エンケン、一昨年から闘病していた
「エンケン」の愛称で知られるシンガー・ソングライターの遠藤賢司さんが東京都の病院で死去しました。70歳。公式サイトで訃報が伝えられ、それによると一昨年より胃がんを患い、闘病を続けていたといいます。
遠藤さんは1969年に「ほんとだよ/猫が眠ってる」でレコードデビューし、「カレーライス」「不滅の男」などヒット曲を生みました。また、漫画家浦沢直樹さんの原作で、映画化された「20世紀少年」の主人公のモデルでも知られ、俳優として出演もしていました。
遠藤さんが患った胃がんですが、医師の狭間研至さんはAll Aboutの『胃がんの初期症状・がんの進行』で「がん検診や胃カメラによる検査の普及により、早期発見できれば十分完治が目指せるがんになってきた」としています。早期発見するために注意すべき症状はあるのでしょうか?これに関して、狭間さんが以下のように解説をしています。
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気を付けるべき胃がんの初期症状
狭間さんが気を付けるべきだとする胃がんの初期症状は、以下の2つです。
1. みぞおちの不快感や痛み
胃もたれ、むかつき、膨満感といったみぞおちの不快感、しくしく、きりきり、ずーんといった痛みが長引く場合には、要注意です。市販の胃薬でも改善するケースもありますが、薬を飲まないと必ず痛む、食欲不振が長く続く、症状が以前より悪化している場合は病院へ行くことが重要です。
2. 真っ黒なタール便が出る
トイレでタールのような真っ黒な便が出たときには、自覚症状が全くない時でも、必ず、内科へ行くべきだと狭間さんは説明しています。イカスミなどの食物や鉄剤などの薬の影響で黒い便が一時的に出ることはありますが、黒い便が続くような時には要注意です。
なお、黒い色のもとは、血液のヘモグロビン中に含まれる鉄分が酸化したもので、主に、胃や十二指腸といった上部消化管の出血によって見られるといいます。胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの可能性もありますが、胃がんの可能性も念頭に置かなければなりません。
進行胃がんで起こる症状は?
胃がんの進行に伴って見られる症状には、局所の進展によるものと、他の臓器への転移によるものに分けることができます。
1. 胃がんの局所の進展による症状
- 嘔吐(狭窄・閉塞症状)
噴門部や幽門部といった胃の入り口や出口付近にできた胃がんは、進行によって狭窄・閉塞症状を来し、食べ物が通過せず嘔吐してしまいます。嘔吐は、二日酔いや乗り物酔いの時とは異なり、吐き気は特段ないのに、急にどっと嘔吐してしまうことが特徴だといいます。
- 貧血
胃がんの進行によって、出血量が増加することで、貧血が急速に進行したり、血圧の低下などを招いたりすることもあります。
ほかにも、胃がんが胃の壁を食い破ってしまった場合、膵臓や胆嚢などの周辺の臓器に浸潤したり、腹膜全体に広がったりすることもあります。痛みとともに、便秘や下痢などの便通異常も出てきます。
2. 胃から他臓器への転移による症状
- 黄疸(皮膚や白目の部分が黄色くなる)
胃がんも、他のがん同様、血流の多い肝臓、肺、脳、骨への転移が見られますが、中でも肝臓への転移が多いといいます。肝臓への転移が大きくなったり、その場所が肝臓からの消化液である胆汁の流れを滞留させるような部位であれば、胆汁が血液内に逆流し黄疸が見られるようになります。
- 特に要因なく体重が減少する
- 特に要因なく帯状疱疹(ヘルペス)を発症する
これらの症状からも悪性疾患の存在が疑われるといいます。万一、このような兆候が出た場合には医療機関を受診しましょう。
「治癒率をあげるためには、早期発見・早期治療が大切です。早期発見のためには、初期症状に注意すると共に、やはり、年に1回の定期的な健康診断を受けられることをおすすめします」(狭間氏)
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