道後温泉に別館「飛鳥乃湯泉」が誕生!飛鳥時代をイメージした湯屋

道後温泉別館「飛鳥乃湯泉」がオープン。大浴場や5つの個室、皇室専用浴室を再現した特別浴室、本館にない露天風呂など見どころが多い。道後エリアでさまざまなアート作品が展開される「道後オンセナート2018」も旅館や街並みなどでプレオープン中だ。

道後温泉本館から徒歩1分、道後温泉に待望の新施設オープン

道後温泉別館としてオープンする「飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」。夜のライトアップされた外観も美しい。


愛媛県松山市にある道後温泉本館の別館として「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」が新たに完成し、9月26日午前7時からオープン。飛鳥乃湯泉は道後温泉本館から徒歩1分、道後温泉椿の湯に隣接する。
 

飛鳥乃湯泉の外観には、飛鳥時代の596年、道後温泉を聖徳太子が訪れたという伝説が残ることから、その飛鳥時代の建設様式を取り入れられた。大屋根には、奈良の東大寺や唐招提寺などでも見られる「鴟尾(しび)」が飾られている。
 

館内は愛媛県の伝統工芸が最先端アートとコラボレーション

エントランスは、空気を浄化するゼオライト和紙を使った「山門」をテーマにしたシェード。


飛鳥乃湯泉のテーマは「太古の道後」。道後温泉にまつわる伝説や物語などを伝統工芸と最先端アートがコラボレーションした作品で演出する。館内は、和紙や伊予絣(いよかすり)など“和”のイメージで統一され、伊予水引や伊予竹細工といった愛媛県産の伝統工芸が随所に見られるのが特徴だ。
 

飛鳥乃湯泉の大浴室。女性用の壁面には、瀬戸の海が大きく描かれたデザイン。


浴室は、大浴場に加え、道後温泉本館にはない露天風呂、皇室専用浴室の又新殿(ゆうしんでん)を再現した特別浴室を設置する。


大浴場には、国指定伝統的工芸品「砥部焼」の陶板壁画を設置し、お湯はもちろん”美人の湯”として知られる道後温泉本館と同様、全国的に珍しい加温なし、加水もしない源泉かけ流し。壁面をスクリーンとして朝夕の光の移ろいなどプロジェクトマッピングの仕組みもある。一方、露天風呂には、媛ヒノキの「デコラパネル」の雄大な山の世界を表現した装飾壁が施されている。

道後温泉にまつわる伝説を表現した個室が5室ある。写真は190年余りの歴史がある、模様を手書きで描く筒描染の「玉の石伝説」の個室。

大広間は約60畳あって広々とし、聖徳太子が道後温泉に来浴した際に詠(うた)った世界観「寿国」を表現。また、道後温泉にまつわる伝説をイメージした5つの個室は、伊予水引の白鷺伝説や今治タオルの椿の森など、それぞれ見どころがある。道後温泉ならでは、茶菓子とお茶のサービスも提供される。
 

道後温泉本館にある皇室専用浴室「又新殿」を再現した特別浴室

特別浴室のみ提供の「道後湯帳」。入浴しても重くなく、湯上がりも寒くなく、肌が透けにくい仕様となっている。紫、桃、緑の各色から選べる。


特別浴室は、道後温泉本館にある皇室専用浴室「又新殿」を再現した浴槽と休憩できるスペースがセット。着たまま入浴できる古代の浴衣「湯帳」(ゆちょう)が3色から好みで選ぶことができる。

 

利用料は大人600円から。中庭も2017年12月に完成

館内のいたるところで道後温泉のシンボル「湯玉」が見られるのも特徴の1つ。



飛鳥乃湯泉の利用料金は、1階浴室のみ大人600円(小人300円)、入浴と2階大広間の休憩室が大人1,250円(小人620円)、入浴と2階個室での休憩室が1,650円(小人820円)、特別浴室(家族風呂)が1組2,000円に加え、大人1人あたり1,650円(小人1人あたり820円)となっている。


一方、聖徳太子が詠(うた)った「椿の森」をイメージした中庭は、椿が生い茂る当時の様子を、化粧品メーカー大手の資生堂と連携して再現する。中庭は2017年12月下旬に完成予定。
 

「道後オンセナート2018」では夏目漱石の小説『坊っちやん』部屋も登場

道後の人気旅館「道後舘」にある客室では、松山が登場する夏目漱石の小説『坊っちやん』の文章を体感できる。



また、道後温泉では9月から「道後オンセナート2018」がプレオープン開催中。2014年の道後温泉本館の改築120周年を記念して開催された道後オンセナート2014を皮切りに、今回は4年ぶりとなる大規模なアートフェスティバルが道後エリアで展開される。本開催は、2018年4月14日から2019年2月28日まで。


例えば、ホテルプロジェクトとして、「道後舘」ではブックデザイナー/アートディレクターの祖父江慎さんが手がける「部屋本 坊っちやん」の見学ができ、松山を舞台にした夏目漱石の小説『坊っちゃん』の文章で埋め尽くされた客室で漱石文学に浸ることができる。

 

かつて道後公園にあった道後動物園へのオマージュとして高さ3メートルのクマが登場。彫刻家・三沢厚彦さんの作品。


なお、今回のコンセプトは「アートにのぼせろ ~温泉アートエンターテイメント~」で、約20名のアーティストが参加。道後エリアの旅館や商店街、街並みなどでさまざまなアートを見ることができる。ほかに、道後温泉本館の裏手に巨大なクマの作品が登場、美術家のイチハラヒロコさんによる恋みくじも道後エリアに初お目見えする。
 

【関連リンク】

道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)

道後温泉 公式サイト 

道後オンセナート2018

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • 世界を知れば日本が見える

    韓国の戒厳令、尹大統領はなぜ突然「乱心」したのか。野党だけではない、北朝鮮とアメリカからの影響

  • ヒナタカの雑食系映画論

    独断と偏見で「2024年のホラー映画ランキング」を作成してみた。年末に映画館で見るならぜひ第3位を

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    「あれは全て私がやりました!」 わが社の“承認欲求モンスター”をどう扱うべきか?

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅