西日本中心に大雪の予想、国交省が緊急発表…雪道のトラブル対処法

気象庁によると、9日から12日頃にかけて西日本を中心に大雪になるといい、大雪や路面凍結による交通障害に注意・警戒するよう呼び掛けた。大雪の際、車が立ち往生したり多重事故が起きたりするが、こうした事態を招かないために注意すべきことについて専門家が解説した。

12日にかけて大雪や路面凍結に注意

気象庁によると、9日から12日頃にかけて冬型の気圧配置が強まるため、日本海側では西日本を中心に大雪となる見込みという。それに伴い、国土交通省は緊急発表を行い、大雪や路面凍結による交通障害に注意・警戒するよう呼び掛けている。
 

9日18時までの24時間に予想される降雪量で多い所は以下の通り。

  • 近畿地方、中国地方   30センチ
  • 四国地方        20センチ
  • 東海地方、九州北部地方 15センチ

その後、冬型の気圧配置が強まるため、日本海側では西日本を中心に降雪量はさらに多くなると気象庁は発表している。なお、関東甲信地方でも9日は雨、もしくは雪が降る可能性があるという。
 

1月から2月にかけて、日本各地で大雪が降り、車が立ち往生したり多重事故が起きたりといったニュースが相次いだ。こうした事態を招かないために注意すべきことについて、All Aboutの複数の専門家が解説をしている。

 

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四駆ならば雪道でも問題ないと勘違いしている人は多い

災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏がAll Aboutの『冬の災害、大寒波に備えるためには?』で「雪の予報が出ているときには極力車の使用を控えること。止むを得ない場合は事前に必ず冬用タイヤに履き替えておくことが必要です」と述べている。
 

降雪時に車は冬用のスノータイヤを使用するのが必須。しかし、特に都市部では用意していない人が多く、よくスリップ事故が発生している。また、四駆ならば雪道でも問題ないと勘違いしている人も多いと和田氏は指摘しているが、四駆は、駆動力は強くても、制動時に効果がないので注意が必要だという。
 

「雪道に慣れていない人が車を運転するのは自分のみならず、周囲にも危険を及ぼす可能性が高くなります。特に危ないのは降雪後の明け方近く、雪が凍りついた路面はさらに事故をおこしやすい環境にあります」(和田氏)
 

急な積雪の時…「補助的に」対応できるアイテム

それでは、冬用タイヤを持ち合わせていないドライバーで、どうしても車で外出しなければならない時にはどうすればよいだろうか。日本カーオブザイヤー選考委員を務めたこともある加藤久美子氏は『寒い時期に起こりがちな車のトラブルへの対処法』で、雪に慣れていないドライバー向けに積雪で起こりがちなトラブルへの対処方法を紹介している。


年に1~2回雪が降るかどうかの地域ではスタッドレスやタイヤチェーンを積んでいない車も多いだろう。急な積雪にあくまでも「補助的に」対応できるアイテムとして加藤氏が薦めているのが「スプレー式滑り止め」だ。


例:田村将軍堂 いざっ というときに スプレーチェーン「スプレー式」 [HTRC2.1]


「スプレー式滑り止め」の使い方は、タイヤの接地面に直接スプレーをし、5分間程度定着させて使うという。スプレーする際、車のボディやバンパーなどにつくと取れにくくなるというので注意が必要だ。
 

「中には最大70km程度走れると書いてあるものもありますが、筆者の経験では乾いた路面がなく平坦な圧雪路だけなら、20~30キロ程度はまともに走れるという印象です。が、トンネルなど積雪がない場所を走ると摩擦ですぐにはがれてしまいますので、要注意」(加藤氏)
 

「雪で立ち往生して渋滞や事故の引き金にならないよう、まずは車を駐車場そのほか迷惑が掛からない場所に移動させるのにも力を発揮してくれます。靴裏にも滑り止めとして使えるので、一本積んでおけばひとまず緊急用として安心ですね」
 

雪道でスタックした時に使える脱出道具の準備も

雪道でスタックした時の脱出道具も準備しておくといいと加藤氏は述べる。

例:

タオルや毛布を敷くことをお勧めする人もいるが、空転するタイヤの下にうまく敷くのは難しいため、道具を準備しておく方が良いという。また、スコップは必携で、小さくても鉄製をお勧めしている。
 

なお、脱出グッズがない、という場合、ドライバー1人で車を脱出させるのに良い方法はジャッキアップがあるという。スペアタイヤが積んである車には必ず車載工具としてジャッキが搭載されているので安心だ。
 

【関連リンク】

冬の災害、大寒波に備えるためには?

寒い時期に起こりがちな車のトラブルへの対処法

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