こんなはずじゃなかった「おすすめ投信」…

副業が禁止されているからと、投資信託(投信)による資産運用を思いついたBさん。しかし、よく考えずに勧められた投信を買ったら、資産を半分以上減らす結果になってしまったのです。どうしてそんなことになったのか、Bさんの反省点とともに紹介します。
 

公務員だからこそ、副業で投資!

Bさん(52歳)は小学校の先生としてすでに30年近くも子どもたちの成長を見守ってきた大ベテラン。勉強にも運動にも常に全力で指導にあたることから、保護者・同僚から厚い信頼が寄せられています。
 

収入はそれなりに安定していますが、決して多いわけではありません。ただ、一人息子も今年社会人。これからは少し余裕がでてくるのかな、と漠然と考えていたといいます。
 

ある時、ふと目にしたのが副業解禁のニュース。働き方改革の一環で、これまで原則禁止されてきた副業が、容認される可能性があるというのです。とはいえ、法律で副業が禁止されている公務員は蚊帳の外だと感じたそうです。
 

副業はできないけれど、お金を増やして生活を豊かにしたい。そう思ったBさんがはじめたのは、投資信託(投信)でした。


確かに公務員は副業が禁止されているのですが、資産運用をすることは、先の副業解禁以前から、特に問題ないようでした。はやる気持ちを抑えつつ、Bさんは銀行の窓口に足を運んでいました。
 

いきなり資産の半分を投資信託につぎ込んだ

Bさんの貯蓄額は約1000万円。住居費・教育費など、何かとお金が必要な時期にも、給与の一部を先取りしてコツコツ貯めたのだそうです。
 

投資に関してはまったくの素人のBさん。早速銀行員が勧めるままに、半分の500万円を使って、3本の投信をスポット購入したといいます。
 

「餅は餅屋じゃないですけど、投信はプロが運用してくれるのですから、あとは任せておけばいいと思ったんですよね。ほったらかしで長期間保有するつもりでした」とは、相談にきたBさんの弁です。
 

銀行員の勧めるままに運用して大損失!

そうして「餅屋」の店員こと、銀行員のいうとおりに投資をした結果、Bさんの貯蓄と投信の残高の合計は、なんと350万円にまで減ってしまったのです。
 

Bさんが話しによると、減ってしまったその理由は、次の3つにまとめられます。
 

① テーマ型投信をメインの投信にした

テーマ型投信とは、世の中の旬な話題に関連する銘柄に投資する投信です。Bさんは銀行員のいうとおりに、テーマ型投信を投資資産のメインにしました。
 

バイオ、エコ、女性活躍、水、AIなどなど、過去にはさまざまなテーマが取り上げられ、投信に組み入れられてきました。確かに、流行りのテーマならば値上がりしそうですし、実際投資家からの人気も高いのです。
 

しかし、そのテーマが注目されなくなると、投信は一気に値下がりしてしまい、再び値上がりすることが難しくなります。つまり、Bさんのような長期間の投資には向かないのです。
 

② 投信をコロコロ乗り換えた

Bさんの投信は案の定、値下がりしました。


そのことを銀行員に相談すると、銀行員は「今度はこちらのテーマが盛り上がりつつありますから、投信を乗り換えてはいかがですか」と言葉巧みに案内したのです。
 

これは親切……ではありません。販売手数料稼ぎの手口です。投信の購入時にかかる販売手数料は、投信によって金額が異なります。近年はかからないものも多いのですが、銀行員の勧める投信はいずれも、購入金額の2%、ときには3%もとるものでした。


買い替えの手数料と、投信そのものの値下がりで、Bさんの資産残高はみるみる減ってしまったのです。
 

③ 債券だから安心のはずが大暴落した

資産は分散したほうがいい、という銀行員のアドバイスに従って、Bさんはほかに2本の投信を購入しました。いずれも債券に投資する投信です。債券は値動きが比較的安定していると聞き、安心感があったため、購入後も追加で買い増していたのです。
 

分散投資の考え自体は間違っていません。しかし、この債券投信の1本が、ある新興国の債券に投資するものだったために大変なことが起きました。アメリカの利上げの影響で債券価格が下落し、投信の価格も購入時の3割程度になってしまったのです。


また、為替が円高に進むことで被る為替差損も、無視できない金額になってしまいました。
 

教訓!自分の身の丈に合った投資を

銀行にお金を預けても増えていかない時代です。投資をしようという発想は、とてもいいと思います。しかし、だまされないために、ある程度の知識を自分で身につける必要もまた、あると思います。
 

大多数の銀行員は私たちの味方ですが、同時に営業マンでもあります。銀行員が勧める商品が私たちにとって最善とは限らないことを肝に銘じましょう。営業マンが苦手な方なら、スマホやパソコンを使って自分で購入してもいいでしょう。
 

また、いずれの場合でも、自分の身の丈に合った投資かをチェックする必要があります。Bさんは50代、公務員ということを考えれば無理に大きなリスクを背負う必要はなかったのではないでしょうか。
 

数々の反省を胸に、Bさんは国内株式のインデックス投信をつみたてNISAで運用することに決めたそうです。まずは少額からスタートして、慣れてきたら増やしていくといった慎重さも、大切だと思います。