全国有数の桜の名所「吉野山」が桜色に染まる

全国有数の桜の名所として知られる奈良県吉野町の吉野山の「上千本」の桜が見頃を迎え、満開の桜を見ようと大勢の花見客が訪れている。4月18日、下千本から吉野山の最も奥に位置する奥千本まで歩き、桜の開花状況を確認してきたのでレポートする。

奈良・吉野山の「上千本」で桜が見頃を迎える

全国有数の桜の名所として知られる奈良県吉野町の吉野山の「上千本」の桜が見頃を迎えている。
 

吉野山と言えば、太閤秀吉が盛大な花見を催した場所としても知られる。桜の本数は全山でおよそ200種3万本と言われ、その多くは「シロヤマザクラ」という桜の原種とされる種類だ。

 

上千本「花矢倉展望台」からの眺望
上千本「花矢倉展望台」からの眺望

 

吉野山で桜の咲く場所は、近鉄「吉野」駅付近の下千本から順に、山上に向かって中千本、上千本、奥千本と呼ばれ、奥千本付近の標高は700m以上に達し、下千本付近との標高差は500m以上もある。そのため、吉野山では例年、4月上旬頃~5月上旬頃という長い期間にわたって桜を楽しむことができる。

 

4月18日現在、下千本は葉桜、中千本も散っている木が多く、見頃を迎えているのは上千本付近だった。上千本で最も人気がある「花矢倉展望台」からは、桜の咲く向こうに雄大な眺望が広がり、金峯山寺(きんぷせんじ)の大きな蔵王堂も見ることができた。

 

吉野水分神社境内のしだれ桜も見頃に
吉野水分神社境内のしだれ桜も見頃に

 

また、展望台から徒歩5分ほどの吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)境内のしだれ桜も、ちょうど満開になっていた。

 

奥千本はこれから

上千本から山道を徒歩で50分ほどの奥千本付近では、金峯神社参道の桜は見頃を迎えていた。
 

さらに奥の、鎌倉時代初期の歌人・西行法師が庵を結び、侘び住まいをした場所とされる「西行庵」付近の桜は、木によってバラつきがあるものの、多くはまだ咲きはじめだった。

 

​  吉水神社境内にある「一目千本」からの眺望 [ドラッグして移動] ​
吉水神社境内にある「一目千本」からの眺望

 

なお、上千本や奥千本まで行かなくても、この時期に桜を楽しめるのが、中千本付近にある吉水神社境内にある「一目千本」という場所だ。吉水神社は、太閤豊臣秀吉が花見の本陣にしたという場所で、「一目千本」からは、中千本・上千本の桜を一望でき、山肌が桜色に染まっているのを確認できた。

 

アクセスや現地の交通など

吉野へは、大阪方面からは「大阪阿部野橋」駅から「吉野」駅まで近鉄特急で1時間20分ほど。奈良方面からは、「大和西大寺」駅から「吉野」駅まで、途中「橿原神宮前」駅で乗り換え、近鉄特急で1時間10分ほど。

 

また、吉野山の現地の交通としては、桜シーズンは通常の路線バスは運休となり、代わりに下記の臨時バスが運転されている。

 

◆【中千本行きバス】近鉄吉野駅~如意輪寺前~吉野中千本公園(3月25日~5月7日まで、奈良交通バスが運行)
料金:大人360円
時間:9:10頃~16:30頃まで、随時運行

奈良交通株式会社ホームページ

◆【奥千本行きバス】竹林院前~奥千本口(3月25日~5月7日まで、吉野大峯ケーブルが運行)
料金:大人400円
時間:およそ20分毎の運行(上り竹林院前発最終14:30、下り奥千本口発最終16:00)

吉野大峯ケーブルホームページ

 

中千本行きバスの終点(吉野中千本公園)から奥千本行きバス乗り場(竹林院前)へは、徒歩5分ほどで、バスを乗り継げば、近鉄の「吉野」駅から奥千本まで、バスで直接行くこともできる。
 

このほか、吉野山には現存する中では日本最古というロープウェイ(ケーブル)もあるが、距離は短い。

 

モデルコースとしては、登りはロープウェイと徒歩で奥千本まで桜を見ながら歩き、下りはバスを利用する、または逆に、奥千本までバスを使い、歩いて下山するかの、いずれかがオススメだ。

吉野山交通マップ

 

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