「大人」の既婚女性にとって男友だちって?

永遠のテーマでもある、「男女の友情」問題。しかしこれ、既婚者か独身か、または男女の年齢によっても事情が異なってくるように思う。「男友だちは不可欠な存在」と言い切るアキヨさん、45歳の話。

男友だちは必要? 不要?

「友だちは大事」と言う人は多いが、「異性の友だちは必要か」と問われるとクビを傾げる人は少なくない。特に既婚男女の場合、「へたに疑われたくない」という気持ちも強くなるのだろう。
 

男友だちの存在は不可欠

「あるとき、会社の同期とふたりで食事をしたんですよ。彼とはずっと仲良くしてきたし、情報交換をしたり仕事の愚痴を話したりする仲。ところが数日後、夫がいきなり『他の男と会って何やってんだよ』って。話を聞いたら、私がその同期と一緒にいるところを知り合いが見て夫にチクったようです(笑)。言うほうも言うほうだけど、それをすぐ不倫に結びつける夫も子どもみたい。呆れてしまいました」

そう話してくれたのは、アキヨさん(45歳)だ。結婚して13年、ずっと共働きで同居する母親が助けてくれてきた。ひとり娘は12歳になる。

「同期と会っていただけだと説明しましたけど、夫は不機嫌でした。こういうのって本当にうんざりするんですよね。自分がヘンなことをしているから、私まで信用できないんじゃないのと言ったら、ますます雰囲気が悪くなった。『嫉妬されるなんて愛されている証拠ね』と友人に言われたけど、そうじゃないんですよ。自分の付属物が勝手な行動をするのが許せない。そんな夫の気持ちを感じ取っています」

若いころならいざ知らず、この年になったら相手が異性であっても友だちでいることは可能だとアキヨさんは言う。

「男だから女だからとこだわるほうがおかしい。彼は同期の仲良し。それだけですから」
 

男の気持ちをわかりたくて

ユリカさん(43歳)は専業主婦。結婚して15年。中学生と小学生の子どもがいる。夫のたっての願いで仕事を辞めたが、彼女自身、仕事をしていくより家事や料理が好きなので今の立場を楽しんでいるそうだ。

「ただ、交友関係は狭いですよね。夫は外に出て社会に揉まれていく。子どもたちもこれからどんどん行動範囲が広がっていく。私の世界は家の中だけなのかと、最近ふと考えるようになりました」

そこで彼女が動き出したのがネットの中。専業主婦が集まるサイトに投稿するようになった。そしてそれを見にきていた同世代の男性と親しくなっていく。

「彼は自分の妻が専業主婦なので、その気持ちを知りたいと。私はそういう立場の男性の意見を聞きたい。それで話が合いまして、ふたりでメッセージのやりとりをするようになりました。恋愛ではないですよ、あくまでも友だちです」

ただ、夫には見られないように気を遣っていると言う。それはやはり「疑われたくない」から。

「立場を逆にして考えると、夫に女友だちがいたら、なんとなく不快だと思う。だから私も夫にわざわざ言う必要はないと思っています。本当は彼と会って話したいのですが、会うのはハードルが高いかもしれません」

本当は「友だち」だから、人の目など気にしなくていいはずなのに、既婚者だから異性の友だちと自由に会えないのは、なんとも不自由な話である。

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