浸水や土砂災害、河川の増水などに要注意
気象庁は20日、西日本から東日本の太平洋側を中心に、21日にかけて雷を伴った非常に激しい雨が降り、大雨となると発表しました。低い土地の浸水や土砂災害、河川の増水や氾濫に警戒し、落雷や竜巻などの激しい突風に注意するよう呼び掛けています。
ウェザーマップなども猛烈な雨になるとして警戒をしています。
参照:
- 九州から関東で大雨か 空梅雨続く地域にも(共同通信)
- 〔梅雨大雨〕あすにかけて西~東日本の太平洋側で局地的に猛烈な雨のおそれ(レスキューナウ)
- 21日は西日本から東日本の太平洋側で大雨のおそれ(ウェザーマップ)
東シナ海から日本の南にのびる梅雨前線などの影響のようで、すでに九州南部・奄美地方では、雷を伴い非常に激しい雨が降り、大雨となっているところがあります。
21日18時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多いところで以下の予想となっています。
- 四国地方 300ミリ
- 近畿地方、東海地方 250ミリ
- 九州南部 180ミリ
- 奄美地方、関東甲信地方 150ミリ
低い土地の浸水や土砂災害、河川の増水や氾濫に警戒してください。
どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
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洪水被害にあう前に…事前にすべきことは?
災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏はAll Aboutの『都市型洪水の危険に備えて』の中で、梅雨の長雨時には洪水の危険は増すとした上で「『これまで大丈夫だったから』は通じません」と述べています。
河川流域に住宅を持つ人やハザードマップで洪水被害が懸念される地域に住む人は、リスクを考えて、ライフジャケットなどの装備を持つことも検討するようにとしています。
事前の準備としてすべきことは以下の通り。
- 各自治体に置いてある洪水ハザードマップを手に入れ、自宅や勤務先の近辺の洪水害発生危険性を把握しておく
- 洪水が発生したときの避難経路を家族で確認しておく(地域の高低差を調べる)
- 低平地部では宅地の盛土をしておくか、2階建てなどの避難室を準備する
- 大雨時や台風接近時には、テレビ・ラジオ・有線放送などに耳を傾け、洪水警報に関する情報に注意する
洪水が発生したら
洪水が発生したらどのように行動すれば良いのでしょうか。和田氏は以下のようなことを上げています。
- 危険と感じたらすぐ自主避難を
- 避難する際には、高台の方向に(事前確認が重要)
- 水深が腰まである場合、無理せず高い所で救助を待つ(安全に大人が避難できるのはヒザ上程度まで)
- 家族や近所の人とはぐれないようお互いを長いロープで結んで避難する
- 長い棒を使って、水面下の安全を確認(冠水した道路を歩行中、マンホールや溝に気が付かずに落ちて溺死するケースが)
- 子供やお年寄り、体の不自由な人は背負う
- 浮き輪、ライフジャケットなどを用意しておく
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ハザードマップだけでは分からないリスクも?
住んでいる地域の危険性については、ハザードマップを確認することが重要ですが、それだけでは危険をすべて把握できるとは限らない場合があります。これについては一級建築士の井上恵子氏がAll Aboutの『土砂災害の種類と危険度を知る』で解説をしています。
井上氏によると、ハザードマップとは、ある場所で自然災害が発生したときに、被害を受けるであろうと想定した範囲を地図上で表したもので、危険箇所を色分けしたり、避難場所や避難時の心構えなどが掲載されたりしています。
古くからなじみのある地名にも防災の知恵が
たとえば、ハザードマップには「土砂災害警戒区域」や「土砂災害特別警戒区域」が掲載されますが、これらに指定されていなくても危険性が高い場所が存在するからだといいます。
「土砂災害法で定められた『土砂災害警戒区域』や『土砂災害特別警戒区域』に指定されてはいないものの、危険性が高いと判断された場所を『土砂災害危険箇所』とし、公表している自治体もあります。こちらも確認しておく必要があります」(井上氏)
また、その土地に昔から伝わる言い伝えや民話、古くからなじみのある地名にも防災の知恵が隠されている場合があるので、地名を確認してみるのも良いかもしれません。
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今回の雨では、突風や竜巻、落雷などにも注意が必要と言われています。
強風の対策については『関東各地で強風… 激しい突風や竜巻の被害に備える5カ条とは』の記事なども確認をしておきましょう。
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