ANA、ホノルル線のA380特別塗装デザインを「空飛ぶウミガメ」に決定

ANAは2019年から東京-ホノルルで世界最大の旅客機「A380」を導入する。これを機に、A380の特別塗装デザインが一般公募され、空飛ぶウミガメをデザインした愛称「FLYING HONU」が大賞に選ばれた。ハワイでウミガメは幸福と繁栄の象徴で神聖な生き物とされる。

ハワイで「ウミガメ」は神聖な生き物で幸せをもたらす

A380型機特別塗装デザインの大賞作品を描いた増岡千啓さん(中央)

ANAは、世界最大の旅客機であるフランス・エアバス社のA380型機を日本の航空会社として初めて3機導入し、2019年春より東京-ホノルル路線での運航を予定している。これに合わせ、A380型機への特別塗装を施すデザインを一般公募した結果、ハワイのウミガメを描いたデザインと、“空飛ぶウミガメ”という意味を持つ愛称「FLYING HONU」に決定した。
 

ウミガメは、ハワイ語で「ホヌ」の愛称で親しまれている。ANAの篠辺修代表取締役社長は「ハワイといえば海や青空などが一般的なイメージだが、ウミガメはハワイで神聖な生き物」などと紹介し、ハワイで幸福と繁栄の象徴とされるウミガメのデザインを選んだ理由を挙げた。
 

2階建ての機体にウミガメの親子が大きく描かれるデザイン

特別塗装機の愛称は空飛ぶウミガメという意味の「FLYING HONU」

「A380 ホノルル線導入記念 機体デザインコンテスト」は、2016年10月7日から11月30日にかけて実施され、国内外から2,197件もの応募があったという。
 

その中から大賞に選ばれたのは、東京都在住の増岡千啓(ちひろ)さんの作品。「ウミガメの家族」をコンセプトに「ハワイの青い海でゆったりとくつろぐホヌ(ウミガメ)の親子」を描いたといい、デザインが発表された際の会見で、「とても嬉しい。(自分の作品が)ペイントされたモデルプレーンを見て徐々に実感が沸いてきた。2年後に塗装された飛行機を見てみたい」と受賞した喜びを語った。また「自分なりのハワイのイメージは青い空と青い海で毎日が楽しい、まるで“竜宮城”のようなところ。ウミガメをモチーフにしようと思った。ハワイは家族で行って楽しい思い出ばかりなので、1匹でなく親子で描いた」とデザインした理由も披露した。
 

ANAはハワイにおけるウミガメの保全活動にも協力

ハワイは日本人観光客に根強い人気を誇るレジャー観光スポットで、特にファミリー層に人気が高い。ANAでは、ハワイでウミガメを見ると幸福や繁栄が訪れると言われていることで、この特別塗装機に乗ってハワイを旅する人々にも幸せが訪れるような願いを込めたという。子どもを連れた家族連れに人気となりそうな機体デザインだ。
 

また、絶滅危機にある世界の野生動物としてIUCN(国際自然保護連合)のリストに掲載されているウミガメのハワイにおける保全活動にも今後協力していくとのこと。
 

A380は総2階建ての飛行機で、「空飛ぶホテル」とも言われている。正確な座席数や機内の詳細は未発表だが、ANAの国際線における現在の最大座席数264席(ボーイング777-300ER型機)を大幅に超える500席以上の席数となる見込み。東京-ホノルルはJALをはじめ、デルタ、ハワイアンなどが強い路線で、ANAはこのA380の導入を機に力を入れていく方針という。
 

【関連リンク】

ANA公式サイト

Airbus Japan

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