「子供おばさん」になっていない?
歳を重ねても若々しくて可愛らしい“大人女子”もいれば、逆に、ただ単に若作りで子供っぽい大人になり切れていない“子供おばさん”になってしまう人もいます。
大人女子と子供おばさんとでは恋愛にも差が出ます。子供おばさんが彼に対して一番できていないことは何かというと、「相手をちゃんと愛する」ことです。
子供おばさんの多くは依存体質の人が多く、「相手を必要とする思い(=自己愛)」を愛だと勘違いしています。だから、大人の恋愛ができないのです。
哲学者エーリッヒ・フロムの『愛するということ』(鈴木 晶・翻訳、紀伊國屋書店・刊)には、こんなことが書かれています。
未成熟な愛は「あなたが必要だから、あなたを愛する」と言い、成熟した愛は「あなたを愛しているから、あなたが必要だ」と言う。
人を愛するとは、「相手がHAPPYなら自分もHAPPY」ということです。それは、当たり前ではありますが、自分の幸せのために、相手を“使う”ことではありません。
依存体質の人は、相手に寄りかかることを望みます。でも、そんなことをしていると相手の負担になり、幸せを奪ってしまうこともあるでしょう。
自分にとって相手が必要だから、大切にする人もいます。でもそれは、自分のためにしていることにすぎません。相手が自分に何をしてくれなくても、ただただ相手を愛せるかどうかで“本当の愛”が問われるのです。子供おばさんの多くは、自分が望んでいることを相手がしてくれないと、嫌いになってしまう人までいます。
ただ、自分1人では立てないうちは相手に色々なことを求め、それを叶えてくれないと相手に対して嫌悪感すら抱くことすらあるでしょう。だからこそ、人を愛せるようになるためには、まずは自分がきちんと自立していることが、大切なのです。
「子供おばさん」は、愛するよりも、愛されることを求める
また、子供おばさんは、相手を愛することよりも自分が愛されることを望みます。自分の方が愛していると、どこか損している気持ちになってしまうのです。でも、本当の愛とは、そもそも見返りを求めない“無償の思い”です。
同書には、こういうことも書かれています。
幼稚な愛は「愛されているから愛する」という原則にしたがう。成熟した愛は「愛するから愛される」という原則に従う。
見返りを求めているうちは、相手のことを本当に愛しているとは言えません。もちろん「好き」という感情に嘘はないでしょうが、それは愛ではないのです。単なる「好みである」というだけです。
もちろん、そこまで純度の高い愛情を抱けるようになるのは、簡単なことではありません。そこに近づくためにも、まずは自分が自分をきちんと愛せるようになる必要があります。
なぜなら、自分を愛せない人は、人を愛せるだけの余裕がないからです。自分に愛が足りないからこそ、相手に「愛を乞う」ようになってしまうのです。
では、「自分を愛する」とは、どういうことなのかでしょうか。それは、「ありのままの自分を受け止め、自分の成長を願う」ことです。
よく人は、「私にはこんな欠点があるから、愛せない」なんて言います。でも、まだ“完璧ではない自分”であっても見放さずに、そこから成長していくことを目指すのが、愛するということなのです。
さらに言えば、「人を愛する」というのも、同じことです。「ありのままの相手を受け止め、相手の成長を願う」ことが大切です。
相手の欠点も含め「甘やかせる」という意味ではなく、相手をありのまま受け止めることは大切です。「こうであるから好き」「こうでないから嫌い」など、条件付きの愛情は、本当の愛ではないのです。
子供おばさんの中には、恋愛相手に理想を押し付けてしまう人は少なくありませんが、それでは、相手は“自分らしさ”を失ってしまい、一緒にいるのがつらくなってくるでしょう。
まずは“ありのままの相手”をきちんと受け止め、その上で“相手らしく成長していくこと”を見守ってあげることが大切なのです。
人を愛することは、難しい
人を愛すること、自分を愛することは、簡単なことではありません。だからこそ、今、それができない自分を責めることなく、受け止め、いつかできるように少しずつ心を成長させていくことが大切です。それが“大人女子”に近づく秘訣ですよ!