23人のチーム編成が基本だが……

ハリルホジッチ
ハリルホジッチ監督(2016年撮影:泉 三郎)

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の決断は、「23+4」だった。
 

8月31日にオーストラリアと、9月5日にサウジアラビアとのロシアW杯アジア最終予選に挑む日本代表のメンバーが、8月24日に発表された。サッカーの国際大会は23人のチーム編成が基本で、あらかじめ発表されるメンバーも23人がほとんどだ。ところが、ハリルホジッチ監督は4人多い27人を招集すると発表したのだ(メンバー一覧はこちら)。
 

ハリルホジッチは万全で臨むために“余白”を残した

本田圭佑
本田は新天地のパチューカでデビューしたばかり(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

理由は主力選手のコンディションにある。
 

MF香川真司(28歳)は、所属するドルトムントの今季リーグ初戦でスタメンから外れた。香川と同じくドイツでプレーするFW大迫勇也(27歳)は、リーグ開幕戦を欠場した。FW本田圭佑(31歳)は新天地のパチューカ(メキシコ)で、現地時間22日に初めてリーグ戦のピッチに立った。
 

ハリルホジッチ監督は「ポジティブな報告を受けている」と話すが、「実際に状態を見て決めたい」と付け加えた。「歴史に残る試合」と位置づけるオーストラリア戦に万全の状態で臨むために、“余白”を残したわけである。
 

長谷部や柴崎の復帰は明るい材料

一方で、明るい材料もある。
 

■キャプテンの長谷部は不安なし

長谷部
日本代表のキャプテン、長谷部誠の復帰は朗報だ(写真:アフロ)

3月と6月のゲームをケガで欠場したキャプテンの長谷部誠(33歳)が、チームに戻ってきたのだ。在籍するフランクフルトでも開幕前から実戦を重ねており、コンディションに不安はない。
 

■柴崎は戦術的なキーパーソンになる

柴崎
15年10月以来の代表招集となる柴崎(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

フレッシュな風を吹き込むタレントもいる。ともに1992年生まれのMF柴崎岳(25歳)とFW武藤嘉紀(25歳)だ。
 

スペインのヘタフェでプレーする柴崎は、15年10月以来の代表招集となる。ハリルホジッチ監督は中盤の攻撃的なポジションでの起用を想定するが、攻守両面に軸足を置くボランチでもプレーできる。ヘタフェではFWでも起用されており、戦術的なキーパーソンになるかもしれない。
 

■武藤はオーストラリアの大型DFにも臆さないはず

武藤
ブンデスリーガで屈強なDFとマッチアップしている武藤(写真:Shutterstock)

武藤も複数ポジションに対応する。ハリルホジッチ監督の構想では左ウイングの候補だが、所属するマインツでは1トップが基本ポジションだ。彼もまた、戦術的な選択肢を広げてくれる期待を抱かせる。
 

ブンデスリーガで屈強なDFとマッチアップしている武藤だけに、大柄なオーストラリアのDF陣に臆することもない。付け加えれば、やはり大型DFの多いイラン相手に、15年10月のテストマッチで得点をあげていることも、ハリルホジッチ監督の記憶に刻まれているのかもしれない。
 

■初選出の杉本はJ1得点ランキング2位

杉本健勇
初選出の杉本健勇(写真:フォトレイド/アフロ)

FW陣では杉本健勇(24歳)にも期待が集まる。187センチの長身ストライカーは、セレッソ大阪でJ1得点ランキング2位の得点をあげている好調さを買われ、初の代表入りを果たした。現時点では大迫と岡崎慎司(31歳)に次ぐ第3のFWだが、大迫のコンディション次第ではピッチに立つ可能性もある。
 

影のキーマンはオーストラリアでプレー経験のある髙萩

髙萩
オーストラリアでもプレー経験のある髙萩。写真はFCソウル時のもの(写真:Shutterstock)

オーストラリア戦の影のキーマンとして、髙萩洋次郎(31歳)の名前をあげておきたい。FC東京でゲームキャプテンを務める彼は、15年にオーストラリア・Aリーグで半年間プレーした経験がある。その後は韓国のFCソウルで、1シーズン半にわたってプレーした。
 

オーストラリアのサッカーに馴染みがあり、フィジカルコンタクトの激しい韓国のサッカーにも触れてきた髙萩の経験は、日本人選手のなかでも特別と言っていい。加えて、183センチとサイズも申し分ない。複数ポジションをこなせる柔軟性もある。スタメン入りはともかく、大切な役割を担うかもしれない。
 

グループ首位に立つ日本。残り2試合のどちらかで勝てば……

残り2試合の現時点でグループ首位に立つ日本は、オーストラリアかサウジアラビアのどちらかを下せば、W杯に出場できる2位以内を確保できる。ただ、日本が31日にオーストラリアと対戦するのに対して、サウジアラビアは2日前の29日にUAEとのゲームを消化する。日本より試合間隔に余裕があるなかで、最終戦をホームで戦うのはサウジアラビアのアドバンテージと言っていい。
 

それだけに、日本は31日のホームゲームでW杯出場をつかみたい。埼玉スタジアムを舞台とするオーストラリア戦は、紛れもない大一番である。
 

■日本代表メンバー

<GK>

川島永嗣(FCメス/フランス)
東口順昭(ガンバ大阪)
中村航輔(柏レイソル)

<DF>

長友佑都(インテル・ミラノ/イタリア)
槙野智章(浦和レッズ)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
酒井宏樹(オリンピック・マルセイユ/フランス)
酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)
昌子源(鹿島アントラーズ)
植田直通(鹿島アントラーズ)
三浦弦太(ガンバ大阪)

<MF>

長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)
髙萩洋次郎(FC東京)
香川真司(ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
山口蛍(セレッソ大阪)
小林祐希(SCヘーレンフェーン/オランダ)
柴崎岳(ヘタフェCF/スペイン)
井手口陽介(ガンバ大阪)

<FW>

岡崎慎司(レスター・シティー/イングランド)
本田圭佑(CFパチューカ/メキシコ)
乾貴士(SDエイバル/スペイン)
大迫勇也(1.FCケルン/ドイツ)
原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
武藤嘉紀(1.FSVマインツ05/ドイツ)
杉本健勇(セレッソ大阪)
久保裕也(KAAヘント/ベルギー)
浅野拓磨(VfBシュツットガルト/ドイツ)
 

■日本代表スケジュール

  • 日本代表 vs オーストラリア代表
    日時:2017年8月31日(木) 19:35キックオフ(予定)
    会場:埼玉スタジアム2002
    テレビ中継:テレビ朝日系列/NHK-BS1(18:30~)
  • サウジアラビア代表 vs 日本代表
    日時:2017年9月5日(木) 20:30キックオフ(予定)
      (日本時間:26:30キックオフ(予定))
    会場:キング・アブドゥラー・スポーツ・シティー(サウジアラビア)
    テレビ中継:テレビ朝日系列/NHK-BS1