観戦前に知っておきたい「難読選手名」
侍ジャパンの主砲として君臨する筒香嘉智(つつごうよしとも)や巨人の外野のレギュラーを務める長野久義(ちょうのひさよし)など、一見ではなかなか読めない選手がいるプロ野球界。プロ野球選手は試合に出場する際、登録名でアナウンスされますが、ほとんどの選手は名字を登録名に使用するため、球場のアナウンスなどでその難読な選手名を知ることになります。
珍しい名字の選手は覚えやすいため、ファンの記憶に残りやすいもの。知っているとちょっと通っぽくなった気分にも浸れますよね。そこで、プロ野球界の歴史を紐解き、初見殺しとも言える難読な名字や名前を持つ古今東西の選手を紹介します。
沖縄県初のプロ野球選手は広島のエースの系譜のキッカケに
まずはOB選手たちから見ていきましょう。
選手名 | 読み方 | 在籍球団 | 在籍期間 |
---|---|---|---|
安仁屋 宗八 | あにや そうはち | 広島など | 1964-81年 |
今久留主 成幸 | いまくるす なりゆき | 大洋など | 1990-99年 |
大慈彌 功 | おおじみ いさお | 西武など | 1976-79年 |
金刃 憲人 | かねとのりひと | 巨人など | 2007-17年 |
鞘師 智也 | さやし ともや | 広島 | 2003-09年 |
芝草 宇宙 | しばくさひろし | 日本ハムなど | 1988-2007年 |
梵 英心 | そよぎ えいしん | 広島 | 2006-17年 |
弦本 悠希 | つるもと ゆうき | 広島 | 2011-13年 |
中後 悠平 | なかうしろ ゆうへい | ロッテなど | 2012-15年 |
南牟礼 豊蔵 | みなみむれ とよぞう | 阪急など | 1982-95年 |
沖縄県特有の苗字に「見慣れない」と感じた経験がある方もいるかもしれませんが、そんな沖縄県出身選手の第1号となったのが安仁屋宗八。現役18年間で119勝を挙げた大投手でしたが、それ以上に一見では読めない変わった名字で話題に。そのインパクトのある名字は野球マンガ「ROOKIES」に登場するキャラクターにも使用されました。
ちなみに、広島には初代エースの長谷川良平や外木場義郎(そとこばよしろう)、北別府学(きたべっぷまなぶ)といった名字が三文字の選手が活躍してエースになるというジンクスがあります。安仁屋宗八はそんな広島のジンクスの通りにプロ入り直後からエース投手に成長しました。
そして名前のインパクトもすごいのが芝草宇宙。一見すると「うちゅう」と読んでしまいそうですが、これで男性の名前でおなじみの「ひろし」と読むのだから驚き。名前の由来は生年である1969年にアポロ11号が月面に着陸したこと。これに感銘を受けた父が、「宇宙のように広い世界で活躍してほしい」という願いを込めて名付けたといわれています。
大瀬良大地は広島のエースの伝統に続けるか
続いでは現役の難読選手たちを見ていきましょう。歴代OBと比べてもインパクトでは遜色ありません。
選手名 | 読み方 | 所属球団 | 在籍期間 |
---|---|---|---|
赤見内 銀次 | あかみない ぎんじ | 楽天 | 2006年~ |
阿知羅 拓馬 | あちら たくま | 中日 | 2014年~ |
大瀬良 大地 | おおせら だいち | 広島 | 2014年~ |
嘉弥真 新也 | かやま しんや | ソフトバンク | 2012年~ |
城所 龍磨 | きどころ りゅうま | ソフトバンク | 2004年~ |
菅野 智之 | すがの ともゆき | 巨人 | 2013年~ |
下水流 昂 | しもずる こう | 広島 | 2013年~ |
長野 久義 | ちょうの ひさよし | 巨人 | 2010年~ |
筒香 嘉智 | つつごう よしとも | DeNA | 2010年~ |
山下 斐紹 | やました あやつぐ | 楽天 | 2011年~ |
安仁屋宗八などのビッグネームが並ぶ、「広島の三文字エース」の系譜ですが、その座を次ぐ存在として期待されているのが大瀬良大地。1年目には先発投手として10勝を挙げて新人王を獲得し、エースの座に近づきましたが、2年目以降はリリーフに降格するなど本来のポテンシャルを発揮できずにいましたが、昨季は先発に再転向して再び10勝をマーク。5年目となる今季はエース襲名に向けて奮起のシーズンを迎えます。
大瀬良大地のチームメイトとなる下水流昂も難読な名字の選手。プロ入り時からその名前のインパクトに押され気味な感がありましたが、昨季はこの名前が話題になり、なんと広島市の下水道局がPRポスターにイメージキャラクターとして登場。意外なところで活躍するキッカケになりましたが、今季はプレーで目立ちたいところです。
そして巨人は菅野智之、長野久義と一見普通に読めそうな選手名ですが、菅野は「かんの」ではなく「すがの」、長野は「ながの」ではなく「ちょうの」と読むというまるで引っ掛け問題のような名字。観戦時には間違えないように注意しておきましょう。
知っているとちょっと通になれるプロ野球難読選手名たち。調べてみると新たな発見があるかもしれませんよ。