1年目成績。まずは2008年~2012年までの選手をみてみましょう。
 

ドラフト指名年  選手名(球団) 1年目成績
2008 大田泰示(巨人) 3試合 打率.000 0本塁打 0打点
2009  筒香嘉智(横浜) 3試合 打率.143 1本塁打 1打点
今宮健太(ソフトバンク)  一軍出場なし
2010 後藤駿太(オリックス) 30試合 打率.100 0本塁打 1打点
山田哲人(ヤクルト) 一軍出場なし
山下斐紹(ソフトバンク) 一軍出場なし
2011 川上竜平(ヤクルト) 一軍出場なし
高橋周平(中日) 41試合 打率.155 2本塁打 3打点 
2012 高橋大樹(広島) 一軍出場なし
大谷翔平(日本ハム) 77試合 打率.238 3本塁打 20打点 

※過去10年ドラフト1位指名を受けた高卒野手の1年目成績(08~12年)
※球団名は当時のもの

いまやメジャーリーガーとして大活躍している大谷翔平やWBC日本代表で活躍した筒香嘉智、山田哲人など現在のプロ野球界を支えるスター選手が揃っています。彼らに共通しているのが、1年目から一軍出場を果たしている点。

山田はレギュラーシーズンこそ出場機会はありませんでしたが、同年のクライマックスシリーズで出場するという異例の抜擢を受けました。リーグ優勝に向けて負けることが許されない大切な短期決戦でチャンスを掴むあたり、後のスーパースターの片鱗を示していたとも言えるでしょう。

また、興味深いのが1年目から一軍で本塁打を打った3選手中、メジャーへ移籍した大谷を除く2名は昨シーズン、規定打席に到達。やはり超高校級の素質を買われた選手たちなので、1年目からある程度の頭角を現していました。
 

高卒ルーキーの成功の基準を発見!?

続いて、過去5年にあたる2013年からのドラフト指名選手を見て見ましょう。
 

ドラフト指名年  選手名(球団) 1年目成績
2013 渡邉諒(日本ハム) 2試合 打率.200 0本塁打 0打点 
森友哉(西武) 41試合 打率.275 6本塁打 15打点 
2014 岡本和真(巨人) 17試合 打率.214 1本塁打 4打点
2015 オコエ瑠偉(楽天) 51試合 打率.185 1本塁打 6打点
平沢大河(ロッテ) 23試合 打率.149 0本塁打 3打点
2017 安田尚憲(ロッテ) 17試合 打率.151 1本塁打 7打点
村上宗隆(ヤクルト) 6試合 打率.083 1本塁打 2打点
清宮幸太郎(日本ハム)  53試合 打率.200 7本塁打 18打点 
中村奨成(広島) 一軍出場なし

※過去10年ドラフト1位指名を受けた高卒野手の1年目成績(13~17年)
※2016年は該当者なし
※球団名は当時のもの

1年目から一軍での出場機会がなかったのは捕手の中村奨成のみ。それ以外の選手は全員出場機会があり、高校生野手のドラフト1位指名選手そのものの力は上がっているように思えます。

8人中6人は本塁打を打ち、森友哉や岡本和真は現在、チームの主軸打者として確固たる地位を築いています。この両選手は打数の違いこそあれど、打率2割&1本塁打以上を達成したという共通点があります。

これを見ると、近年の高卒野手のドラフト1位選手たちが将来大成するか否かのハードルは打率2割&1本塁打以上と言えるかもしれません。昨季、そのハードルを越えた清宮幸太郎も今季、飛躍が期待できると言っても過言ではないでしょう。
 

黄金ルーキーたちの今季に注目!

いかがでしたか? 後のスター選手たちが多くいる一方で、1年目から一軍で成績を残すのがいかに難しいかがわかります。注目度が高いルーキーたちは今季、どんな成績を残すのか……今から目が離せません。