馬場と展開が大波乱を演出!?

2018年皐月賞を制したエポカドーロ
7番人気の伏兵ながら、皐月賞を制したエポカドーロ(筆者撮影)

4月15日(日)、第78回皐月賞が行われました。レース1週前にダントツ人気が想定されていたダノンプレミアムが右前脚の挫跖(ざせき)による調整不足を理由に回避したことで、今年の皐月賞は1強ムードから一転して混戦模様に。そもそも過去2年とも6番人気以下の馬が制していることから、今年も荒れるのでは?とファンの興味を誘う結果になりました。
 

加えて、レース前日の土曜日から天候は崩れ、降りしきる雨で馬場状態は悪化。レース自体は稍重での開催となりましたが、出走する有力馬の多くは切れ味を武器にするタイプばかりだったので、更なる不安をあおりました。
 

そんな大混戦に見舞われた今年の皐月賞、その様子をレポートしていきます。
 

乱ペースに翻弄され、動けなかった人気馬たち

絶対王者ダノンプレミアムが回避したことで、今年の皐月賞は軸となる馬が不在に。空いた1番人気の座を争ったのは、弥生賞で2着に入ったワグネリアンと、スプリングSを制したステルヴィオでした。
 

レース前のワグネリアン
ワグネリアンは1番人気に支持されるも、直線で伸びあぐね7着止まり(筆者撮影)
本馬場入場時のステルヴィオ
スプリングSを制したステルヴィオは2番人気。直線猛然と追い込むも、あと一歩及ばず(筆者撮影)


この2頭に共通するのはいずれもダノンプレミアムと走って2着に敗れた経験があること。ともに末脚を武器にするタイプの馬で、ダノンプレミアムさえいなければ勝てていたというレースをしてきた馬だけに、まさに千載一遇のチャンスとも言える一戦でしたが…… 。この2頭にとって仇となったのが、馬場状態とペースでした。
 

レースはスタートからアイトーン、ジェネラーレウーノ、ジュンヴァルロ の3頭が後続を大きく突き放すという意外な展開。これに対して1番人気を争った2頭は10番手以下の位置取りに。「この2頭を見ながら」という形で3番人気のキタノコマンドールも待機する状態でした。
 

確かに1000mの通過ラップは59秒2と速いものでしたが、位置取りはあまりにも後ろ過ぎ。いくら末脚が切れる馬とはいえ、直線が短く、小回りコースの中山ではさすがに無理がありました。そして普段なら早めに動いて位置を上げていくミルコ・デムーロ騎乗のキタノコマンドールでさえも4コーナーを15番手で通過するほど。乱ペースに翻弄され、動くに動けなかった様子がよくわかります。
 

結果、上がり3ハロン最速タイムを記録したステルヴィオ、キタノコマンドールはそれぞれ4着、5着の掲示板入りが精いっぱい。最終的な1番人気に支持されたワグネリアンに至っては7着に惨敗するなど、持ち味を全く生かせぬままレースを終えてしまいました。
 

オルフェーヴルの息子の次の目標は……

人気馬たちが伸びあぐねる中、見事なレースを見せたのがエポカドーロでした。道中は後ろにいる人気馬たちに目もくれず、前を行く3頭の逃げ馬を見るような姿勢で4番手を追走。直線では早めに抜け出すという、まるで2着に入った前走のスプリングSの再現のようなレースを見せました。乱ペースに翻弄されず、あくまで自分のレースに徹したことが、今回の勝利に結びついたと言えるでしょう。
 

そんなエポカドーロは三冠馬オルフェーヴルのファーストクロップ。これが嬉しい産駒クラシック初制覇となりました。7番人気の伏兵の勝利だったにもかかわらず、レース後にはファンから「オルフェの息子おめでとう!」「ダービーでも期待しているよ!!」と温かい歓声を受けていたことが印象的でした。
 

3歳牡馬の第1冠、皐月賞を制したエポカドーロの次走はもちろん、ダービー。偉大なる父と同様に親子でダービー制覇をなし得るか、それともここで敗れた馬たちの巻き返し、そしてまだ見ぬ新星の台頭があるのか……。今年の牡馬クラシックも目が離せなくなってきました。

皐月賞を制したエポカドーロ
表彰式に向かうエポカドーロ陣営。鞍上の戸崎圭太騎手は牡馬G1クラシック初制覇(筆者撮影)


◆2018年皐月賞全着順

着順  枠番  馬番  馬名 騎手 タイム/着差  人気  調教師
1 4 7 エポカドーロ 戸崎圭太 2:00.8 7 藤原英昭
2 7 14 サンリヴァル 藤岡佑介 2 9 藤岡健一
3 5 10 ジェネラーレウーノ  田辺裕信 1 3/4 8 矢野英一
4 8 15 ステルヴィオ C.ルメール  クビ 2 木村哲也
5 3 5 キタノコマンドール M.デムーロ ハナ 3 池江泰寿
6 6 12 グレイル 岩田康誠 ハナ 10 野中賢二
7 1 2 ワグネリアン 福永祐一 1 1/2 1 友道康夫
8 3 6 アイトーン 国分恭介 1 12 五十嵐忠男 
9 2 3 ジャンダルム 武豊 アタマ 4 池江泰寿
10 1 1 タイムフライヤー 内田博幸 3/4 6 松田国英
11 4 8 ケイティクレバー 浜中俊 クビ 11 安田翔伍
12 5 9 オウケンムーン 北村宏司 1 1/4 5 国枝栄
13 6 11 マイネルファンロン 柴田大知 3/4 13 手塚貴久
14 7 13 ダブルシャープ 和田竜二 1 14 渡辺薫彦
15 8 16 ジュンヴァルロ 大野拓弥 4 15 友道康夫
16 2 4 スリーヘリオス 柴田善臣 8 16 村山明