結婚して15年もたっているのに「夫のことがわからない」と言う女性は少なくない。むしろ15年たったからわからなくなっているとも言えそうだ。
 

こんな面があったのかと愕然

「娘が中学生になって、少し父親を疎ましく思うようになっています。夫はそのことに焦ったのか、あるいは女性になりつつある娘の変化に戸惑っているのか、やけに娘に厳しい。先日も部活で遅くなった娘をいきなり怒鳴り飛ばしたんです。『どうして遅くなったのか理由くらい聞いてあげて』と言ったら、『女子どもがとやかく言うな』と。はあ?って感じでした。もともとそんなことを言う人ではなかったし、結婚前は『女性だって働くべきだよ』とリベラルを気取っていたので」

困惑したように話すのはアカリさん(45歳)だ。第一子の長男のときは、なんでも好きなことをやらせていた夫が、娘に関してはやたらと規制をかけているのが気がかり。しかも「女子ども」と言われれば、アカリさんも黙ってはいられない。

「その暴君的な言い方はなによ、と大げんか。娘はうんざりしたように自室に入ってしまいましたが、私はどうにも夫が許せなかった。娘が心配なのはわかるけど、言い分も聞かないでいきなり怒鳴りつけるなんていうやり方は、彼自身がいちばん嫌っている行為のはずなのに」

不安が怒りに変わることはある。それでも、オトナとして言ってはいけないことがあるはずだとアカリさんは言う。

「年をとる、親になるって、こういう理不尽な意見をまき散らしていいということなの? 夫にそう問いかけましたが、夫は無言のまま。15年の結婚生活が彼をスポイルしてしまったのでしょうか。私たち、何かが間違ってきたんだろうかと悩んでいます」

人は変化するものではあるが、こういう変化は女性にとっては悲しい。
 

ネチネチと陰口を叩く夫に唖然

明るくて前向きなスポーツマンだった夫……のはずが、社内の異動を機にネチネチ愚痴を言う男に変わってしまったと嘆くのは、トモコさん(43歳)。

「異動は初めてじゃないし、今までだっていろいろ経験してきているはずなのに、なぜか今回はやたらと愚痴る。ただ、話を聞いても夫が愚痴っている上司や同僚は、別にそれほどひどいことをしているとは思えないんです。男の更年期かと思って医者に行くことを勧めると、『オレを病気扱いしてるのか』と怒り出す始末」

疲れているのかと労っても慰めても励ましても、どこか拗ねているような感じがするとトモコさんは言う。

「かといって仕事がつまらないわけではないみたいで……。マイホームを手に入れたばかりで、ようやくほっとしているのに。もうまったく彼のことがわかりません。だから放ってあります(笑)」

話を聞く時間的余裕がないふりをすると、ときどきすり寄ってきたりもするらしい。夫は寂しいのかもしれない。

夫にも話を聞いてみた。「僕にも覚えはあるんです。マイホームを手に入れると、自分が死んでも保険でローンが相殺されるんですよね。それなら、ああ、もう僕はいなくなってもいいんだなと、虚しい気がしてしまいました」

部署異動が問題なのではなく、ひょっとしたらマイホーム取得が夫の気分低下のきっかけかも。こういうときはやはり一度、ゆっくり話し合ってみたほうがいいかもしれない。今後の夫婦関係のために。