母国の威信を背負って戦う男たちの横顔

ワールドカップで脚光を浴びるのは、選手だけではない。チームを束ねる監督にも注目が集まる。母国の威信を背負って戦う男たちの横顔を知れば、ゲームがもっと楽しくなる。ここでは、過去にW杯に出場したことのある監督たちを紹介しよう。
 

初優勝へと導いた!フランスのディディエ・デシャン

ロシアW杯の出場32カ国の監督で、選手としてW杯のピッチに立ったのは9人だ。そのなかでもっとも輝かしいキャリアを持つのは、フランスのディディエ・デシャンである。
 

1968年10月生まれの彼は、自国開催の98年大会でキャプテンを務めた。類まれなリーダーシップでチームをまとめ上げ、フランスに初のワールドカップをもたらした。
 

4大会連続でメンバー入り!スペインのフェルナンド・イエロ

出場大会数では、スペインのフェルナンド・イエロが最多だ。デシャンと同じ68年生まれで守備のオーソリティとして名を馳せ、90年から2002年まで4大会連続でメンバー入りした。
 

今大会では初戦の2日前(!)に前監督が解任され(※)、イエロはスポーツディレクターから急きょ監督に昇格した。それでも、ポルトガルとの初戦でスリリングな撃ち合いを演じて勝点1をつかみ、イランとの第2戦は1対0で競り勝った。代表監督は初めてでも、W杯を知っている強みは大きいのだろう。
 

サウジアラビアのファン・アントニオ・ピッツィとイングランドのギャレス・サウスゲイトも

イエロが出場した98年大会のスペイン代表には、サウジアラビアのファン・アントニオ・ピッツィも名を連ねる。大型ストライカーとしてならした彼はアルゼンチンからスペインへ帰化し、W杯の舞台に立った。ちなみに、彼も68年生まれだ。
 

同じく98年大会の出場選手には、イングランドのギャレス・サウスゲイトの名前を見つけることもできる。70年生まれのセンターバックは、98年大会のグループリーグ初戦に先発した。
 

もっとも古いW杯に出場したのはポーランドのアダム・ナワルカ

W杯出場経験を持つ9人のなかで、もっとも古いW杯に出場しているのはポーランドのアダム・ナワルカだ。57年生まれの60歳は、78年大会に19歳で出場した。また、開催国ロシアのスタニスラフ・チェルチェソフは、94年大会の第2GKだった。
 

チームの躍進に貢献した元選手もいる。コスタリカのオスカル・ラミレス監督は、同国が初出場でベスト16入りした90年大会で背番号10を背負った。当時のチームメイトでGKだったガベル・コネホは、ラミレス監督のもとでGKコーチを務めている。
 

注目されるセネガルのアリウ・シセも出場歴あり

アリウ・シセ
今大会、話題となったセネガルのアリウ・シセもキャプテンを務めている(写真:ZUMA Press/アフロ)

日本が24日に対戦したセネガルのアリウ・シセも、初出場の02年大会でキャプテンを務め、ベスト8入りに力を注いだ。彼は76年生まれの42歳で、日本のW杯メンバーでは鈴木隆行や楢﨑正剛らと同学年になる。
 

ここ最近のW杯では、06年大会の出場歴を持つ監督がいる。セルビアのムラデン・クラスタイッチだ。セルビア・モンテネグロとして出場したチームで、センターバックのレギュラー格としてプレーした。
 

コーチとしてベンチ入りしている元選手も…

余談だが、競合ドイツのヨアヒム・レーブ監督は代表歴がない。その代わりではないが、90年から3大会連続でW杯メンバー入りし、98年大会に正GKを務めたアンドレアス・ケプケが、GKコーチとしてスタッフ入りしている。98年と02年のメンバーのオリバー・ビアホフも、スポーツディレクターとしてスタッフに名を連ねる。
 

ブラジルのベンチにもW杯メンバーがいる。GKコーチのクラウディオ・タファレルが、90年から3大会連続で出場している。94年は優勝、98年は準優勝のチームで守護神となった。
 

選手だけでなく監督やコーチにとっても、W杯はひのき舞台だ。ロシアで印象的な戦いを見せたチームの監督が、大会後にステップアップを果たすこともあるだろう。ベンチにも目を凝らしてみると、違った楽しみが見つかるかもしれない。
 

(※)6月12日、ジュレン・ロペテギ監督がロシアW杯後にレアル・マドリードの監督になることが発表されると、スペインサッカー連盟によって解任された。