キタサンブラックに次ぐスターがこの中に!?
3歳クラシックの第1冠を終えると、今度は古馬の王座決定戦のレースが開催されることに。日本最古の歴史を誇るG1レース、天皇賞が4月29日(日)に開催。春秋合わせて通算157回の歴史を誇る一戦に今年は17頭がエントリーしました。
◆2018年天皇賞(春)最終登録馬
- アルバート(牡7/2017年ステイヤーズS)
- カレンミロティック(セ10/2013年金鯱賞)
- ガンコ(牡5/2018年日経賞) ※優先出走権
- クリンチャー(牡4/2018年京都記念)
- サトノクロニクル(牡4/2017年チャレンジC)
- シホウ(牡7/2017年グリーンS(1600万下))
- シュヴァルグラン(牡6/2017年ジャパンC)
- スマートレイアー(牝8/2017年京都大賞典)
- ソールインパクト(牡6/2017年アルゼンチン共和国杯2着)
- チェスナットコート(牡4/2018年日経賞2着)
- トウシンモンステラ(牡8/2014年ディープインパクトC(1600万下))
- トーセンバジル(牡6/2017年香港ヴァーズ3着)
- トミケンスラーヴァ(牡8/2018年万葉S)
- ピンポン(牡8/2015年播磨S(1600万下))
- ミッキーロケット(牡5/2017年日経新春杯)
- ヤマカツライデン(牡6/2016年丹頂S)
- レインボーライン(牡5/2018年阪神大賞典) ※優先出走権
昨年まで2連覇を果たしたキタサンブラックが不在となる今年。新たな長距離王の誕生が期待されていますが……最終登録馬の顔触れを見ると、世代交代を告げるべき4~5歳の馬たちがわずか6頭と言う寂しい顔ぶれに。世界でもまれである3200mの長距離戦に活路を見出さない陣営が増えていることがよくわかります。
しかし、過去10年の天皇賞(春)の勝ち馬を振り返ると、その後のG1レースで活躍した馬も含まれており、そのメンバーは実に豪華。レース前は無名の存在でも、このレースを制したことによって箔が付き、その後出世している馬も見られます。
新たなスター誕生が期待される今年の天皇賞(春)。どんな馬が出るか気になりますよね。そこで、4月15日(日)に発表された最終登録馬の中から注目馬3頭を紹介します。
天皇賞(春)注目馬その1:シュヴァルグラン
明け6歳で幾度となくキタサンブラックと対戦してきた彼に「ポスト・キタサンブラック」と言うのは少々違和感がありますが、今年の天皇賞(春)出走馬で断トツの実績を持っているのがこの馬。このレースには今年で3年連続の挑戦となりますが、過去2年とも馬券に絡んだという経験もあり、他馬を一歩リードしています。
長らく「善戦マン」と思われていた馬でしたが、ジャパンCの勝利でひとつの勝ちパターンを確立。前走の大阪杯は13着に大敗しましたが、騎手がテン乗りの三浦皇成だったことに加えて、およそ3年ぶりとなる2000mのレースと言うところでリズムが合わなかったことなど、敗因は明らか。今回は得意条件の長距離戦で、騎手もジャパンCを制した時の相棒、ヒュー・ボウマンにスイッチします。大阪杯は明らかに「叩き」とした調整だっただけに、今回の上積みは十分。G1レース2勝目に向けて待ったなしです。
天皇賞(春)注目馬その2:レインボーライン
現役屈指のステイヤーと言えばこの馬。もともと3歳時から菊花賞で2着に入るなど、長距離レースへの適性の高さを見せていましたが、一方でなかなか勝ち切れず、阪神大賞典前までの戦績は20戦3勝。近走は連対すらしていなかったため、獲得賞金額の関係で天皇賞(春)への出走さえ危ぶまれていました。
そんな中で迎えた阪神大賞典は、まさに必勝態勢。鞍上岩田康誠との相性もピッタリと合い、直線早めに抜け出して快勝。久々の勝利で賞金を獲得したとともに、この馬の長距離適性が改めて浮き彫りになりました。天皇賞(春)は昨年も出走して12着に大敗していますが、当時は出遅れたことでリズムを崩してしまったことが敗因。阪神大賞典を制して臨む今年は前年とは違うところを見せてくれるでしょう。
天皇賞(春)注目馬その3:ガンコ
期待の超新星となっているのがこの馬。昨年まで条件戦で地道に走っている馬でしたが、今年の日経新春杯で3着に入って穴を開けたあたりから本格化の兆しを見せ、3月に行われた日経賞を制して見事に重賞初制覇を果たしました。
レーススタイルは長距離戦では怖い先行逃げ切り型。抜群のスタミナを持つ馬だけにできる戦法ですが、初の3000m超えのレースでそれができるか、そしてこれまでノーマークゆえの逃げ切りが多かっただけに初めてマークされる側となることが予想される本番でどんなレースを見せるかも注目されます。
その他にも今年の京都記念を制したクリンチャー、牝馬ながら果敢に挑戦するスマートレイアーらが出走を予定している今年の天皇賞(春)。昨年のキタサンブラックのような絶対的な本命馬がいないため、大荒れ必至とも称されています。
断然の主役がいないということは、馬券の買い方次第では一攫千金のチャンス到来ともいえるでしょう。そんな今年の天皇賞(春)は一体、どんなレースになるのでしょうか?