11月4日、愛知県・熱田神宮~三重県・伊勢神宮間の全長106.8kmのコース(全8区間)で、第50回全日本大学駅伝が行われます。
参加校は前回大会の上位6校、関東学連推薦校(早稲田大学)、各地の選考会を突破した18校に加え、全日本学連選抜、東海学連選抜を含む27チームが大学駅伝日本一を目指します。
本稿では、全日本大学駅伝の注目ポイントやレースの展望を紹介します。
区間距離の変更がどう影響する?注目ポイント
今回の全日本大学駅伝では、変更点が2つあります。
1.区間距離の変更
今大会から区間距離の変更がありました。変更区間・距離は以下のとおりです。
- 1区14.6km→9.5km
- 2区13.2km→11.1km
- 3区9.5km→11.9km
- 4区14.0km→11.8km
- 5区11.6km→12.4km
- 6区12.3km→12.8km
- 7区11.9km→17.6km
- 8区は同距離(19.7km)
7区、8区が全区間における比重が多くなっており、エースをどこに配置するのかにも注目が集まります。
2.シード権枠の増加
今大会より次回大会出場権が与えられるシード権が「6」から「8」へと拡大されました。
全日本大学駅伝の本戦に出場するために行われる全国各地の選考会は熾烈を極めており、特に今年は各地で常連校が落選することもありました。加えて、選考会の開催時期は6~9月であり、選手たちは過酷なコンディションの中で選考会に臨まなければなりません。
そのため、全日本大学駅伝の選考会を回避できるように、本大会でシード権を獲得したいという大学も多いはずです。よって、優勝争いのみならず、シード権争いも要注目です。
優勝の行方は!? レースの展望
11月2日に区間エントリーと補欠選手が発表されました。大会当日は、最大3名まで正選手と補欠選手の変更が可能です(正選手同士の交代はできません)。
これを踏まえて、現在発表されている区間エントリーから全日本大学駅伝のレースの展望を占ってみましょう。
まず優勝候補の筆頭は、補欠選手も含めた選手層が厚い青山学院大学と言えるでしょう。前回大会は3位でしたが、当時のメンバーが5名残っていることに加え、新戦力も台頭したことから、今年の戦力は昨年以上、との声も聞こえます。先月の出雲駅伝を制しており、勢いにも乗っています。
青山学院大学に対抗したいのが東洋大学と駒澤大学です。
東洋大学は前回大会を3年生以下のメンバーで挑み、5位と健闘しました。戦力が大きく変わらず、先月の出雲駅伝では青山学院大学にあと一歩と迫る、12秒差の2位でした。日本選手権10000m8位入賞と力のある相澤晃選手(3年)を最終8区に配置しており、終盤まで目が離せないオーダーを組んできました。
駒澤大学は出雲駅伝に出場できませんでしたが、10月13日に行われた箱根駅伝予選会を圧倒的な成績で首位通過しました。選手層も厚く、エースの片西景選手(4年)を補欠選手としており、戦略的な含みを持たせた区間エントリーをしています。
また、駒澤大学にとって全日本大学駅伝は、過去12回優勝している「最も得意な駅伝」と言えます。近年は優勝争いから遠のいていますが、戦い方を知っているという点において、他校にとっては脅威となるでしょう。
前回大会2位・東海大学の登録メンバーは、主力の3年生が半数以上の9名を占めています。先月の出雲駅伝では主力を欠いたなかでも3位に入っており、主力が数名戻った今回は、優勝争いまで絡めるか注目です。
前回大会で20年ぶりに優勝した神奈川大学は、当時のメンバーが4名残ります。前回1区4位で流れを作った山藤篤司選手(4年)を今年も1区に配置。距離は変われど、1区が重要区間であることには変わりはないということでしょうか。
なお、神奈川大学は10月13日に箱根駅伝予選会(3位通過)を走っているため、コンディション調整もカギとなりそうです。
そのほか、早稲田大学、帝京大学、中央学院大学、法政大学、順天堂大学がシード権争いに絡んできそうです。順位はつきませんが、日本学連選抜は豪華なメンバーとなっており、シードを狙う学校と実力は相違ないと思います。
また、関東勢のみならず立命館大学(前回大会16位)や皇學館大學(前回大会17位)なども上位を狙っています。
果たして日本一の座を手にするのはどの大学でしょうか。4日朝8時5分、号砲です。