この季節によく見かける「春一番」とは?
気象庁は17日、関東地方や北陸で春一番が吹いたと発表した。
気象庁によると、「春一番」は冬から春への移行期(立春から春分までの間)に、初めて吹く暖かい南よりの強い風のことを指すという。
東京都心では19℃、青梅では22℃を記録。4月下旬並みの陽気となった。気象庁は強風や高波、積雪の多い地域では、雪解けによる土砂災害や低地の浸水、なだれに注意するよう呼び掛けている。
一方、明日18日の関東地方は、冬型の気圧配置となり、晴れから次第に曇りとなる見込み。気温も10℃近く低くなるとの予報だ。寒暖差が激しくなると体調を崩しやすくなる。どうして体調を崩してしまうのかという疑問に医師の山田恵子氏がAll Aboutの『季節の変わり目に風邪をひき易いのはなぜ?』で解説をしている。
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人間には、外の環境がどれだけ変わっても、体内の環境を一定に保つ仕組みがある。これを「恒常性(ホメオスタシス)を保つ」と呼ぶと山田氏は説明する。
冬と夏では30℃近くの温度差があるが、外気の気温に合わせて体温が変わらないように、人間の体は一定の体温(36度~38度)に保たれている。
体温を保つためにどんなことが起こっているの?
たとえば、「寒い」と感じた場合には何が起こるのか。山田氏は以下のような反応が体の中で起こっているという。
- 皮膚にあるセンサーで「寒い」という感覚をキャッチし、その「寒い」という感覚を脳に送る(センサーは皮膚以外にもある)
- 脳の視床下部という所から、ホルモンや自律神経を介して、全身の器官に体温を保つ指令が出される
- 体の各器官で熱を逃がさないような反応や熱を産生する反応が起こる
※具体的には、皮膚では血管が収縮して熱を逃がさないようにしたり、カラダの中では蓄えられた糖質や脂肪を燃やして熱を作ったりする。その熱で温まった血液が全身を循環することによってカラダが温まる。
「体温ひとつをとってみても、私たちの知らない無意識の部分で、かなり複雑な仕組みが働いているのです」
「恒常性」は一日中変化する
恒常性は、一日中変化を繰り返しているという。
人間の体温(深部体温)は一日のうちでも一定ではなく、1℃以内の範囲で日内変動する。一般的に、明け方に最も低く、夕方に最高になる。一日の中でも体温は波のように一定に上がったり下がったりを繰り返している。
人間の体は外部の状態がどうであろうと、常に一定に保つように無意識のうちに調節されている“非常に高度な仕組み”なのだという。
司令塔が対応できなくなると…
私たちの体はそれを無意識に行っており、その司令塔が脳の中にある「視床下部」。季節の変わり目で風邪を引きやすいのは、外部の変化の激しさに司令塔の視床下部が対応しきれなくなって、自律神経やホルモンなどにすべて影響を及ぼして、ひいては抵抗力や免疫力が弱まって風邪をひいてしまうからなのだという。
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