皆さんのお手元に届いている自動車税の納付書。「高いな~」と思っても、どうしてその金額なのか考えたことはありますか?


現在、日本では自動車に対し9種類・8兆円もの税金が課せられ、ドライバーに重くのしかかっています。複雑でわかりにくいそのからくりとは?
 

自動車関係諸税の内訳

  

“ドライバー”に負担が大きいのはどうして? 

自動車に関するいくつかの税金は、道路整備を目的として制定され(道路特定財源)、それでも追いつかない道路整備の費用をまかなうため、それらの税金に一時的に“暫定税率”として通常よりも上乗せされた税率が課せられました。しかし現在、道路整備にかける費用が減少。本来の意味を失ったことから廃止すべきなのに、2009年道路特定財源から一般財源化。ドライバーばかりが過重に支払う仕組みになったのです。
 

“当分の間”上乗せされている税率って?

2009年、一般財源化に伴い“暫定税率”といわれていた特定税率は廃止となりましたが「急激な税収の落ち込みにより、財政が非常に厳しい状況にあることから、当分の間、現在の税率水準を維持するもの」とされ※、当分の間の措置として“特例”規定が設けられました。つまり高い税率はそのままということ。その“当分の間”のはずの税率も、今年ついに9年目を迎えます。
※内閣府「平成22年度の税制改正大綱」
 

自動車取得税廃止でホントに負担軽減するの?自動車税の環境性能割が始まる!

“自動車取得税”とは1968年に創設された地方税。自動車を購入するときにその取得額に対して課せられるのですが、一方で自動車購入の際は消費税が課せられます。つまり“自動車を購入する”という行為に対し、「取得」「消費」という同じ意味の税が二重に課せられているのです。


消費税導入が始まったときから、この不可解な二重課税についてドライバーは声を上げ続けており、ついに2014年、消費税が8%に引き上げられる際にその税率は3%※に下がり、2019年10月の10%に引き上げに合わせ廃止することが決定しました。ところが負担が軽減されると思いきや、廃止と同時に自動車税・軽自動車税に「環境性能割」という新しい課税区分が設けられ、追加課税されるというのです。
 

※実はもともと自動車取得税の税率は3%でしたが、暫定税率として1974年から5%に。2014年の税率変更は本来の税率に戻ったに過ぎません。
 

新設された、自動車税の「環境性能割」とは

「環境性能割」とはその名のとおり、環境性能に応じて課税するというもの。なるほどそれによって自動車税が割り引かれるのかと勘違いしそうですが、そうではありません。環境性能(燃費基準)によって、従来の自動車税の負担に追加して取得した初年度に最大で取得額の3%が課税されるのです。


つまり、負担軽減を訴えるドライバーに対し、表向きは「自動車取得税を廃止します!」としておきながら、それと同時に名前の違う税を新設し課税するということ。負担は軽減されないのです。
 

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その他にも自動車の税金には様々な種類があります。複雑なこの仕組みはあまりにわかりづらく、内容がよくわからないままにドライバーに重くのしかかっています。


そろそろ自動車税の納付時期がせまります。「自動車税の納付書」に書かれている金額について、まずはその仕組みや内容を理解しましょう。JAFでは前後編にわけ、自動車税制の仕組みについてお話をしていきます。
 

次回は“長く乗り続けた自動車の税金が高くなる「重課措置」”と“税金に税金がかけられている「Tax on Tax」”について解説します。

 

▼参考
JAFの自動車税制改正に関する要望活動
>>http://www.jaf.or.jp/profile/report/youbou/index.htm