出雲駅伝の特徴は?
10月8日、島根県出雲市で第30回出雲全日本大学選抜駅伝(出雲駅伝)が行われます。
出雲駅伝は11月4日に行われる「全日本大学駅伝」、1月2、3日に行われる「箱根駅伝」とともに学生三大駅伝のひとつに数えられており、駅伝シーズンの幕開けとして多くのファンが心待ちにしています。
出雲駅伝は他の駅伝に比べると距離が短いことが特徴に挙げられます。全6区間45.1kmで行われ、6区以外は10km以下となっており(箱根駅伝は全10区間が約20km、全日本は全8区間中6区間が9~12km、2区間が約17、19km)、短い距離でスピード勝負の展開になりがちです。
前回王者・東海大学は連覇なるか
昨年の出雲駅伝を、3年生以下の布陣で制した東海大学ですが、今年はその優勝メンバーのうち3人がエントリーから外れています。そんな東海大の注目選手は、前回大会2区、区間2位の館澤亨次選手(3年)。今シーズンは日本選手権1500mで2連覇を果たし、同種目のアジア大会にも出場。距離の短い区間でカギを握る選手となりそうです。
一方、箱根駅伝4連覇中の青山学院大学は、生方敦也選手(3年)、吉田圭太選手(2年)といったスピードに定評のある選手をエントリーしています。選手層も厚く、有力校のなかでは戦力が最も充実した印象を受けます。
東洋大学も主力と目されている選手が概ねエントリーされています。駅伝で大崩れしないチームですが、9月以降は大会や記録会にあまり出場していないため、未知数な部分があります。
上位を狙う注目チームは?
そのほかの注目校についても分析します。
●早稲田大学
今大会1年生が4人エントリーされていますが、いずれも高校時代からの実力者です。彼らの活躍次第では前述の3校に食い込むかもしれません。
●帝京大学
直前の記録会で好記録を出した選手が続出している帝京大。エースの畔上和弥選手(4年)は不在ですが、要注意な存在であると筆者は思います。
●立命館大学
日本インカレ10000m4位入賞の今井崇人選手(4年)を擁し、前回大会13位からの躍進に期待がかかります。
「もうひとつの出雲駅伝」にも注目!
出雲駅伝はレースが終わった後にも注目です。テレビ放送はありませんが、全チームのゴール後、浜山公園陸上競技場にて「出雲市陸協記録会」という5000mの記録会が行われます。出場するのは、出雲駅伝にエントリーされながらも「走れなかった」選手たちです。
前回は森田歩希選手(青山学院大学・当時3年)、川端千都選手(東海大学・当時4年)などが上位でゴール。その後の全日本大学駅伝、箱根駅伝の出場へと繋げました。
東海大学は出雲駅伝優勝に加え、この記録会に出場した選手も好記録を出しており、選手層の厚さをアピールしました。
出雲駅伝には出場できなくても、この記録会に出場した選手たちがその後活躍することもあるので、ここでの走りや、その後の活躍にも注目してみてください。