刑事ドラマだけじゃない!深夜も光るテレ朝らしさ
深夜ドラマの魅力は自由度が高いこと。センセーショナルな事件、ドロドロの心理劇、映画のようなノスタルジー、徹底したナンセンスとばかばかしさ……。ゴールデンタイムでは敬遠されがちな偏りのある世界がしっかり表現され、幅広いジャンルのドラマを楽しめます。
視聴者の満足度が高いテレビ朝日のナイトドラマは、2000年開始の金曜ナイトドラマと2017年に再スタートした土曜ナイトドラマの2枠。では、どんな作品があるかみてみましょう。
ミステリーから政治まで、名作の多しの金曜ナイトドラマ
政治をショーアップ!スピンオフも楽しめる『民王』
総理大臣である父(遠藤憲一)と女子力の高い大学生の息子(菅田将暉)が入れ替わる池井戸潤原作の『民王』。姑息でトホホな政権争いあり、すご技で任務遂行する公安あり、奇想天外な展開はハチャメチャです。
政界の重鎮役に西田敏行、総理の政敵に草刈正雄、官房長官の金田明夫、公安の山内圭哉とおじさんたちのおもしろさ炸裂。総理秘書の高橋一生も魅せてくれます!
深夜のゆるやかミステリー『時効警察』&『帰ってきた時効警察』
警察官の霧山修一朗(オダギリジョー)が時効となった未解決事件を趣味で捜査する人気シリーズ。深夜特有のスピード感のなさ、まったり感、力の抜けたかんじと『時効警察』のせかせかしない独特のリズムがマッチングした名作です。
登場人物の個性、価値観、妄想ぶりも作品の味わいとなり、ドラマに深みを出していました。また、に口外しないことを約束する「誰にもいいませんよ」カードも話題になりました。
スリリングで美しい『dele』の世界に酔いしれる
今クール放送されているのが『dele』。クライアントの死後、データの抹消を請け負う「dele.LIFE」で働くプログラマーの坂上圭司(山田孝之)となんでも屋の真柴祐太郎(菅田将暉)の2人を描いています。
ミッション遂行のスリリングな展開だけでも見応え十分。その中で依頼人たちの人生に寄り添いながら、様々な想いをめぐらせる2人の言葉や行動が作品の趣を深めています。
デジタル遺産というテーマの新しさと、インテリア、映像、写真館など画面からあふれるヴィンテージ感が溶け合うところが魅力的。さらに、実力派ぞろいのゲスト俳優、6人の脚本家のテイストを堪能できるエピソードなど、「ながら見」できない贅沢な作品です。
こんなのみたことない!新しい感覚の土曜ナイトドラマ
“おっさん”に感じる無限大の可能性『おっさんずラブ』
今なおブームが続く『おっさんずラブ』。脚本、演出、俳優陣による純愛とコメディの絶妙なさじ加減から生まれた奇跡の作品です。
深夜ドラマによくある「ほどよいゆるさ」を生むために、企画を徹底的に掘り下げされていることが作品からわかります。何を描くべきなのか、何を描く必要がないのかが磨きあげられたからこそ、シンプルでわかりやすく、だからこそ明るく楽しめるのでしょう。何よりタイトルがすごい!
人生はケセラセラ?!誰もが笑顔になれる『ヒモメン』
看護師の春日ゆり子(川口春奈)の部屋でヒモ生活を続ける碑文谷翔(窪田正孝)。翔を働かせようと奮闘するゆり子と、ヒモをまっとうしたい翔のコミカルでキュートな物語です。作品には、ダメダメ要素が多いのに、なぜか温かい気持ちになり、つい笑顔になってしまいます。
クセは強いものの、2人を取り巻く人物たちもチャーミング。それぞれの価値観は一見ご都合主義のようですが、Take it easy、ケセラセラの心意気は人生の参考になりそうです。悪だくみが裏目に出続けるヒール役、勝地涼の心の声やキートン山田のナレーションも笑えます。
テレビ朝日だからこそ光る深夜ドラマの魅力
他の過去作品では、映画にもなった『TRICK』『TRICK2』も深夜枠。男女の濃厚なもつれをドロドロと描いた『奪い愛、冬』や『不機嫌な果実』も話題になりました。このように、テレビ朝日のナイトドラマでは魅力的な作品がたくさん! どの作品も深夜ならではの工夫も多数みられ、丁寧に骨太に描くテレ朝のセンスがおもしろさのヒミツと言えそうです。
10月には相葉雅紀主演の『僕とシッポと神楽坂』がスタート。この秋は温かく包んで癒してくれるような週末が待ち遠しくなりそうですね。