サッカー日本代表が再起動!ロシアW杯への競争が始まる

10月に国内でテストマッチを行う日本代表のメンバーが、9月28日に発表された。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は数名の主力選手の招集を見送り、テストを行うことを明言。ロシアW杯へのサバイバルがスタートする。

本田や長谷部ら、主力の招集見送りでテストを

ロシアW杯へのリスタートは、新たな競争の始まりとなった。
 

10月6日にニュージーランドと、10日にハイチと対戦する日本代表のメンバーが、9月28日に発表された。チームを率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督(65歳)は、キャプテンの長谷部誠(33歳)、本田圭佑(31歳)、岡崎慎司(31歳)といった経験と実績のある選手の招集を見送り、ロシアW杯アジア最終予選で出場機会の少なかった選手を多く集めた。
 

小さな驚きをもたらしたのは、車屋紳太郎の初選出だっただろう。この25歳は所属する川崎フロンターレで、攻撃的な資質をアピールしてきた。W杯アジア最終予選の予備登録メンバーにも選ばれていた。
 

車屋
初選出となった川崎フロンターレの車屋紳太郎(写真:アフロ)

ただ、彼が定位置とする左サイドバックには長友佑都(31歳)がいる。酒井高徳(26歳)も控えている。ブラジルW杯のメンバー2人が揃うポジションは、テストを急ぐ必要が無い。
 

それでも車屋が招集されたのは、右サイドバックとの兼ね合いだろう。内田篤人(29歳)の離脱後は酒井宏樹(27歳)がひとりで支えているこのポジションこそ、新戦力の発掘が求められている。しかし、適切な人材を見つけにくいことで、左右両サイドでプレーできる酒井高を「右サイドの2人目」と位置づけ、車屋のテストに踏み切ったと考えられる。
 

経験ある選手の中で、香川が選ばれた理由とは?

ハリルホジッチ監督は長友と酒井宏に加え、GK川島永嗣(34歳)とセンターバック(CB)吉田麻也(29歳)も選んでいる。守備陣はレギュラー格を漏れなく招集したわけだが、これはテストの下準備と理解できる。
 

長谷部らがいない今回のメンバーは、MFとFWの構成にテスト的要素が含まれる。そのためには、守備の安定が欠かせない。押し込まれてばかりいたら、テストなど覚束ないからだ。
 

経験ある選手が招集を見送られたなかで、香川真司(28歳)はリストに入っている。
 

ケガの影響で9月のアジア最終予選に出場しなかった彼は、代表チーム内での役割がいまひとつはっきりしていないところがある。具体的に言えば、長谷部が戦列に復帰し、井手口陽介(21歳)が台頭してきたここ数試合の中盤で、香川をどのように生かすかの答えを探しておきたいのだ。ハリルホジッチ監督としても、井出口や山口蛍(26歳)とのフィット感を、確認しておきたいに違いない。
 

ピッチに立つ選手に求められる「明確な解答」

小林祐希
ジュビロ磐田時代の小林祐希(写真:アフロ)

香川と同じ攻撃的なMFでは、小林祐希(25歳)も招集されている。
 

9月の最終予選では出番がなかったものの、所属先のヘーレンフェーンではしっかりとゲームに絡んでいる。彼もまた、ハリルホジッチ監督のもとでは役割が明確でない。FWにリストアップされた武藤嘉紀と杉本健勇にも共通するが、彼ら92年生まれの世代が力を示すことは、ロシアW杯へ向けたチームの底上げに直接的につながっていく。ピッチ上で存在感を発揮してほしいところだ。
 

今回のメンバーには、昨夏のリオ五輪に出場した選手が6人含まれている。GK中村航輔(22歳)、DF植田直通(22歳)、MF遠藤航(24歳)、井出口、FW久保裕也(23歳)、浅野拓磨(22歳)だ。
 

井手口陽介(左)と浅野拓磨
W杯最終予選で、井手口陽介(左)と浅野拓磨を起用し、その2人が結果を残した(写真:JFA/アフロ)

井手口、久保、浅野の3人は、W杯アジア最終予選で結果を残した。一方で、遠藤は出場機会を得てきたがポジション奪取に至らず、中村と植田はチャンスを待ち続けてきた。
 

この世代も台頭もまた、チームを活性化させていく。ハリルホジッチ監督は「2試合とも違うメンバーで戦い、チャンスを与えたい」と話した。対戦相手の実力は率直に言って物足りないが、だからこそピッチに立った選手には明確な解答が求められる。

 

■キリンチャレンジカップ2017

vs ニュージーランド代表
日時:2017年10月6日(金) 19:20 キックオフ(予定)
会場:愛知・豊田スタジアム

vs ハイチ代表
日時:2017年10月10日(火) 19:30 キックオフ(予定)
会場:神奈川・日産スタジアム

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