新東京支社長のアカイ氏、TK利用者数の回復に強い意欲
トルコと世界各地を結ぶターキッシュ エアラインズ(TK)の新たな東京支社長にこのほど、メフメット・アカイ氏が就任した。アカイ氏は4月4日、東京都内で記者会見を行い、「昨今のテロ事件によってトルコおよびヨーロッパへの旅行需要が減っている。もっと日本人に旅をしてもらいたい」と強く語り、2020年の東京五輪を見据えた羽田への新規就航も視野に入れ、搭乗客数の回復に意欲を見せた。
ターキッシュ エアラインズは就航国数が世界トップ、サービスや機内食などで数々の賞を受けるなど国際的に高い評価を受けているエアラインの1つ。
インバウンドの需要増、ピーク時は機材を大型化
ターキッシュ エアラインズは、東京(成田)-イスタンブールを1日1往復毎日運航する。以前は成田線を1日2便、また大阪(関西)-イスタンブールも運航していたものの、テロ事件などによる利用者数が減ったことで成田線は減便、大阪線は2017年1月末に運休している。
その成田線は現在、エアバスA330-300型機(約290席)で運航しているが、ゴールデンウィークや夏休みなどのピーク時はボーイング777-300ER(約350席)に変更して機材を大型化する予定。ターキッシュエアラインズによると、直近の搭乗率は8割を超え、インバウンド(訪日)の需要が多いという。
羽田の発着枠が得られ次第すぐに就航したい
今後の目標として、2020年の東京五輪を見据えた羽田への新規就航を挙げ、現在交渉中であることも明らかにした。「羽田空港での希望する時間帯のスロットがあればすぐにでも就航したい」といい、現在の成田と合わせて羽田とそれぞれ1便ずつ、可能ならば羽田のみ2便にし、首都圏からの便を以前の2便体制に戻したいとのこと。運休した大阪線についても、2、3年は様子を見て復活したい意向もあると語っていた。
また、日本人旅行者に人気が高まっているバルカン半島へ乗り継ぎで行くのに、ターキッシュ エアラインズの利便性が高いこともアピール。日本人の利用者を再び増やしたい意欲がとても強くうかがえた。
トルコの空港は欧州では珍しいダブルセキュリティで強化
トルコおよびイスタンブールなどへの旅行、および乗り継ぎでの利用で懸念されているのが、現地での治安問題だ。昨年6月、イスタンブールのアタチュルク国際空港の国際線到着ロビー付近で自爆テロ事件も発生し、多くの死傷者が出た。
ターキッシュ エアラインズによると「現在、ヨーロッパでは珍しいダブルセキュリティ体制、空港入口と出発ロビーの2ヶ所で保安検査を実施している。国際線のターミナル内は以前と変わらない落ち着きと賑わいと取り戻している」といい、日本発着便もすべて通常通りに運航されていて警備もさらに強化していることを紹介していた。
通常の街や空港は平穏、外務省「たびレジ」登録を
日本人観光客に人気が高いイスタンブールおよびトルコは現在どうなのか。今年はじめ、ターキッシュ エアラインズを利用してイスタンブールとカッパドキアに実際に足を運んだ。率直な感想としては、テロが続いていることが信じられないほど街はいたって平穏だった一方で、軍や警察の警備が街のいたるところで見られた。日本人観光客は皆無だったが、中国人や韓国人、欧米人の観光客は意外と多く見かけた。
アタチュルク国際空港については、保安検査のダブルチェックが徹底され、ノートパソコンも電源まで入れて確認するなど厳しいチェック体制が敷かれているのを、身を持って体験した。そして、ターミナル内での乗り継ぎ客はとても多く、欧州や中東アフリカなど就航地は多岐にわたり、乗り継ぎでの利便性が非常にいい空港だと実感した。
もしもトルコへの旅行および乗り継ぎをする際の注意点としては、現地での最新情報を逐一チェックして欲しい。おすすめは、外務省の「たびレジ」への登録。Web上で登録すると、滞在先での最新の安全情報、緊急事態が発生した時に情報を受け取ることができる。トルコに限らず、海外では特に治安が悪いと言われている場所には絶対に近づかないなどの配慮も必要といえる。
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