ピーチが日系LCCで初の「新潟就航」!制服もリニューアル

LCCのピーチが大阪(関西)-新潟線を新規就航した。新潟へ日本のLCCが就航するのは初。ピーチは機内食もメニューを刷新して新潟のグルメなどを提供。同日に就航6周年を迎えて関西空港で記念セレモニーも行われ、スタッフの新制服もお披露目された。

新潟へ日本のLCCが就航するのは初

関西空港で行われたピーチの大阪(関西)-新潟線の就航セレモニー / 筆者撮影

LCCのピーチ・アビエーション(以下、ピーチ)が2018年3月1日、大阪(関西)-新潟線を就航した。日本のLCCが新潟へ就航するのは初めて。


関西空港では、新潟初便となるMM143便の出発に先立ち、出発フロアで就航セレモニーが行われ、客室乗務員が並んでピーチポーズを取って新潟就航をアピール。全路線600円(600席限定)というセール運賃も発表された。
 

新潟行き初便の搭乗客に、ピーチのスタッフが初便恒例のハイタッチでお見送り / 筆者撮影


その後、ピーチのスタッフが並び、初便の搭乗客と恒例のハイタッチをしたほか、記念品が配布された。
 

MM143便は新潟空港の強風などによって関西空港への出発が当初の12時から1時間半ほど遅れたものの、143名の乗客を乗せて13時44分に離陸し、新潟空港へは14時50分ごろに到着。大手を含む他社の新潟発着便が悪天候で軒並み欠航する中、ピーチの初便が2度のトライでなんとか着陸に成功すると、機内や出発ロビーでは拍手が起こった。
 

就航セレモニーは新潟空港でも行われ、ピーチの井上慎一・代表取締役CEOが新潟発大阪(関西)行きMM144便の出発を前に挨拶。この就航前日には井上CEOと新潟県出身の客室乗務員らが米山隆一・新潟県知事への表敬訪問も行った。
 

ピーチの大阪(関西)-新潟線は1日1往復、基本運賃は片道4,190円~(シンプルピーチ)。関西圏から新潟に向かうには、空路だと大阪(伊丹)からの便は大手航空会社のみで、運賃も高い。また陸路だと、新幹線で東京を経由して乗り継ぐ必要があるため、所要時間は最短でも5時間以上かかる。 ピーチだと所要時間は1時間強と、とても手軽に行けるようになった。今後は路線を維持できるかがカギとなる。
 

ピーチの機内食も「新潟」グルメが満載

ピーチの機内食「PEACH DELI」、2018年春の新メニュー。新潟のグルメが満載となっている / 筆者撮影


ピーチは、新潟線の就航に合わせて機内食「PEACH DELI」のメニューを刷新。新潟ならではの名物グルメが揃っている。


まず、新潟県民のソウルフードとして知られる「イタリアン」が機内食に登場。新潟県で明治42年創業の老舗甘味処『みかづき』の看板メニューで、ウスターソース味の太麺やきそばに洋風トマトソースがかかったご当地グルメ。ファーストフード感覚で長年親しまれている味が機内でも楽しめる。新潟名物の笹寿司、へぎそば、タレかつが同時に味わえる「笹寿司弁当」も提供する。
 

コシヒカリ
ピーチが機内で販売する魚沼産コシヒカリ(600円)。販売は国内線と国際線の全路線 / 筆者撮影


新潟県と言えばお米、ということで、手のひらサイズの白米「魚沼産コシヒカリ」を機内販売する。日本の航空会社が白米を機内販売するのは初(ピーチ調べ)といい、新潟コシヒカリの産地で有名な南魚沼市塩沢地区で生産された一等米で、お土産に最適。ほかに、新潟県の日本酒「越後 鶴亀」「八海山」、新潟限定の米菓「サラダホープ」も機内で販売する。
 

新潟の老舗「みかづき」のイタリアン
新潟の老舗「みかづき」のイタリアン(700円)を機内で販売する(一部路線)/ 筆者撮影

飛行時間が短い新潟線ではイタリアンなどを機内で味わうことができないものの、ピーチは「他路線のお客様にも新潟に興味を持ってもらい、ピーチを使って新潟へ足を運んでほしい」とアピールする。

※イタリアンと笹寿司弁当は、飛行時間が90分以上の国内線、国際線の一部路線で提供
 

ピーチ就航6周年、制服を初めてリニューアル

客室乗務員やパイロットらの制服を就航から初めてリニューアル。3月1日から使用している / 筆者撮影

一方、ピーチは同日、関西空港を拠点に運航を開始して6周年となった。新潟便の出発に先立ち、就航6周年記念セレモニーを関西空港で開催。新たな制服もお披露目された。


2012年3月1日にデビューして以来、制服のリニューアルは初。パイロット、客室乗務員、地上係員、整備士の制服が対象で、見た目は以前とほぼ同じだが、ピーチらしいカラーなどを継続しつつ、素材にこだわって軽量化し、パンツが細身になるなどよりスタイリッシュなデザインとなった。早速着用したスタッフから「仕事で動きやすくなった」「通気性が良くて肌触りもいい」など好評という。


さらに、パイロットの自社養成を行うことも、この日明らかに。2018年夏頃に第1期生の募集を開始し、2019年度中にパイロット訓練生としての入社を予定する。ピーチによると、今後も航空需要が拡大し、日本そしてアジアでのLCC市場の成長に対応するため、パイロットの自社養成に踏み切ったという。


ピーチが日本発の本格LCCとして就航して早6年。その後に他社LCCも続き、今ではLCCが得意とする観光地のほか、地方都市へも続々と就航している。レジャーから帰省まで、LCCの利用手段は多岐に広がり、LCCが就航したことによって観光客が増加した都市もある一方、最近は運休や減便するLCCの路線も出ている。ピーチはこれまでも新たな路線、斬新な機内食などを次々と発表し、その都度で話題をさらってきた。今回は就航6周年と同時に新潟線を就航し、まだまだ注目を集めそうだ。


【関連リンク】
Peach Aviation (ピーチ)

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