「キッズウイーク」の導入、有給取得率アップへ……
菅義偉官房長官は5日の記者会見で、有給休暇の取得増に政府として取り組む考えを明らかにした。これまでよりも3日増を目指すといい、政府として近く、休み方改革に関する官民の総合推進会議を設置するという。また、政府が導入を目指す「キッズウイーク」などについても検討するという。
政府は2016年3月に策定した観光戦略「明日の日本を支える観光ビジョン」で、有給休暇取得の3日増や、2020年までに取得率70%を目標として掲げているが、2016年の厚生労働省の調査によると、取得率48.7%となっている。
参照:政府、有給取得3日増へ取り組み 「極めて重要」と官房長官(共同通信)
積極的に取得したい!でも「休みにくい」という人へ
政府が官民連携でより有給取得を促していくこととなる。一方で、有給休暇を積極的に取得したいと思っていても「休みを言い出しにくい……」という人もいるのではないだろうか。これに関連し、ビジネスマナーに詳しい美月あきこ氏がAll Aboutの『罪悪感なく休暇が取れる!マナーとお願いの方法』で休みの取り方とマナーについて解説している。
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休暇取得のタイミングと方法
まずは休むタイミングの選び方や打診の仕方を確認したい。
■休みの時期の選び方
美月氏によると、忙しい時期に休むのはルール違反であり、仕事のスケジュールを見て、判断してほしいとしている。
■休みのお願いの仕方
「このあたりでお休みをいただきたいのですが、差し支えないでしょうか」と先輩や上司に相談する形で打診する。
特に、長い休みになる場合は、早めに相談すること。
万が一先輩や上司が同じ時期に休むとしたら……
もし、先輩や上司が同じ期間に休暇を取る予定であれば、なるべく譲る姿勢を見せるようにした方が良いという。特にゴールデンウィークなど飛び石連休になるような場合は、他の人たちがどういう休み方をするかによって、柔軟に対応することを考えたい。
「譲りたくない気持ちはわかりますが、社会人として考えなくてはいけないのは、業務に差し支えないかどうかです」(美月氏)
トラブルを防ぐために!休む時の注意点
実際に休む際は以下の点に注意をしたい。
■不在時の連絡先など事前告知を忘れずに
取引先や社内から連絡が入ってくる予定がある場合は、休みに入る前に「いつから、いつまで不在にします。いつには出社し、不在の間の連絡先は○○までお願いいたします」と伝えておく。
■仕事を引き継ぐ人への説明はしっかりと
不在の間、仕事を引き継いでくれる人に、仕事の内容をきちんと説明する。状況や進行中の仕事、問い合わせ先、連絡待ちの事項など、考えられる内容をきちんと伝える。
■不在時に関係者が退社する場合は……
不在の間にお世話になった人や関係者が退社したり送別会などがある場合は、「出席できずに申し訳ありません」と、休暇に入る前に一言伝える。
どうしても休みたい……忙しい時期に無理を承知で休むには
忙しい時期だけど、どうしても休みたい場合は、普段の勤務態度と周囲の人とのコミュニケーションが物を言うと美月氏は述べる。
普段から、遅刻・欠勤をしないのはもちろん、よく人の仕事を手伝ったり、誰かが休んだときには仕事上のフォローをきちんとしてあげたり、「あなたが、この時期休むというのなら、よっぽどのことでしょう。いいですよ」と思ってもらえるようにしておくことが重要だという。
次の休みをお取りやすくするために、注意すべきこと
次の休みも取りやすくするためには、休み明けの出勤で以下のポイントに気をつけたい。
■遅刻・欠勤は厳禁
休暇疲れや、時差ボケ、前日のフライト時間が遅れたなどで、休み明けの遅刻は厳禁。まして、「もう1日休みます……」なんてことはないように。
■お礼やお詫びのあいさつを忘れずに
休んだことで周囲の人に多少の迷惑がかかる。必ず「ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えたい。お土産を持参しておくと、初日のコミュニケーションツールとなる。
■気持ちをスッパリ切り替える
休みが長いとなかなか仕事モードに切り替えるのに時間がかかるが、気持ちを切り替えて、普段以上に集中したい。
「休みを取得するのは権利とはいえ、職場の人たちから気持ちよく休暇に送り出してもらい、また休暇明けに職場に戻ったときには『楽しかった?』と聞いてもらえるような人間関係を保ちたいもの。ルールやマナーを守り、楽しい休暇にしましょう」
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