最近、ときどき聞くのが妻たちのプチ家出。長いこと家をあけるわけではないが、夫や子どもたちと少しだけ離れてひとりになりたい女性たちが増えているのかもしれない。どうしたら、「プチ家出」が成功し、何かしらの効用をもたらすことができるのだろうか。
 

ちゃんとタイミングを見きわめて

「私、2度ほどプチ家出をしましたが、最初は夏休みだったから子どもたちを私の実家に預けてから。困らせたいのは夫だけなので(笑)」ミエさん(46歳)はそう言う。

「ふたりともフルタイムで働いているのに、夫は全然家事や育児に参加しない。それでいいかげん腹が立って、子どもたちが10歳前後のとき実家に子どもを預けて私はホテルへ。夫には『少しひとりになりたい』というメールだけ送って携帯電話を切り、ひとりでゆっくり過ごしました。翌日は有休をとっていたから、ひとりでのんびり映画を観て帰ったんですが、夫は早退してきて『一睡もできなかった』と、怒ってましたね。ただ、私がどうしてひとりになりたかったかは、数日たってから夫に話しました」

それでも夫の行動が変わったわけではなかった。2度目はつい最近、中学生の年子の子を置いたまま、金曜の夜に外泊した。

「子どもがいないと、夫に私の大変さはわからない。だからあえて金曜日に。昼頃『今日は残業で遅くなるから、あなたが早く帰って』と。夫は早く帰って子どもたちと一緒にファミレスに行ったようです。夕食を作るくらいはしてくれてもいいのに」

夜、『今日は帰れないかも。家のことはよろしく』と夫にメールを送った。夫はあわてて電話をかけてきたが、あえてスルー。実は上の娘には、プチ家出をすると伝えてあった。娘はおもしろがってくれたという。

「さすがにそのときは夫も焦ったようですね。子どもたちが大きくなって、あまり手がからないだろうと思っていたようですが、実際には土曜日は塾や部活に出かけるしお弁当も必要。それがわかってあわてたようです」

土曜の午後、帰宅してみると夫は疲弊しきっていた。今回は、きみの大変さがわかったよと夫は言った。わかってくれればいいとミエさんは思ったという。

 

プチ家出のススメ

「子どもを不安にさせない手立てをとれば、妻はプチ家出をしたほうがいいですよ」

ノリコさん(42歳)はそう言う。彼女はこの夏休み、10歳のひとり娘を自分の姉に預けて、1週間、家出をした。もちろん夫が会社に行っている間に娘とは会っている。

「夫の浮気が発覚したんです。謝ってきたけど、私は許せなかった。子どもがいるから別れられないだろうと夫はたかをくくってるんですよ。だからウィークリーマンションで1週間、過ごしました。私はパートだから経済的には困るけど、夫と一緒に暮らさなくても寂しくはないと実感した。つまり経済的な問題がクリアできれば離婚も視野に入ると確信したんです」

精神的に夫に依存しているわけではないと思ったとき、ノリコさんは強くなった。夫が心から反省していると思えない限り、自分からすり寄るような態度はとるまいと決めた。

こうなると参ってしまうのは夫のほう。
「1週間ひとりで暮らして、ひどく虚しかったそうです。信頼を失って初めて、自分が取り返しのつかないことをしたとわかったと反省していました。プチ家出は効果がありますね」

単なる脅しのプチ家出ではなく、彼女が自分の気持ちを整理するためだったから、よけい夫の心にも刺さったのだろう。ノリコさんの夫、今ではすっかりよき夫に変わったそうだ。