浜田ブリトニーが手術へ…子宮頸部高度異形成とはどんな病気?

漫画家でタレントの浜田ブリトニーが1日、自身のブログを更新し、「子宮頸(けい)部高度異形成」と診断され、2日に手術を受けることを明かした。

浜田ブリトニーが2日、手術を受けることを明かす

漫画家でタレントの浜田ブリトニーが1日、自身のブログを更新し、「子宮頸(けい)部高度異形成」と診断され、2日に手術を受けることを明かした。
 

ブログによると、半年前に避妊用のピルを貰いに婦人科に行った際に、医師から子宮頸がんの検査を勧められ、検診を受けた結果、「子宮頸部高度異形成」が見つかったという。また、円錐切除術の手術を受けると述べている。
 

浜田のブログでも症状について説明をしているが、「子宮頸部高度異形成」とはどのような病気なのか、またどのような手術を受けると考えられるか整理をしたい。これに関しては、日本産科婦人科学会専門医の藤東淳也氏がAll Aboutの『子宮がん検診で「要精密検査・再検査」結果だったら』『妊娠中の子宮がん検診で異常が見つかったらどうするか』で説明をしている。

 

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そもそも子宮頸がんとは何か?

子宮頸部高度異形成のことを理解する前に、子宮頸がんについて知っておきたい。
 

子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部に「がん」ができる女性特有の病気で、藤東氏によると女性に起こるがんとしては世界的に、乳がんについで発症率、死亡率ともに第2位だという。
 

子宮頸がんは、発がん性のヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの持続的な感染がおもな原因となって起こる。HPVは主に性交渉により人から人に感染するもので、特別な人だけが感染するわけではなく、性交渉の経験のある人なら誰でもHPVに感染する可能性がある。
 

子宮頸がんになる前に「異形成」という状態がある

子宮頸がんは、正常な細胞が徐々に変化していくもので、がん細胞になるまでの間に「異形成」という状態がある。
 

HPV感染→軽度異形成→中等度異形成→高度異形成(前がん状態)→上皮内がん(ごく初期のがん)という形でがんが発生していくといい、がんになるまでには通常5~10年以上の長い時間がかかると藤東氏は説明する。
 

つまり、浜田はこの「高度異形成」の段階にあるということだ。
 

初期症状はほぼない!検診を受けることが大事

子宮頸がんは、初期には症状がほとんどないのだという。
 

「自分で症状を感じる頃には病状が進行していることが少なくありません。しかし、子宮がん検診を受けることで、がんになる前の前癌病変、あるいはごく初期のがんの段階で発見することができます。早期に発見できれば、子宮を摘出することなく治療することも可能です。しかし、発見が遅れると、大切な子宮を失うばかりか、命を落とすことにもなりかねません」(藤東氏)
 

なお、子宮がん検診では、問診、視診(内診)、細胞診がセットで行われる。
 

子宮がん検診の結果が「要精密検査・再検査」であった場合

一般的に、検診を受けた人の95%は陰性。5%は疑陽性または陽性だが、このうちの20%が異形成、さらにそのうちの10分の1~半数が子宮頸がんと診断されるという。
 

「子宮がん検診で異常を指摘されると、やはりびっくりして心配される方が多いのですが、実際にがんと診断されるのはその中でもごく少数で、大部分は自然に消える可能性のある異形成や良性の異常です。要精密検査=子宮頸がんではありません」
 

子宮頸がん検診の「細胞診」で異常な細胞が見つかった場合、細胞の様子をさらに詳しく調べるために精密検査が必要となる。
 

浜田ブリトニーも受ける「円錐切除術」とは?

精密検査の結果、高度異形成、上皮内がん、および、ごく初期のがんの場合、子宮頸部の異常な組織を取り除く「円錐切除術」を行うという。浜田もこの手術をうけることを明かしている。
 

円錐切除術は、子宮頸部をレーザーや高周波メス(電気メス)で円錐状に切りとる手術。手術時間は一般的には5~10分程度で、2泊3日程度の入院で行われるが、日帰り手術で行っている施設もあるという。
 

なお、円錐切除術では子宮を摘出しないため、術後も妊娠・出産が可能。しかし、頸部が切除されるため子宮口が広がりやすくなり、流産の危険性がわずかではあるが高くなると藤東氏は述べる。
 

また、円錐切除術で切り取った組織を詳しく検査した結果、進行した子宮頸がんであることがわかった場合には、より積極的な治療が必要になること場合もあるようだ。
 

検診を受けていて「異常なし」だったら?

検診

なお、検診を受けていて「異常なし」であったとしても、子宮頸がんの原因となるHPVにすでに感染していたり、検診後に新たに感染した場合、子宮頸部に異常が生じてくる可能性はあるという。
 

「検診で異常が発見されなかった場合でも、少なくとも1~2年に1度は検診を受けることが大切です。定期的に検診を受けていれば、がんになる前の前がん病変で発見することが可能です」
 

検診を受けて異常がなかったからといって安心せず、定期的に検診を受けることも、自分の身を守るためには重要ということだ。まずは、婦人科検診を受けるところから始めてみてほしい。
 

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