世界最大級の旅の祭典、過去最高の出展数に
世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2017」が9月21日から24日まで、東京ビッグサイトで開催された。今回は全国47都道府県と世界130以上もの国と地域から、過去最高となる1300以上の団体や企業などが出展。特に、23日と24日の一般デーには、旅行の情報収集などを求めて多くの来場者が訪れた。
ツーリズムEXPOジャパンでは例年、日本と海外で大きく分かれ、それぞれエリアごとに地元の観光局や航空会社などがブースを出展し、旅行会社やホテル・旅館、留学などのコーナーもある。世界のグルメや全国のご当地丼が食べられるフードコーナーは毎年人気が高い。また、イベントの主催が、日本観光振興協会、日本旅行業協会に加え、昨今の訪日(インバウンド)人気もあって今年から日本政府観光局も加わった。
筆者がこのイベントを訪れるのは、今回で4年連続4回目。会場では、例年とは異なる旅行業界のトレンドがいくつか見られた。
海外で注目の観光地は「ロシア」「中東」
海外のブースが一堂に集まるエリアで、まず目についたのが「ロシア」。これまでロシアは観光ビザがないと入国できず、日本人にとって“近くて遠い国”という印象だったが、2017年8月からウラジオストクがある極東エリアでは事前にWEBでビザを申請するだけで入国できる「ビザ簡素化」を開始。2018年はロシアでサッカー・ワールドカップも開催されるのもあり、例年以上に観光アピールに力を入れている印象を受けた。
また、「中東」では、エジプトやイラン、チュニジア、オマーンなどが出展。特に、エジプトは今年10月29日から成田-カイロの直行便が週1便で再開する。エジプトは日本人観光客に根強い人気があり、ギザのピラミッドをはじめとする世界遺産が多いエリアの治安維持に国を挙げて取り組んでおり、遺跡が多い場所などのパンフレットを配布してPRに努めていた。
近場では「韓国」「台湾」のブースが、特に大きく展開。韓国は、来年に開催される平昌冬季五輪の見どころなどを紹介し、チェジュ航空が“K-POPの王様”とも言われる東方神起を全面にアピールするなど、どのコーナーもずっと賑わっていた。台湾では、台湾のグルメに特化したコーナー、また「台東」エリアが単独ブースを出していて、台北や高雄といった日本人がよく訪れる定番の台湾観光にとどまらない観光誘致に取り組むのが見られた。
国内では新たに「産業観光」「アニメツーリズム」、VR体験も人気
一方、国内のブースが集まるエリアでは、北海道と沖縄が例年通り、大きなスペースを占め、一般来場者にも人気。また、工場やものづくりといった「産業観光」、日本に8ヶ所ある「国立公園」に加え、今年8月に発表された全国88ヶ所のアニメの聖地を紹介する「アニメツーリズム」コーナーも新たに設置された。
「VR」を使って観光地などを手軽に“仮想体験”するコーナーが、海外と国内それぞれのブースでよく見られ、実際にいくつかのブースで体験してみると、昨年よりも精度が上がってリアルさがより感じられた。さらに、インスタグラムをはじめとするSNSでの発信を意識したフォトスポットを設置するブースもあった。
今回、「見つけよう。旅の『新しいカタチ』。」がテーマであったように、これまでの日本人の旅行における定番スタイルにとどまらない、行き先も旅の目的もより多様化してきているのに合わせた、新たな旅先やテーマなどがこれまでよりも提供されてきているのを感じた。2018年も9月20日から23日まで、東京ビッグサイトで開催予定だ(22日と23日が一般デー)。
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