W杯で評価を上げたあの選手が移籍しないのはなぜ? 

サッカー界の動きは早い。フランスの優勝で幕を閉じたロシアW杯を受け、ヨーロッパのサッカーシーンでは選手の移籍が活発だ。今大会で評価をあげた選手はいったい誰なのか?あの選手はなぜ移籍しないのか?W杯後の移籍市場の動向をお伝えしよう。

サッカー界の動きは早い。フランスの優勝で幕を閉じたロシアW杯を受け、ヨーロッパのサッカーシーンでは選手の移籍が活発だ。今大会で評価をあげた選手はいったい誰なのか?あの選手はなぜ移籍しないのか?W杯後の移籍市場の動向をお伝えしよう。
 

乾の移籍先は、W杯前に決まっていた 

日本人で評価をあげたのは、乾貴士、大迫勇也、原口元気だろう。ゴールという分かりやすい結果を残した選手は、どのクラブの強化担当者も注目するものだ。
 

しかも彼らは、守備面でもハードワークする姿勢を示した。ボールコントロールなどの技術に優れるだけでなく「戦える」ことを示した意味で、日本人選手の評価は相対的に上がっている。


乾はスペインで、大迫と原口はドイツでプレーしており、彼らはロシアW杯前に新シーズンの移籍先が決まっていた。乾は同じスペインのベティス、大迫はドイツのブレーメン、原口もドイツのハノーファーである。W杯の活躍で市場価値が上昇したものの、すでに行き先が決まっていたのだ。
 

評価急上昇の柴崎はどこへ?

ロシアW杯に出場した日本人選手で、去就が注目されるのは柴崎岳だ。スペイン1部のヘタフェに在籍するこの26歳は、ドイツとイタリアのクラブが関心を寄せていると報じられてきたが、ここにきてポルトガルの名門ポルトが獲得に興味を示しているようだ。
 

香川真司も評価を上げた。ドルトムント(ドイツ)との契約は2020年6月末まで残っているが、トルコの強豪クラブが獲得を検討していると報じられる。新シーズンからチームを率いるルシアン・ファーブル監督の考え次第では、たとえば期限付きでの移籍などは有り得るかもしれない。
 

日本人で香川に次ぐ市場価値と評価されるのが、マルセイユ(フランス)でプレーする酒井宏樹だ。クラブとは2021年6月末までの契約を結んでいるが、彼が定位置とする右サイドバックの人材を必要とするクラブが、興味を抱く可能性はある。
 

武藤とクラブの思惑は一致する

武藤嘉紀の去就も注目される。前シーズンにマインツ(ドイツ)移籍後最多のリーグ戦8得点をマークしたことで、ロシアW杯前から新天地を求めるとの報道が続いている。

 
移籍が実現するとしたら、行き先はイングランドと見られる。古豪ニューカッスル・ユナイテッドが、正式なオファーを出したとの情報もある。
 

クラブからすれば、26歳という年齢は“売り時”だ。ステップアップをはかりたい武藤とクラブの思惑に隔たりはないだけに、金銭的な折り合いがつけば実現へ向かっていくだろう。
 

ムバッペを取るクラブは現れるか?

キリアン・ムバッペ(写真:Abaca/アフロ)

日本以外の国では、優勝したフランスの選手の評価がのきなみアップしている。そのなかでも、キリアン・ムバッペは別格である。
 

W杯で4得点を叩き出し、大会のベストヤングプレーヤーを受賞した19歳は、パリ・サンジェルマン(フランス)と2022年6月末までの契約を交わしている。彼を獲得するには2億1千万ユーロ(約273億円※)が必要と言われているが、それでも獲得に手を上げるクラブは現われそうだ。フランス1部リーグは8月11日に開幕するが、移籍期限の今月末までムバッペから眼が離せない。

 
そのムバッペをおさえてW杯のMVPに輝いたルカ・モドリッチ(クロアチア)に、移籍の噂はない。彼はレアル・マドリード(スペイン)と2020年6月末までの契約を残しており、クラブでも必要不可欠な選手と見なされているからだ。


クロアチアの僚友イバン・ラキティッチにも、同じことが言える。彼とバルセロナの契約は、2021年6月末まで残っている。欧州のクラブナンバー1を決めるチャンピオンズリーグで優勝が狙えるクラブにいるモドリッチとラキティッチは、選手としての野心を燃やせる環境でプレーできているのだ。
 

ロナウドは新たな挑戦を望んだ

もっとも、ラキティッチと同じレアル・マドリードを離れた選手もいる。ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドだ。ロシアW杯前から退団が囁かれていたが、イタリア1部リーグの名門ユベントスと2022年6月末までの4年契約を結んだのである。

 
キャリアのエンディングが近づいているなかで、彼には新たな意欲をかきたてられるものが必要だったのだろう。たとえば、チャンピオンズリーグ3連覇中の古巣レアルを破り、ユベントスに1995-96シーズン以来の欧州ナンバー1クラブの称号をもたらすのは、ロナウドだからこそ可能なチャレンジと言えそうだ。

 
ちなみに、ロナウドの加入で層が厚くなったユベントスのフォワード(FW)では、アルゼンチン代表ゴンサロ・イグアインの放出が取り沙汰されている。先のW杯がノー・インパクトに終わっただけに、残留を望む声はボリュームが上がっていない。


誰かが入れば、誰かが弾かれる。移籍とはひとりの選手のキャリアだけでなく、同じポジションの選手のサッカー人生をも変える。欧州各国リーグのシーズン開幕へ向けて、移籍市場はここからさらに活発になっていく。
 
 
※1ユーロ130円で計算

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    東海道新幹線の「個室」が100系以来、四半世紀ぶりに復活! 「どこに設けられる?」JR東海に聞いた

  • 「婚活」の落とし穴

    「男らしさ」がしんどい若者たち。「女性より稼いで当然」「デートもリードすべき」と言われても

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    危機管理のプロが警告! 中学受験で“御三家”を目指す親子が知っておくべき「学歴エリートの落とし穴」

  • 世界を知れば日本が見える

    深刻な少子化に苦しむ「中国」と対照的に、今こそ「一人っ子政策を導入すべき」といわれる2つの国とは