【全日本フィギュア】宇野昌磨、宮原知子 大学1年のふたりが優勝

12月23~25日まで大阪・東和薬品ラクタブドームで、フィギュアスケートの全日本選手権が開催された。

12月23~25日まで大阪・東和薬品ラクタブドームで、フィギュアスケートの全日本選手権が開催された。

  

羽生らが欠場…誰が勝っても初優勝の大会、宇野が制す

大会直前に、昨年まで4年連続で優勝している羽生結弦が、インフルエンザと咽頭炎を発症し欠場することが発表された今大会。故障の山本草太と、東日本選手権の演技中に故障した村上大介が出場しない状況に重ねて残念なニュースだったが、誰が勝っても初優勝という男子シングルの状況は、新たな局面を生み出した。

  

羽生の不在により突如追われる立場となった宇野昌磨は、ショートプログラムでジャンプミスがあり、2位スタートに。翌日のフリーでは、ジャンプミスがあったものの最後まで諦めずリカバリー。終了直後には涙を見せた演技で、優勝を果たした。2週間前にフランス・マルセイユで開催されたグランプリファイナルから帰国後、コンビネーションジャンプの練習を重ねてきたことが奏功した4分半だった。

宇野
全日本選手権でフリーの演技をする宇野昌磨(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

  

2位には、NHK杯3位で初めてグランプリシリーズのメダリストとなった田中刑事。嬉しい初めての全日本表彰台となった。

  

これが12回目の出場となる全日本選手権で、ショート首位でフリーを迎えた無良崇人は、冒頭で4回転を2度決めたものの、基礎点が1.1倍される後半のジャンプでミスが重なり得点を積み上げきれず3位にとどまることとなった。

  

宮原が3連覇! シニアデビューの樋口・三原も健闘

宮原知子が3連覇するのか、台頭著しい10代半ばの選手たちが優勝するのかと注目された女子シングル。

  

ショート首位の宮原はフリーで、回転不足のジャンプもあったものの、そのほかでは完璧なスケートを見せて優勝を果たした。強化し続けてきた表現力では、広いスケートリンクの中でもはっきりと伝わる表情や手足の所作、ムーブメント、上品で力強さも感じさせる演技で、貫禄さえも感じさせた。

宮原
全日本選手権でフリーの演技をする宮原知子(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

  

2位、3位には、今シーズンシニアデビューの2人。樋口新葉は、3回転ルッツ+3回転トウループを2度きれいに決める演技で、2年連続銀メダリストとなった。3位は、スケートアメリカ3位の三原舞依。心地よく流れるスケーティングと、流れの中で自然に跳び上がるジャンプで、会心の演技を見せた。

  

昨シーズン復帰した浅田真央は、左膝痛の影響もあり、ショート、フリーともにジャンプミスが重なり総合12位に。とはいえ、ステップやふとした所作など、魅せる演技は際立っていた。ジャンプミスなどがあると高くなりにくい演技構成点が、ショート、フリーとも出場選手中2位だったことからも、彼女の演技の奥行きや深さがうかがえる。

  

宮原は18歳、樋口は15歳、三原は17歳。もともと10代の選手が台頭することの多い女子シングルだが、表彰台の上の顔ぶれが一気に若くなった印象だ。

 

本田真凜ら、注目の若手選手は?

また、ジュニアグランプリファイナルで、マルセイユ到着後インフルエンザを発症して欠場することとなった本田真凜は、総合4位。手袋がブレードに引っかかるなどミスがあったショートで17位となった白岩優奈が、その悔しさを晴らすような完璧なフリーで3位となり、総合6位まで追い上げた。さらに、音楽に入り込んで感情を出す演技で魅せた島田高志郎は7位。3人とも中学3年生で2度目の全日本選手権。この大会の見どころのひとつ、「若手選手の勢い」を十二分に見せてくれた。

  

ペアには4組が出場し、須藤澄玲&フランシス・ブードロ・オデが2連覇を果たした。アイスダンスには5組が出場。こちらも村元哉中&クリス・リードが2連覇を果たした。

  

平昌五輪につながるシーズン後半。世界選手権の代表も発表

多くの選手にとって全日本選手権は、1年間積み上げてきたことを発揮する、シーズンで一番重要な大会のひとつ。日本でスケートをする選手たちにとっては、ここに出場することが憧れでありステイタスでもある。

  

と同時に、世界で戦う上位選手たちにとっては、シーズン後半の大きな大会への派遣が最終的に決まる大会でもある。特に世界選手権の代表たちには、2018年平昌五輪の出場枠がかかっている。来年3月の世界選手権で、男女シングルでは出場3人のうち上位2人の順位合計が13以内なら五輪は3枠、28以下なら2枠獲得となる。ペアとアイスダンスは1組ずつの出場なので、最終順位が2位以内なら3枠、10位以内なら2枠獲得できる。

  

大会終了後、各大会の日本代表が以下のように発表された。この新たな顔ぶれが、平昌五輪につながるシーズン後半を戦っていく。

  

▼世界選手権(3月29日~4月2日、フィンランド・ヘルシンキ)

男子シングル:宇野、羽生、田中

女子シングル:宮原、樋口、三原

ペア:須藤&ブードロー・オデ、須崎海羽&木原龍一

アイスダンス:村元&リード、平井絵己&マリオン・デ・ラ・アソンション

 

▼四大陸選手権(2月14~19日、韓国・江陵)

男子シングル:宇野、羽生、田中

女子シングル:宮原、樋口、三原

ペア:須藤&ブードロー・オデ

アイスダンス:村元&リード

 

▼冬季アジア大会(2月23~26日、札幌)

男子シングル:宇野、無良

女子シングル:宮原、本郷理華

ペア:須崎&木原、髙橋成美&柴田嶺

アイスダンス:村元&リード、森伊吹&鈴木健太郎

  

▼世界ジュニア選手権(3月15~19日、台湾・台北)

男子シングル:友野一希、島田

女子シングル:坂本花織、本田、白岩

アイスダンス:深瀬理香子&立野在

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