結婚も離婚も3回、波瀾万丈なオンナの人生
ときどき、3回も4回も結婚した人に会うことがある。どうしてそんなに結婚離婚を繰り返すのかが不思議なのだが、そういう人にはそれなりの信念があるようだ。
愛情が目減りしたら終わり
タマミさん(45歳)は、20歳でデキ婚して以来、3回の結婚と離婚を繰り返してきた。
「最初は25歳で離婚、これは失業した夫からのDVが原因。その後、30歳で再婚してまた子どもが生まれたんですが、33歳のときに離婚。このときは夫の浮気。泣いて謝っていたけど、私は許せなかったんですよね」
自分の愛情に百パーセントの自信があると彼女は言う。だからたとえ1回でもそれが裏切られると、自身の愛情も目減りする。それはそのまま相手への幻滅につながっていく。
「それでも愛するのが本当の愛だと言われたこともあります。でもそれは無理。子どもに対しては無償の愛を注げるけど、相手は大人だもの。私と同じだけの愛情をもってくれなくてもいいけど、裏切りはダメです」
心が冷めているのに形だけ結婚生活を続けることなどできない。それは自分への裏切りだとタマミさんは言う。
3度目もまた……
2度の離婚を経験したとき、タマミさんはもう結婚するのはやめようと思ったそうだ。
「結婚生活に向いていないのかなあ、と。仕事も掛け持ちで忙しかったし。ただ、父親の違うふたりの子がとても仲良しなのはありがたかった。子どもたちは私の宝物だから、男性がいなくてもいいかな、と」
それでもまた恋に落ちた。結婚を繰り返す人たちは、「本気で好きになったら結婚するものだ、結婚したい」と思う人たちでもある。ある意味で非常に几帳面なのだ。
「37歳のときに恋に落ちて、半年後には結婚していました。彼はバツイチで自分の子どもになかなか会えないためか、私の子どもたちをとてもかわいがってくれたんです。今回こそうまくいくと思ったんだけど」
5歳年下の彼は半年足らずで浮気。疑惑が持ち上がってタマミさんが追求すると、「あなたはそんな細かいことを気にする女性じゃないでしょ」と言われたという。
「彼にとって、私はお母さんみたいな存在だったんでしょうね。子どもたちと仲がよかったのは彼自身も精神年齢が低いから(笑)。私は一人前の大人の男を求めていたんですが」
彼女自身、今までの慣例を破って、今回は目をつぶろうと許してみた。だが1年後、ストレスから体調を崩した。
「私は我慢が効かないタイプなんだなとよくわかりました。だから私から切り出して離婚。彼は子どもたちと別れたくないというので、近くのアパートに出ていきました。3番目の夫とは私も子どもたちも今も交流があります。私にはいい友だちという感じ」
今、タマミさんはまた恋をしている。だがすでに25歳になった上の娘は、「4回目の離婚がしたいの?」と辛辣な冗談を言うらしい。
結婚も離婚も個人の自由。彼女のような生き方もアリだろう。懲りずに繰り返してしまうところがなんとも人間くさい。