メルセデス・ベンツが2年連続で輸入車シェアNo.1を獲得できた理由

グローバルで6年連続、日本でも4年連続で過去最高の販売台数を記録しているメルセデス・ベンツ。日本では2015年、2016年の2年連続で輸入車シェアナンバー1を獲得した。そんなメルセデス・ベンツが新型SUV「GLCクーペ」を投入。ここに躍進の秘密があった。

4年連続で過去最高の販売台数を記録

2月22日に発表されたメルセデス・ベンツGLCクーペ。価格帯は、627万〜910万円

グローバルで6年連続、日本でも4年連続で過去最高の販売台数を記録しているメルセデス・ベンツ。日本では2015年、2016年の2年連続で輸入車シェアナンバー1を獲得し、従来の高級車ブランド「ベンツ」から最もポピュラーな輸入車となったと言っていいだろう。その立役者のひとつが近年力を入れるSUVだ。
 

「米国車が売れない」中、ドイツ勢は努力をしている

トランプ大統領が「日本で米国車が売れない」という趣旨の発言をしているという一部報道もあるが、逆に売れているドイツ勢などはそれなりの努力を長年してきた。
 

メルセデス・ベンツの躍進は、AクラスやBクラスなど、300万円前後で買えるモデルを拡販するとともに、定番のCクラス、上級のEクラス、Sクラスなどで従来からの顧客をしっかりと掴んでいるからだろうが、それだけでは輸入車シェアナンバー1に2年連続で輝くことはできなかったはずだ。
 

新型GLCクーペの発表と同時に、ポーラとのコラボも発表された。六本木の「メルセデス・ベンツ コネクション ネクストドア」において2月23日〜5月21日まで無料のトークイベントや、美をテーマにしたランチやカフェなどが用意される

長年、トップの座に君臨してきたフォルクスワーゲンのディーゼルエンジン不正問題(日本には当該車種は導入されていない)という敵失もあったが、こうした背景に加えて、メルセデス・ベンツが躍進してきたのは、大型ショッピングモールでの車両展示など販売面の努力、そして相次いで導入させたSUVの人気も見逃せない。
 

絶好調メルセデス・ベンツが新型SUV「GLCクーペ」を投入

社長ら
プレス発表会には、メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長のほか、ポーラの横手喜一社長も来場

2月22日に発表されたメルセデス・ベンツの新型GLCクーペは、「CクラスのSUV」を謳うGLCをベースに、クーペの要素を採り入れたクロスオーバーSUV。GLCと比べるとニッチ(隙間)なモデルではあるが、SUVを求める都市ユーザーには大いに魅力的に映るのではないだろうか。
 

メルセデス・ベンツの躍進は、GLCクーペなど、たとえニッチなモデルでもその隙間を埋め尽くすような戦略があるのも見逃せない。
 

GLCクーペ最大の魅力といえるセクシーなリヤビューから想像すると、後席の居住性が犠牲になっていないか気になるが、大人2人が快適に座れるスペースが確保されている。
 

エンジンは2.0Lの直列4気筒ターボを搭載する「GLC200クーペ」系、2.2L直列4気筒直噴ディーゼルターボを積む「GLC220d 4MATIC」系などのほか、2.0L直列4気筒直噴ターボ+ハイブリッド、3.0L V6直噴ツインターボなども設定。
 

安全装備はGLCと同等の充実ぶりで、メルセデス・ベンツの名に恥じないもの。GLCでは飽き足らない層に訴求するGLCクーペは、大人4人の移動を可能にしながらもユーザー層はディンクスなどではないだろうか。いまや街中にあふれるSUVの中で違いを主張するなら貴重な選択肢といえそうだ。

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