2016年11月のアメリカ大統領選を制した共和党のドナルド・トランプ氏(70)が20日(日本時間21日未明)、ワシントンの連邦議会議事堂で宣誓し、第45代大統領に就任しました。同日、アメリカ大統領20日の就任式では、ファーストレディーとなったメラニア夫人(46)のファッションに注目が集まりました。このファッションについてAll Aboutでファッションガイドを務める遠藤友香さんに、評価を伺いました。
洗練された、まさにファーストレディーにふさわしい装い
――就任式でメラニア夫人はラルフローレンのドレスを着用いましたが、どのような意図があったのでしょうか?
遠藤「メラニア夫人は、これまでヨーロッパの高級ファッションを好んで着用し批判されてきましたが、就任式ではアメリカを代表するブランド“ラルフローレン”のパウダーブルーのドレスを着用しました。ラルフローレンは存命するデザイナーの中では最も米国流の気品を体現したデザイナーといえるので、このチョイスは正解でしょう」
――水色のカシミヤのドレスは、首を覆ったデザインでした。同系色の丈の短い上着と長手袋、靴のというコーディネートは、いかがでしたか?
遠藤「米メディアは、現在もファッションアイコンとして絶大な人気を誇るジャクリーン・ケネディが、1961年に第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの就任式に現れたスタイリングとそっくりだと報じています。確かに選んだカラーは違えど、ドレスの首を覆ったデザインや淡いカラー使いがそっくりで、ケネディ元大統領夫人を意識していると言えるでしょう。ドレス、手袋、靴をすべて同系色でまとめており、統一感と気品が生まれています。洗練された、まさにファーストレディーにふさわしい装いで、高評価です」
先見の明とファッション感度が高く買われる結果に
――就任を祝う舞踏会ではクリーム色のドレスを着用していました。これは、ニューヨークのデザイナー、エルベ・ピエール(Herve Pierre)氏のドレスとのことですね。
遠藤「比較的認知度が低いニューヨークのデザイナー、エルベ・ピエール氏のドレスを選び、メラニア夫人の先見の明とファッション感度が高く買われる結果となりました。米高級ブランド“キャロリーナ・ヘレラ”の元チーフデザイナーを務めたエルベ・ピエール氏がデザインを手掛けるブランドです。2009年にミシェル・オバマ前大統領夫人にドレスのデザイナーとして選ばれたジェイソン・ウー(Jason Wu)氏が一気に有名になったように、ピエール氏もこれを機に、認知度を上げることでしょう」
――ドレスは大胆なスリット、肩を露出したデザイン。メラニア夫人は着こなしているように感じました。
遠藤「大胆に太ももの高さまでスリットを入れ、肩を露出したドレスは、新鮮でモダン、エレガントながら控えめとの高評価を受けていますが、まさにその通りです。優美なクリーム色が、スリットが深いデザインでも、エレガントに見せてくれています。一般の方でスリットが入ったデザインは、なかなか勇気のいるものですが、もう少しスリットが控えめなタイプや、今の時期でしたらタイツを合わせれば、取り入れやすくなります。」
――ずばり、今回のメラニア夫人のコーディネートは何点をあげられますか?
遠藤「アメリカブランドをセレクトし、エレガントで上品にまとめたコーデは、90点をつけられます」
……教えていただいたのは
レディースファッション ガイド
遠藤 友香さん
ファッションディレクター。ミラノにてファッションスタイリング修士課程修了。海外取材や留学経験を通し培われたグローバルな視点で、最新ファッショントレンドを分析・発信。エッジィでフェミニンなスタイリングから、リアルクローズの提案、注目ニュース、そしてお手入れ方法まで、幅広いファッション領域に定評がある。
https://allabout.co.jp/gm/gp/496/
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