11月、サッカー日本代表は強豪のブラジル、ベルギーと戦う

興味深い人選である。11月に控える日本代表の欧州遠征だ。
 

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本は、10日にブラジルと、14日にベルギーと対戦する。どちらもロシアW杯出場を決めており、組み合わせ抽選では第1ポット=第1シードとなるのが濃厚な強豪だ。
 

だとすれば、現時点でベストと思えるメンバーを編成し、ブラジルとベルギーにぶつかっていくのが一般的な強化プランである。Jリーグでプレーする選手を試したいのであれば、韓国、中国、北朝鮮と対戦する12月の大会(EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会、旧東アジアカップ)を待てばいいはずだが、ハリルホジッチ監督は思い切った選択をした。
 

守備陣は変わらないが…注目は中盤から前線のメンバー

GKとDFラインは、これまでとほぼ変わらない。所属クラブでのパフォーマンスも含めて、ハリルホジッチ監督は守備に相応の手ごたえをつかんでいるのだろう。
 

対照的なのは中盤から前線だ。
 

MFでは長谷部誠が復帰した。10月のニュージーランド戦とハイチ戦の欠場はコンディションを考慮されたものだったから、キャプテンの復帰は順当である。
 

長澤和輝
長澤和輝(写真:アフロ)

驚きをもたらしたのは、長澤和輝の初選出だ。14年から15年までドイツ・ブンデスリーガのケルンに所属し、16年はJ2の千葉で、17年からはJ1の浦和でプレーする25歳のMFは、ここ最近の公式戦で評価を高めていた。それにしても、シーズンを通して結果を出してきた選手ではない。大抜擢と言って差し支えないだろう。
 

森岡亮太
ポーランド時代の森岡亮太(写真:Shutterstock.com)

14年11月以来の招集となる森岡亮太は、16年1月にヴィッセル神戸からポーランドのクラブへ移籍し、今夏に加入したベルギー1部リーグのベフェレンで攻撃の中心となっている。ポーランド移籍当初から数字を残してきただけに、客観的にも納得できる選考だ。
 

FWでは興梠慎三がリストアップされた。J1リーグでは12年から6年連続で2ケタ得点を記録しており、今年は自身初の20得点の大台に乗せている。いつ呼ばれてもおかしくない結果を出し続けてきた31歳が、ここにきてアピールするチャンスを得た。
 

本田、岡崎、香川の招集が見送られた理由

代わって招集を見送られたのは、本田圭佑、岡崎慎司、香川真司である。
 

移籍1年目のパチューカで、本田は復調しつつある。岡崎もすでにリーグ戦で4得点をあげており、香川も試合には絡んでいる。それでも、ハリルホジッチ監督を満足させるには至っていないだろう。「彼ら本来のパフォーマンスを見つけるべきだ」と、指揮官は説明している。
 

こうした選手の処遇については、代表招集をクラブでの地位向上へ結びつけてもらう考え方もある。だが、ハリルホジッチ監督は新戦力のテストを選んだ。
 

今回のメンバーではっきりしたのは、ハリルホジッチ監督は過去でも未来でもなく「現在」を最優先に考えている、ということだ。これまで成し遂げてきた経験や実績でなく、いまはまだ目覚めていない才能や将来性でもなく、現時点でのパフォーマンスを評価基準の最上位に置いている。
 

競合相手にハリルジャパンが求められていることは?

ネイマールが主将を務めるブラジルは、激戦の南米予選を悠々と勝ち上がった。アザール、デブライネ、ルカクらの強烈な「個」を擁するベルギーは、ロシアW杯でも上位進出が予想されている。
 

日本に求められるのは、後ろ向きにならないことだ。「できること」と「できないこと」を見定めるために、劣勢に立たされてもトライする姿勢を失ってはいけない。ディフェンスばかり考えて僅差で敗れるよりも、攻撃にも意欲を見せた大敗のほうが未来につながる。チームとしても個人としても、チャレンジャーのメンタリティで臨んでほしいのだ。
 

国際親善試合 概要

  • SAMURAI BLUE vs ブラジル代表

日程:2017年11月10日(金) 13:00(日本時間 21:00) キックオフ(予定)

会場:フランス/スタッド・ピエール・モーロワ
 

  • SAMURAI BLUE vs ベルギー代表

日程:2017年11月14日(火) 20:45(日本時間 15日(水)4:45) キックオフ(予定)

会場:ベルギー/ヤン・ブレイデルスタディオン
 

  • メンバー

GK
川島永嗣(FCメス/フランス)
東口順昭(ガンバ大阪)
西川周作(浦和レッズ)

DF
長友佑都(インテル・ミラノ/イタリア)
槙野智章(浦和レッズ)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
酒井宏樹(オリンピック・マルセイユ/フランス)
酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)
車屋紳太郎(川崎フロンターレ)
昌子源(鹿島アントラーズ)
三浦弦太(ガンバ大阪)

MF
長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)
倉田秋(ガンバ大阪)
山口蛍(セレッソ大阪)
森岡亮太(ワースラント・ベフェレン/ベルギー)
長澤和輝(浦和レッズ)
遠藤航(浦和レッズ)
井手口陽介(ガンバ大阪)

FW
興梠慎三(浦和レッズ)
乾貴士(SDエイバル/スペイン)
大迫勇也(1.FCケルン/ドイツ)
原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
杉本健勇(セレッソ大阪)
久保裕也(KAAヘント/ベルギー)
浅野拓磨(VfBシュツットガルト/ドイツ)