青春18きっぷで新たに乗れる特急列車

青春18きっぷ
青春18きっぷ

このほど「青春18きっぷ」の2018年内における発売について、JRグループから詳細なリリースがあった。今年も例年通り、春、夏、冬とおおむね学校の長期休業期間にあわせて利用期間が設定されている。ここ数年、東北新幹線延伸、北陸新幹線や北海道新幹線の開業にともない、並行在来線が第三セクター化されたり、青函トンネルを在来線の旅客列車が走らなくなったりしたことで、18きっぷは、いくつものルール改変がなされてきた。今年は、新幹線の新規開業もなく現状維持かと思っていたら、以下のような新たな特例区間についての記載があり、目に留まった。
 

特例として、特急列車の普通車自由席がご利用いただける区間
佐世保線 早岐~佐世保間

青春18きっぷは、JRの普通列車(快速列車を含む)のみが乗り放題であって、特急列車に乗る時は特急料金のみならず、乗車券も別途買い直さなければならない。つまり、「特急列車には乗れない」のが大原則なのである。しかし、例外となる区間がいくつか設けられている。
 

これまでも特急列車しか走っていない区間などが例外に

佐世保線のローカル列車
佐世保線のローカル列車

そのひとつが、石勝線(JR北海道)の新得~新夕張間で、ここは特急列車しか走っていないから、ある意味当然の措置だ。青函トンネルも北海道新幹線が開通する直前は特急列車しか走っていなかったから、石勝線と同じ扱いだったけれど、北海道新幹線開業後は、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を別途購入することで、北海道新幹線(奥津軽いまべつ~木古内)にも乗れるようになった。
 

奥羽本線青森~新青森間は、青森から新青森に行って新幹線に乗車するためのアクセスとしてはわずか一駅なので、もともと特急券なしでも特急列車に乗れるようになっており、18きっぷもこれに合わせて乗車可とした。宮崎空港線(JR九州)の宮崎空港~宮崎間も普通列車の本数が多くないことから、航空機利用者の便宜を図るために特急券なしで特急列車に乗れる区間であり、18きっぷもその恩恵を受ける形で乗車可となっている。
 

そこへ今回、新たにJR九州の早岐~佐世保間が加わった。いったいなぜなのか?
 

特例は3月17日から…実は「ダイヤ改正」が影響

18きっぷのリリースの注意書きをよく見ると、この特例は3月17日以降の取り扱いと書いてある。18きっぷの春の利用期間は3月1日からになっているため不思議な気もするが、3月17日にJR各社のダイヤ改正があるので、それが理由だと推察できる。


調べてみると、JR九州は、3月17日のダイヤ改正で、列車の大幅削減を行う予定だ。12月中旬のリリース以来、沿線自治体では大変な話題になり、列車削減反対の声明やJR九州への自治体首長による再考申し入れなどが相次ぐ状況である。

特急みどり
早岐~佐世保間が青春18きっぷで乗れるようになる特急みどり

JR九州のリリースによると、列車削減は、九州新幹線、特急列車、快速列車、普通列車の全てに及んでいて、合計すると1日あたり117本減となる。これはかなり大きな数字だ。


早岐~佐世保間については詳細が分からなかったので、JR九州に直接問い合わせてみた。特急列車については、指定席予約の関係もあって、すでにおおよそのダイヤは公開されているが、普通列車に関しての詳細は時刻表発売まで公表しないとのこと。しかし、佐世保~早岐間に関しては、上り8本、下り8本あわせて16本の普通列車が削減されるとの数字のみ教えていただいた。一方、この区間を走る特急「みどり」は上下合わせて32本が設定されていて、列車の一部に発着時刻の変更があるものの、本数の削減はない。従って、普通列車削減の救済措置として特急「みどり」の早岐~佐世保間を特急券不要にしたのだ。
 

「早岐~佐世保」の近くには観光スポットも

JR佐世保駅の駅名標
JR佐世保駅の駅名標

もっとも、16本削減の埋め合わせをするだけであれば、特急列車16本を特急券不要にすれば済むのであるが、すべての特急「みどり」に乗れるのであるから、早岐~佐世保間に限っていえば事実上16本の「増発」とも受け取れる。ただし、日宇駅と大塔駅という2つの途中駅に関しては、特急列車はすべて通過であるから列車本数が削減されたままだ。いずれの駅も乗降客数が少なく早岐~佐世保間を通しで乗る利用者が大半なので、実態に合わせた改定なのだろうか。

佐世保
JR佐世保駅のモニュメント

ともあれ、僅か10分少々とは言え、18きっぷで特急列車に乗れるこの区間は、ほぼ1時間に1本、特急が走っているので利用しやすい区間だ。早岐駅から大村線に一駅乗れば、テーマパークのハウステンボスも近いし、現在はJR最西端の駅となっている佐世保も何かと話題の多い街なので、これを機に訪ねてみるのもよさそうである。
 

取材協力=JR九州