広島の一部地域で避難準備情報も…
気象庁によると、18日にかけて、前線を伴った低気圧が急速に発達しながら日本海を北東に進む見込みという。この低気圧や前線に向かって、南から暖かく湿った空気が流れ込むため、西日本から東日本の太平洋側を中心に、大気の状態が非常に不安定となることが予想される。
海上を中心に非常に強い風が吹き、海がしける恐れがあるほか、西日本から東日本の太平洋側を中心に局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降る見込みだ。すでに、西日本では非常に激しい雨が降っているといい、広島市の一部地区では避難準備情報が出ている。18日は北日本でも大雨の恐れがある。
同庁は、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に警戒するよう述べている。また、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意が必要で、発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めるよう呼び掛けている。また、融雪やなだれにも注意が必要そうだ。
桜前線が北上したこの季節は「春の嵐」が吹きやすい
こうした気象情報に、各メディアが「春の嵐」と表現しているが、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏もAll Aboutの『春の嵐(メイストーム)は超危険?知っておきたい対策』で桜前線が北上したこの季節は「春の嵐」(メイストーム)が吹きやすく、不安定な天候が続きやすくなると述べている。どのような情報に注意を払い、対策を講じればよいのだろうか。
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「春の嵐」はどんな気象条件において起きるのか
春は「季節の変わり目」であることから、大陸からの寒気と太平洋側からの暖かい空気がぶつかる傾向があるという。その温度差が大きくなることによって、低気圧や積乱雲が急速に成長し、まるで台風のような強風が吹き、豪雨、雷、ひょうなどの気象現象をもたらし、場合によっては竜巻などの局所的な強風による大きな被害が発生する。
この春の嵐(メイストーム)と呼ばれる現象は、夏期に起きる台風などよりも広範囲に影響を及ぼし、時に日本列島全体にまで広がる場合があるという。また、台風は、被害範囲は進行上においてほぼ限定されているため準備や対策がしやすいが、春の嵐の場合には、その成長は急速なため、発生の予測が難しい傾向があるという。短時間で急速に積乱雲が発達し、それまで晴天だったのに、にわかにかき曇り、雷雨や突風が吹き始めるという特徴もある。
どんな時にメイストームへの注意が必要になる?
メイストーム特有の天気を予測は難しいというが、和田氏は「春の嵐が吹くような気象状況を天気予報が伝える時のキーワードで『大気が不安定』という言葉がある」とし、この言葉を聞いた際は春の嵐になる可能性があるということを覚えておきたい。なお、今回も気象庁は「大気が不安定」としているので、注意が必要となる。
「春の嵐」が予想された時の対策は?
基本的に室内に退避していればまずは問題ないというが、対策には以下のようなものがあるという。
■屋外にいる場合
- まだ夕方でもないのに空が急に暗くなり、湿った風が吹いてきた、遠くに雷の音が聞こえ始めた場合は注意が必要
- 車の運転中の場合は屋内駐車場に入れる
- 頑丈な鉄筋の建物内に退避する
■自宅にいる場合
- 自宅で天候の急変が予測された場合には、早めにテラスにある植物などを室内に入れ、飛来物のないようにする
- 雨戸を閉めるなどの強風対策をする
- 強風が吹いて窓が割れるなどの被害を受けた場合には、風下の部屋(ない場合には風呂、トイレなど)で風が収まるのを待つ
【関連リンク】
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