「共謀罪」法案と国際組織犯罪防止条約の関係は?

犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案といわれていた改正組織犯罪処罰法が11日、施行されました。これを受けて政府は、同法の必要性の根拠としていた国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結すると閣議決定しました。

参照:「共謀罪」根拠条約締結へ 法施行受け閣議決定(共同通信)
 

国際組織犯罪防止条約とは? 共謀罪とは? 専門家の話をまとめました。
 

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共謀罪とは何?

共謀罪と国際組織犯罪防止条約については、塾講師で学習アドバイザーの西村創氏がAll Aboutの『今さら聞けない「共謀罪」法案をわかりやすく解説』で解説をしています。
 

共謀罪とは、「犯罪組織が犯罪の計画を立てた段階で罪になる」というものです。たとえば、国際テロ集団による爆破、暴力団による殺傷や、いわゆる振り込め詐欺のような組織的犯罪などを実行する前の段階での検挙・処罰することが可能になり、国民の被害を未然に防ぎやすくするための法案だといいます。
 

国際組織犯罪防止条約とは?

国際組織犯罪防止条約とは、2000年に国連総会で採択された「国際組織犯罪防止条約」という国境を越える犯罪を防ぐための条約。西村氏によると、この条約には187国が加盟していますが、日本はまだ加盟できていませんでした。というのも、条約を締結するには「共謀罪」を成立させるという条件をクリアする必要があったからです。
 

政府は「条約に締結すれば、各国協力のもと、国境を越えて暗躍する国際テロ集団を封じ込めることが可能になり、また日本国内でテロを起こされるリスクを減らせる」と説明していたと西村氏は述べます。
 

一方の民進党は、「国際組織犯罪防止条約は、もともとマフィアや暴力団が行うマネーロンダリングや人身売買を処罰することを目的としてつくられた条約で、テロ対策とは関係ない」と説明していました。さらに、国連が出している条約立法ガイドには、「新しい犯罪の創設や実施は各締約国に委ねられている」と書いてあり、日本は組織犯罪処罰法を改正しないままで条約に加入すべきだと主張していました。
 

共謀罪で何が規制される?監視社会になる?

共謀罪に関しては、「準備行為」がどこから規定されるのか、市民運動や企業活動が統制されるのではないか、監視社会になるのではないか、という懸念の声も聞かれています。弁護士の今西順一氏はAll About NEWSの『「共謀罪」とは何?SNSで監視される?法案の内容をわかりやすく解説』で説明をしています。
 

■「準備行為」とは?

今西氏によると、条文では、実行準備行為の例示として、資金又は物品の手配と関係場所の下見と規定しているようです。

「もちろん、これは例示ですから、その他どんな行為でも実行準備行為に該当する可能性はあります」(今西氏)
 

■市民運動や企業活動が統制される?

組織的犯罪集団とされていますので、暴力団、詐欺集団が対象で、国民の一般的な社会生活上の行為が対象にはならないようにも読み取れます。しかし、今西氏によると過去の最高裁の判例から団体であれば対象となる可能性があると指摘しています。
 

■法律の施行=監視社会になってしまう?

犯罪の計画とその実行準備行為が捜査の対象になるため、メールやSNSでのやり取りも捜査対象になりますが、これらは通常の犯罪でも捜査対象となっているので大きく変わるということでもないと今西氏はした上で、「捜査機関に捜査の取っかかりを広く与える以上、捜査が行われるなかで、対象者のプライバシー等の人権侵害が発生することは避けられません」と述べています。
 

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