2月25日に開幕するJリーグは、昨年までと比べていくつかの変化がある。以下に整理しよう。
3年ぶりに1ステージ制へ
15年、16年はシーズンを2つのステージに分け、それぞれの優勝チームが年間王者を争った。ところが、昨年のリーグで2ステージ合計で最多勝点を記録した浦和レッズが、勝点で3位の鹿島アントラーズに敗れるという歪みが生じてしまった。当初から異論の多かった2ステージ制は、新たな原資の獲得などによって1シーズン制へ移行することになる。
試合中継はライブストリーミングが軸足に!
Jリーグは2017年から26年までの10年間に渡り、J1、J2、J3リーグをライブストリーミングサービス『DAZN(ダ・ゾーン)』でライブ配信される。これにより、『スカパー!』での中継はJ1クラブが出場するリーグカップのみとなった。
地上波ではNHK総合とNHKローカル、クラブがホームタウンを置く各地方局、衛星放送ではNHKBSで放映されるが、視聴環境の軸足は『ダ・ゾーン』となる。これにより、Jリーグは10年間で約2100億円の放映権収入を得る。果たして、その使い道とは…?
クラブへの配分金、賞金などがアップ!
『ダ・ゾーン』の放映権を原資として、Jリーグはクラブへの分配金や賞金を増額する。年に一度の均等分配金は、J1のクラブなら1億8千万から3億5千万円に。J2のクラブは1億円から1億5千万円、J3のクラブは1500万円から3千万円となった。
このほかに、理念強化配分金が新設された。いわゆる傾斜分配金と言われるもので、17年から19年までの3年は、Jリーグ1位~4位までのクラブに優勝の翌年から3年に分けて支給される。
優勝したクラブが手にするのは、3年合計でなんと15.5億円!2位は7億円、3位は3.5億円、4位は1.8億円だ。
優勝から4位への配分金を手厚くするのは、トップレベルのクラブの強化を充実させるためだ。アジアのクラブ王者を決めるAFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)で、韓国や中国のクラブに苦しめられている現状を打破したい、とのJリーグの思惑が透けて見える施策だ。
アジアの選手なら日本人と同じ扱いに?
Jリーグが提携するタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、イラン、マレーシア、カタールの9か国の選手は、17年から日本人選手と同じ扱いになった。
Jリーグのゲームでは、外国籍選手が最大3人同時にプレーできる。これに加えて、アジア枠でもうひとりが出場可能だ。さらに提携9か国の選手がいると、最大で5人の外国籍選手がピッチに立てることになった。J1では北海道コンサドーレ札幌に、6月からタイ人選手が加入予定だ。
優勝候補は浦和と鹿島! 対抗馬はFC東京
最後にJ1リーグの優勝争いに触れよう。
保有戦力が厚いのは浦和だ。年間最多勝点を獲得した昨年のメンバーをほぼ維持しつつ、バックアップ層を充実させた。2月から5月まではACLとの掛け持ちで日程が厳しくなるが、十分に戦い抜くことができる。優勝候補の一番手、と言っていい。
昨季王者の鹿島も、実力者を補強した。前アルビレックス新潟のMFレオ・シルバ(31歳)、前ヴィッセル神戸のペドロ・ジュニオール(30歳)を獲得した。Jリーグで実績十分のふたりのブラジル人のほかにも、日本人選手をピンポイントで迎え入れている。浦和との比較でやや手薄なポジションはあるものの、勝負強さはJリーグ随一だ。リーグ連覇は射程圏にある。
浦和に続くのはFC東京か。GK林彰洋(29歳)、DF太田宏介(29歳)、MF高萩洋次郎(30歳)、FW大久保嘉人(34歳)、永井謙佑(27歳)と、日本代表経験者を大量に獲得したのだ。
浦和、鹿島、川崎フロンターレ、ガンバ大阪の有力クラブがACLに出場するのに対し、FC東京は国内の戦いに専念できる。同じくJ1リーグに力を注げる意味で、15年優勝のサンフレッチェ広島、清武弘嗣(27歳)がスペインから復帰したセレッソ大阪も、上位進出が予想される。
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