7年ぶりに日本球界に帰ってくる、稀代の安打製造機
キャンプイン直前の1月30日、ニューヨーク・メッツを自由契約になった青木宣親が古巣であるヤクルトへ復帰することが決まりました。かつては首位打者のタイトルを3度獲得するなどヤクルトの中心選手として大活躍。当時はチーム屈指の人気を誇っていました。かつてのリードオフマンの復帰によって得点力のアップが見込め、前年リーグ最下位に終わったチームとしてはこれ以上ない補強と言えるでしょう。
青木が復帰するにあたり、ヤクルトは最大限の誠意を見せ、3年総額で推定10億円という破格の契約を結ぶと報じられています。確かに青木はかつてのチームの顔ともいうべき選手ですが、今年で36歳になるベテラン選手。球界全体で若返りを図っている中で異例とも言える高額契約となります。
しかし、青木に限らずメジャーリーグから日本球界へ復帰した選手は得てして年俸が上がりがち。一見、費用対効果に合わない金額に見えますが……果たして彼らは高額な年俸に見合う活躍ができているのでしょうか?
メジャー帰り初年度の各選手の成績は?
日本人野手で最初にメジャーリーグへ渡ったのは2001年のイチロー。以来、昨年までに14人もの選手が海を渡り、うち、日本球界復帰を果たした選手は青木を除いて11名います。まずは彼らの復帰1年目の成績を見てみましょう。
日本ハムの北海道移転を成功させた新庄剛志を始め、100試合以上に出場して規定打席に到達した選手は約半数の6名。うち、ベストナインやゴールデングラブ賞などのタイトルを獲得した選手は4人もいます。
一方、100試合以上の出場ができなかった選手たちはシーズン中の故障で戦線を離脱したケースがほとんど。これを見ると、青木も故障さえなければレギュラーとしての活躍は堅いと言えるでしょう。
初年度こそ活躍できても、トータルすると……
しかし、復帰初年度こそ好成績を残す傾向のあるメジャー帰りの野手ですが、気になるのは復帰翌年以降の成績です。
復帰初年度こそレギュラーとして活躍した選手は多くいましたが、城島健司のように2年目以降は故障に見舞われて在籍年数の割に出場試合数が少ないという選手が多く見られます。ちなみに城島の場合は2年目以降の故障が響いて、契約を1年残して現役を引退。中村紀洋はメジャーから復帰して9年間プレーしていますが、単年2億円という好条件で入団したオリックスにはわずか1年しか在籍しませんでした。
こうしてみると、長期的なスパンでの活躍は期待しづらいメジャー帰りの野手たち。36歳にしてヤクルトに復帰した青木が復帰1年目、そして3年間の契約満了時にどんな成績を残しているか……注目して見てみましょう。