スーパースターはほぼ集結!注目すべき選手は?
ロシアW杯の地域予選では、W杯で4度優勝のイタリア、前回3位のオランダが敗退する波乱があった。チリ、アメリカ、コートジボワールといった常連国も出場を逃したが、現代サッカーを牽引するスーパースターはほぼ漏れなく集結すると言ってもいい。大会を彩るビッグネームを紹介していこう。
キャリアの集大成と位置づけるビッグネーム
ロシアW杯をキャリアの集大成と位置づける選手は少なくない。
まずはリオネル・メッシである。所属するバルセロナ(スペイン)では数多くのタイトルを手にしてきたが、06年から3度出場してきたW杯では頂点に立ったことがない。6月24日に31歳の誕生日を迎えるメッシのキャリアに唯一欠けているものが、W杯のトロフィーなのだ。
同じことはクリスティアーノ・ロナウドにも言える。レアル・マドリードのエースとしてクラブシーンで長く主役を務めてきたものの。W杯では悔しさを噛み締めてきた。21歳で参加した06年はベスト4入りの一員となったが、主将を務めた10年と14年は上位進出を逃した。33歳で迎える今大会は、世界王者の称号を得るラストチャンスである。
ノイアーvsネイマールに注目!
史上初の連覇を狙うドイツでは、守護神マヌエル・ノイアーが強い決意を抱いてロシアW杯に挑む。昨年9月に左足を骨折し、その後はクラブで一度も試合に出られないまま代表メンバーに選ばれたからだ。〈世界ナンバー1〉と評価されてきた実力を、自身3度目となるW杯で証明しなければならない。
ノイアーを擁するドイツの打倒に燃えるのがネイマールだ。
自国開催した4年前の準決勝で、ブラジルは1対7の屈辱的大敗を喫した。チームの絶対的エースだったネイマールは、そのドイツ戦をケガで欠場した。
彼とブラジルにとってのロシアW杯は、最多5度の優勝を誇るサッカー大国のプライドを取り戻す機会となる。ネイマールは2大会連続でブラジルのシンボルである『10』を背負い、ブラジル人としては02年のロナウド以来となる得点王をつかみ、母国を優勝へ導くとのシナリオを描く。
得点王の候補はフランスにも
ネイマールが狙う得点王の候補にはメッシとC・ロナウドも加わってくるが、彼ら3人の争いではない。
フランスのアントワーヌ・グリーズマンは16年の欧州選手権得点王で、キリアン・ムバッペやオリビエ・ジルーといった攻撃のパートナーに恵まれる。チームの完成度も高いだけに、グリーズマンにも得点王のチャンスはあるだろう。
要注意!日本の対戦相手の「得点王候補」
日本の対戦相手にも得点王候補がいる。
初戦で激突するコロンビアのハメス・ロドリゲスは、前回W杯の得点王だ。4年前はケガで欠場したラダメル・ファルカオも、大会屈指のストライカーのひとりである。
第3戦で対戦するポーランドには、長身FWロベルト・レバンドフスキがいる。ドイツ・ブンデスリーガで得点王を3度獲得しており、長身を利したヘディングはもちろん左右両足のシュートも鋭い。どこからでも点が取れるのがこの男の強みだ。
日本のグループから決勝トーナメントへ進出すると、イングランドかベルギーとの対戦が濃厚だ。この2カ国にも傑出したストライカーがいる。
イングランドのハリー・ケインは、プレミアリーグの得点王に2度輝いている。ワンチャンスを得点につなげる決定力の高さが、この24歳の最大の魅力だ。
ベルギーの得点源はロメル・ルカクである。アフリカのコンゴ共和国にルーツを持つ25歳は、黒人選手特有の身体能力を生かし、ゴール前で圧倒的な存在感を放つ。ベルギーにはエデン・アザール、ケビン・デブルイネらの優秀なアシスト役がいる。あとは、ルカク自身がいつもどおりの決定力を発揮できるかどうか、だ。
ウルグアイ選手のライバル関係にも注目!
チーム内に得点王のライバルがいるケースもある。ウルグアイのエディンソン・カバーニとルイス・スアレスだ。
カバーニはパリ・サンジェルマンのエースとして、フランスリーグで2年連続得点王に輝いている。スアレスはオランダ、イングランド、スペインのリーグで得点王になったことがあり、現在はバルセロナ(スペイン)でアルゼンチン代表メッシと強力なデュオを形成している。
ともに87年生まれで誕生日が1カ月違いのふたりは、世界最高の2トップとも言われる。不仲説もささやかれるなかで、お互いを生かすコンビネーションを築けるかどうかがポイントだ。
得点源として期待される選手が結果を残せば、必然的にチームも勝ち上がっていくものだ。母国の威信と自らのプライドを胸に、スーパースターたちはロシアで華麗な技を競い合う。