6歳未満はチャイルドシート装着が義務
警察庁とJAFが2017年のチャイルドシート使用率データを公表した。チャイルドシートの装着率は2000年4月の義務化を機に大きく伸びて以来、「違反点数1点、反則金なし」という比較的軽微なこともあってか、ここ数年は70%を超えていない。
チャイルドシートの重要性は言うまでもなく、使用しなければ、万一の事故時に子どもが後席から前席に飛び込んでくる、車外飛び出しなど、重大事故に直結する可能性が高い。
なお、バスやタクシーなどに乗っている、後席に装着できない古いクルマなどの例外をのぞき、チャイルドシートの装着はドライバーの義務。6歳未満が使用義務の対象となっている。それ以上の年齢でも身長140cm以下の場合は、通常のシートベルトが届かず、正しく機能しない。身長140cmを超えるまでは、ジュニアシートを装着すべきだ。私も子どもが2人いて、1人はチャイルドシートを卒業してジュニアシートを、もう1人はチャイルドシートを装着している。
さて、警察庁とJAFによると、2017年の6歳未満の「チャイルドシート乗車状況」は、チャイルドシートを使用しているのが64.1%、シートにそのまま着座が20.2%と続いている。
また、チャイルドシートを装着していても、正しい取付ができていない例が多く、ミスユースも59.3%と6割近いという現状が何年も続いているのだ。さらに、チャイルドシートに「正しく座らせているか」という項目でもミスユースは51.9%と半数を占めている。小さな子どもをチャイルドシートにおとなしく乗せるのは難しいのも理解できるが課題は多い。
JAFや警察庁などは、チャイルドシートの装着率向上やミスユース撲滅に力を注いでいるが、残念ながら装着率はあまり伸びていない。
シートベルトのように取り締まりを強化すべき!?
同じくJAFによると(2016年シートベルト着用率データ)、シートベルトの着用率は、運転席が98.5%、助手席が94.9%、後席が36.0%と少なくても前席の着用率はかなり高くなった。
その背景にあるのは、安全への意識が高まったのはもちろん、やはり警察の目、つまり取り締まりの成果があるはず。一方であくまで私の印象に過ぎないが、ほかの違反と比べると、チャイルドシートに関しては熱心に取り締まっているようには思えない。
チャイルドシートは、装着しなくていい例外があり、さらに減らないミスユース、という問題もあるから、取り締まりの強化だけでは根本的な問題解決にはならないだろう。
それでも、これだけ装着率が伸びない状況が続くようだと、これはあくまで私見だが、ほかの違反よりも緩く感じるチャイルドシートの取り締まり強化がされる日が来るかもしれない。