ロシアW杯のメンバー、最終決定は5月31日 

6月14日のロシアW杯開幕まで1カ月を切った5月18日、日本代表のメンバー27人が発表された。今月30日のガーナとのテストマッチを経て、23人の最終登録メンバーが決定される。4月に就任した西野朗監督が、選考で重視したポイントとは?
 

今回発表されたのは27人で、これはまだロシアW杯のメンバーではない。最終登録の23人は、5月30日のガーナ戦の翌日に発表されることになっている。
 

西野朗監督が公表した27人は、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督のチームをほぼ踏襲したものだ。「それなら監督を代える意味があったの?」との声が聞こえてきそうだが、監督が代わっても積み上げてきたものはある。全くの白紙からチームを作り直すよりも、土台を生かすほうが現実的だ。
 

本田、岡崎、香川が選出された

ポイントは3つある。
 

ひとつ目は、3人の経験者が選ばれたことだ。本田圭佑、岡崎慎司、香川真司である。
 

ハリルホジッチ前監督の指揮下でスタメンから外れたり、招集を見送られたりしてきた彼らだが、西野監督はトップフォームなら戦力になると期待する。一方で、香川と岡崎については、ケガの影響などでクラブで試合から遠ざかっていたことが懸念される。とりわけ香川については、「3カ月もトップステージでやれていない。デリケートに考えないといけない」と、西野監督も話している。
 

所属クラブでレギュラー格の働きをしてきた本田も、リーグ最終戦から約1カ月の空白がある。西野監督は5月21日スタートの合宿から3人のコンディションをチェックし、W杯をトップフォームで迎えられるかどうか判断する予定だ。
 

武藤の選出と中島の落選

2つ目は武藤嘉紀の選出だ。
 

ハリルホジッチ前監督のもとで代表に定着できなかった武藤だが、所属先のマインツ(ドイツ)ではレギュラーと言っていい働きを見せた。岡崎のコンディションが要確認ということもあって、西野監督は彼をリストアップしたのだろう。
 

もちろん、彼自身のパフォーマンスも評価に値する。1トップでも2トップでもプレーでき、必要ならサイドアタッカーもこなすこの25歳は、ポジションの汎用性が高い。ハリルホジッチ前監督が手をつけなかった2トップのシステムも、武藤と大迫勇也、武藤と岡崎といった組み合わせによって成立する。ガーナ戦でアピールに成功すれば、武藤の存在がクローズアップされてくるはずだ。
 

武藤の選出に関連して、中島翔哉の落選にも触れるべきだろう。
 

移籍1年目のポルトガルリーグで2ケタ得点をマークし、3月のマリ戦で初代表初ゴールをマークした23歳の小柄なアタッカーは、クラブでのポジションが乾貴士、宇佐美貴史、原口元気と重なる。実際の中島は複数ポジションに対応できるが、西野監督は中島について「ポリバレントではない」と説明し、ポジションの序列で彼らより上にないことを暗に示唆した。

ポルトガルで結果を出している中島翔哉は選出されず…(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

一方、乾らとポジションがかぶらず、なおかつ2つ以上のポジションをこなせるポリバレントな選手として、久保裕也がいる。彼は27人のリストに入っていないが、これは所属クラブの公式戦が残っているためだ。「基本的には27人から23人を選ぶ」と西野監督は語っているが、例外として久保が選ばれる可能性は十分にある。
 

青山の選出でチームが変わる?

3つ目は青山敏弘のメンバー入りだ。
 

Jリーグのサンフレッチェ広島で主将を務める彼は、15年3月を最後に日本代表から遠ざかっていた。しかし、広島がJ1リーグで首位を走る原動力となっていることを評価し、西野監督はサプライズ招集に踏み切った。

青山
J1で首位を走る広島の原動力である青山敏弘。ブラジルW杯にも出場している(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

青山の定位置はボランチで、W杯アジア最終予選で長谷部誠、山口蛍、井手口陽介の3人が存在感を発揮したポジションだ。彼ら3人以外にも、柴崎岳、大島僚太、三竿健斗らが、ハリルホジッチ前監督のもとで選出されてきた。今回の27人にも、6人揃って選ばれている。
 

人材不足ではないポジションに、あえて青山を加えた理由は何か。
 

彼をボランチに加えることで、西野監督はこれまでボランチだった選手を違うポジションで起用するのかもしれない。いずれにせよ、4年前のブラジルW杯にも出場した32歳の青山が、ロシアW杯の戦略上のキーマンに急浮上してきた。