世界最大規模のモーターショーのひとつである「北米国際自動車ショー2017(デトロイトモーターショー2017)が1月8日から22日まで開催されている。トヨタがエース級のカムリを一新させるなど、日系メーカーも例年どおりかなり力を入れている。日系自動車メーカーを中心に注目モデルをお届けする。
注目はトヨタのエース、「カムリ」の新型モデル
トヨタの豊田章男社長による米国への「100億ドル投資」を含めたプレゼンテーションが話題になっている。しかし、あくまで主役は、米国を中心とする北米の稼ぎ頭「カムリ」の新型モデルだ。
米国では最近の原油安により、大型車へのシフトが鮮明になっていて、比較的コンパクトなエコカー(ハイブリッドなど)は苦戦しているという報道もある。
その中で、カムリの米国での位置は不動といえるもので、乗用車セグメントにおいて15年連続で最も多くのユーザーを獲得し、ケンタッキー州の工場で年間40万台近くを生産するなど、まさにエースに君臨している。
大胆かつスポーティに生まれ変わった新型カムリは、「TNGA」と呼ぶプラットフォーム(クルマ作り、人材育成なども含む)を採用し、スポーティなフォルムと広々したキャビンを実現。インテリアも次世代インターフェイスの採用などにより先進的な雰囲気としている。
「ダイナミック・フォース・エンジン」と呼ぶ新型の2.5Lエンジンを搭載し、こちらも新しい8ATと組み合わされている。2.5Lのハイブリッド(THSⅡ)も一新され、動力性能や燃費を向上させているという。
安全装備では、歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティをはじめとした先進安全装備「Toyota Safety Sense P」を搭載。なお、新型カムリの日本への導入は2017年夏頃の予定としている。
10速ATを搭載する北米向けホンダ・オデッセイが登場
ホンダからは北米向けのオデッセイが公開された。日本のオデッセイと車名こそ同じだが、北米向けは日本向けよりもひと回り以上大きく、かつて日本にもカナダから逆輸入されていたラグレイトの系譜を受け継ぐモデルだ。
北米向けオデッセイは、米国内で累計約250万台を販売し、ファミリーから絶大な支持を集めている。先代モデルがフルモデルチェンジした2010年以降も米国のミニバン販売台数で7年連続第1位を記録するなど、ホンダの稼ぎ頭の一台だ。
北米向け新型オデッセイは、3.5L V6直噴i-VTECエンジンに、ホンダが独自に開発した10速ATをミニバンとして初めて採用され、力強い走りとともに、滑らかな加速感を実現。主要グレードには、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」が標準装備される。
次期スカイラインクロスオーバーか!?
日産(インフィニティ)からはQX50コンセプトがワールドプレミアされた。将来登場する量産車のデザインを示唆するモデル(デザインスタディ)ではあるが、自動運転支援技術の導入も示唆。
ドライバーが最終的な車のコントロール責任を持つという哲学を掲げるインフィニティの自動運転支援技術は、人間に代わってクルマを操縦するのではなく、ドライバーの「副操縦士」として運転を支援するもの。
また、同コンセプトは、日産が誇る最先端の可変圧縮比エンジン「VCターボ」の将来的な採用も想定。同エンジンを採用することで、パワーと効率性を併せ持つパワートレインを提供するとしている。
日本にもし同コンセプトカーの市販バージョンが導入された場合、新型スカイラインクロスオーバーとなるかは現時点では分からないが、ダイナミックなフォルムと先進技術で話題のSUVになりそうだ。
2018年モデルのスバル WRX/WRX STIを披露
北米で絶好調のスバルは、WRXの最新バージョンを披露している。今回はフェイスリフトを受けるとともに、走りや安全、実用性といったWRXシリーズならではの特徴を磨き上げている。
走りでは、サスペンション設定の最適化などにより、優れた操縦安定性とフラットな乗り心地を向上。WRX STIには新電子制御マルチモードDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)などを採用し、走行性能を高めている。
装備では、ステアリング連動ヘッドランプやオートビークルホールドを採用することで安全や利便性を向上させている。
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